例えば、AがBにお金を貸していて、Bが物上保証(B所有の不動産)で、Cが人的保証人です。
一方で、AはCにもお金を貸していますが、C所有の不動産はないです。
そこで、Cが破産した場合に、AはB所有の不動産の抵当権実行はできるでしようか。
現在では、BのAに対する返済期日は未到来です。
私は、AのBに対する貸金と、AのCに対する貸金と違うわけですから、Cが破産しても、Bに対する強制執行はできない気がします。
しかし、Aからみれば、保証人が破産したのでは、信用は失墜し、Bに対する貸金の期限の利益も喪失し、Bに対する抵当権実行も許される気もします。
いかがでしようか、よろしくお願い致します。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
Bが保証人を立てる義務があるかどうかによります。
BがAに対して保証人を立てる義務がある場合、保証人であるCについて破産手続が開始されますと、Cは弁済する資力を有する保証人ではなくなりますので、AはBに対して、行為能力があり、かつ、弁済をする資力を有する代わりの保証人を立てるように請求をすることができます。これにBが応じなければ、保証人を立てる義務の不履行となり、主たる債務の期限の利益の喪失事由にもなります。民法
(期限の利益の喪失)
第百三十七条 次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。
一 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
三 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。
(保証人の要件)
第四百五十条 債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならない。
一 行為能力者であること。
二 弁済をする資力を有すること。
2 保証人が前項第二号に掲げる要件を欠くに至ったときは、債権者は、同項各号に掲げる要件を具備する者をもってこれに代えることを請求することができる。
3 前二項の規定は、債権者が保証人を指名した場合には、適用しない。
(他の担保の供与)
第四百五十一条 債務者は、前条第一項各号に掲げる要件を具備する保証人を立てることができないときは、他の担保を供してこれに代えることができる。
この回答への補足
解説ありがとうございました。
そうしますと、結論は、AはB所有の不動産の抵当権実行は可能と云うことになります。
それでよろしいでしようか ?
解説では、保証人であるCの破産宣告によって「Bに保証人を立てる義務がある」と云うようです。
もともと約定で、CはBの保証人であった者が、破産によって「Cは、保証人ではなくなりますので、AはBに対して・・・保証人を立てるように請求をすることができます。」と云うことで、Cの破産はBの責任ではないのに、Bは、2人目の保証人を立てなければならないことになり、不合理と思われますがいかがでしようか。
No.5
- 回答日時:
>この会話のなかで「保証人をつけなければ貸しませんよ。
」と云うことで、BがCを保証人としたことが「Bの義務」であったとすれば、民法450条の「立てる義務がある場合・・・」に該当して差し支えないと思います。そういうことになると思います。
>そう云う解釈のもとで、Bが別な保証人をつけるか、又は、担保の提供しない限り、AはB所有の不動産を競売することができる、と云うことでよろしいでしようか ?
その通りです。民法第137条第3号により、被担保債権の期限の利益が喪失し、競売の実行が可能と言うことになります。
No.4
- 回答日時:
>Cの破産はBの責任ではないのに、Bは、2人目の保証人を立てなければならないことになり、不合理と思われますがいかがでしようか。
他の回答者からの回答のとおり、BがAとの契約に基づいてBが保証人を立てる義務を負い、その義務の履行としてBがCを保証人に立てた場合に問題になります。なお、BがAの指名に基づいてCを保証人に立てた場合は、代わりの保証人を立てる義務はありません。(民法第450条第3項)
この回答への補足
おおよそ判ってきました。
実務では「保証人を立てる義務」は法定要件によるものは限りなくゼロに等しいと思います。
そうしますと、約定義務と云うことになるでしようが、一般的な契約書では、債権者A、債務者B、保証人Cと一つの契約書に連名で署名捺印しています。
普通は「保証人をつけて下さい。誰が保証人となりますか・・・はい、わかりました。」と云う会話で成立しています。
この会話のなかで「保証人をつけなければ貸しませんよ。」と云うことで、BがCを保証人としたことが「Bの義務」であったとすれば、民法450条の「立てる義務がある場合・・・」に該当して差し支えないと思います。
(今回は、AがCを指定したわけでもないし、BがAの指示でしたわけでもないです。)
そう云う解釈のもとで、Bが別な保証人をつけるか、又は、担保の提供しない限り、AはB所有の不動産を競売することができる、と云うことでよろしいでしようか ?
