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古語で、助動詞「つ」「ぬ」には
完了 強意(確述) の用法がありますが、
てむ なむ つべし ぬべし てよ ね
といった形の場合に、どちらの用法と見るべきかで混乱しています。
ほとんどの場合、両方の現代語訳をハメてハマラないこともない気がするのですが、明確な識別方法があれば教えて下さい。

A 回答 (5件)

 文法には諸説があり、そこで用いられる用語にもさまざまなものがあります。



 しかし、少なくとも、現代の日本の高校の「古典」関連の科目(「国語総合」の古典分野もそうです。)においては、「『つ・ぬ』が『む・べし』に続くときは、ほとんどが『強意』」と説明されるのが、ごく一般的だと思います。(「強意」は「確述」と呼ばれる倍もあります。)

 質問者の方が、高校生・大学受験生でいらっしゃるならば、上に記したように認識なさるのが賢明だと考えます。


 今、手元にある「新・要説文語文法」(四訂版・日栄社)という高校用の文語文法のテキストでは、助動詞「つ・ぬ」の意味として、

(1)完了(……タ・……テシマウ・……テシマッタ)
  (用例・4例略)
(2)強意(キット……・タシカニ……)
  〔5〕このことかのこと、怠らず成じ【て】む。
  〔6〕清見が関の波も、たかくなり【ぬ】べし。

と説明があって、補足説明として、

(1)どんなときに「強意」を表すか
   次の形で用いられるときは、ほとんどが強意だと考えてよい。
    / てむ   /つべし
    \ なむ   \ぬべし

との説明があります。

 No.1~3の方がおっしゃっているのと同じ内容だと思います。


 この「強意」の代わりに、書物によっては「確述」という用語が用いられる場合もありますが、いずれにしても「きっと~・確かに~」という意味で使われている場合を指します。

 たとえば、「全訳古語辞典」(第二版・旺文社)の「つ」の項には、

(2)動作・作用の実現を確信したり、確認したりする意を表す。確述(強意)の用法。
 (ア)単独で用いる場合。必ず…。確かに…。…てしまう。(以下略)

とあり、「確述(強意)」と( )に入っていますが、「強意」の語が用いられています。


 「大辞泉」の「つ」の説明にも、

2 多く「てむ(てん)」「つべし」「つらむ」の形で、陳述の確認・強意を表す。きっと…する。確かに…する。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%8 …

とあり、「てむ」等の形が示され、「確認」の語とともに「強意」が並記されています。

 書店で、高校参考書・大学受験問題集のたぐいをごらんになれば、どれも上記のような説明がなされているはずです。
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この回答へのお礼

参考になりました。どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/09/16 16:21

はじめまして。



ご質問1:
<助動詞「つ」「ぬ」には完了 強意(確述) の用法がありますが>

1.「つ」には「確認」の用法はありますが、「強意」の用法はありません。

2.なお、「なむ」は強意の係助詞と混同されているのではないでしょうか。係助詞と、助動詞の連語「な」+「む」の用法は全く別物ですから、混同しやすくよく試験にも出されます。


ご質問2:
<明確な識別方法があれば教えて下さい。>

前後文脈でしか正確な判断はできません。

1.推量の助動詞につく「つ」「ぬ」は「強意」の用法になるとは決まっていません。

2.特にご質問にある「てむ なむ つべし ぬべし」のように、推量の助動詞「む」「べし」につく「つ」「ぬ」は、「強意」の用法にはならず、「完了」になります。つまり、これらの語法では「完了+推量」になるのです。

3.理由は以下の通りです。

(1)確認を表す「つ」が推量の助動詞「む」と一緒に使われることはありません。

「てむ」となっていれば、
『完了の助動詞「つ」の未然形「て」+「む」』
と考え、「完了+推量」の用法になるのが一般です。

(2)強意を表す「ぬ」が推量の助動詞と一緒に使われる場合、推量の助動詞は「む」ではなく「らむ→らん」が使われます。
例:
「~ぬらん」「~つらん」(きっと~だろう)

従って、「なむ」となっていれば、係助詞「なむ」でなければ通常は
『完了の「ぬ」の未然形「な」+推量の「む」』
と考え、「完了+推量」の用法になるのが一般です。

4.以上から、「てむ」「なむ」「つべし」「ぬべし」などは、「してしまうだろう」「してしまったはずだ」という、「完了」+「推量」の意味で使われ、その例は古典には沢山あります。

5.なお、「完了」とは「過去時制」のことではありません。つまり、過去のことを言っているのではないのです。これは英語の現在完了形が過去時制ではなく、現在時制である、というのと同じです。

6.「完了」は時制とは関わりなく、「動作・状態」が一通り遂行されたことを表す文法用語です。

7.ご質問にあるような、「