No.3
- 回答日時:
No.1の方の説明で尽くされているようにも思いますが。
。。>Cの破産はBの責任ではないのに、Bは、2人目の保証人を立てなければならないことになり、不合理と思われ
Cの破産が自分の責任でないことは,AにもBにも共通です。
Bに保証人を立てる義務がある場合,その「保証人を立てる義務」の中には,そもそも破産などしない,保証の責に耐える人を保証人とする責任があるとも考えられます。ですから,自ら立てたCが破産した場合に別の人を保証人として立てる義務をBが負担することは,当初の契約の負担の範囲内であると考えられ,不合理ではありません。
No.2
- 回答日時:
横から失礼します。
#1さんの回答は完璧で、本来であれば、私が補足すべきことは何もないのですが、質問者が誤った理解をしているようですので、私から解説させて頂きます。
一般的には、保証人を立てる義務というのは、法律の規定による場合や、裁判所の命令による場合、その他法律上一定の請求があった場合など様々な場合(担保の供与義務)が考えられますが、一番分かりやすいのは、契約による場合です。まずは、契約による場合を念頭に置き、主たる債務の中身として決まっているものだとお考えいただければ宜しいかと思います。
本質問において問題となるのも、契約としての担保提供義務です。AB間の金銭消費貸借契約の中身(従たる契約あるいは付款)として、Bが保証人を立てるという項目があがっているのであれば、Bには保証人を立てる義務があるということになります。保証人を立てる義務があるのであれば、当該保証人は、民法450条の要件に従った保証人である必要がありますので、この者が破産したのであれば、他に資力ある保証人を立てなければなりません。(資力のある)保証人を立てるということが、B自身の債務(義務)になっているのかどうかをお考えいただければ、それで良いのです。
>保証人であるCの破産宣告によって「Bに保証人を立てる義務がある」と云うようです。
そのようなことは、#1さんは一言も仰っていません。
要点をまとめると、
× 保証人の破産→担保を立てる義務がある
○ 担保を立てる義務がある→保証人の破産→別の担保を立てる
ということです。上の誤っているのが質問者の理解で、下が#1さんの仰りたいことです。質問者は実務経験が豊富なようですから、おそらく、保証人を立てるのが当然という感覚なのだと思います。実務ですと、保証人を立てたり、物的担保を負担するということが当然に契約の中身になっていることばかりですから、勘違いをなされても仕方のないことかもしれません。ですが、そもそも、一般の契約の場合、原則として、特約がなければ、債務者は担保供与義務を負いません。金銭消費貸借にしても、実社会では、人的あるいは物的担保を負担することが当然のようになっていますが、これらの担保を立てることを特約として盛り込んでいるからこそ、債務者は担保を提供しているにすぎません。担保の提供が金銭消費貸借の要件となっているわけでもなければ、効果となっているわけでもないのです。保証契約は、債権者(A)と保証人(C)との間で成立するもので、主債務者(B)の関与を必要としません。ですから、Cが保証人であるからと言って、当然にBが保証人を立てる義務を負っていたと判断するのは早計です。義務はないが、保証人を立てていたという事例や、あるいは、Cが勝手に保証人になっていた(委託を受けない保証人を参照して下さい)という事例も考えうるわけです。これらのような、Bに保証人を立てる義務がない場合、たとえCが破産しても無関係です。
>Cの破産はBの責任ではないのに、Bは、2人目の保証人を立てなければならないことになり、不合理と思われますがいかがでしようか。
問題となるのは、Bに保証人を立てる義務がある場合のことですし、また、保証人を立てる義務がある場合には、Bは、資力のある保証人を立てる義務を負うわけですから、この義務を果たせなくなれば、B自身の担保供与義務の不履行となります。前述のとおり、そもそも、一般的な契約の場合、特約がなければ、債務者は担保供与義務を負いません。当事者間でわざわざ特約して債務者に担保供与義務を負わせた以上、誰でも良いから保証人を立てればOKというものではなく、弁済の資力のある保証人を立てるべき、というのが当事者の意思を合理的に解釈する上でも自然だと思います。また、人的担保は、物的担保に比べると不安定な面がありますから、担保価値を維持し続けるために、保証人の資力を問題とし続けることにも合理性があると思います。ですから、私は、法の規定を不合理なものとは思いません。もし、これを不合理と思われるのであれば、そもそも担保を供与するという特約を結ばない、あるいは供与するにしても、債権者の指定によって保証人を決めてしまう等、他に取りうる手段はいくらでもあります。
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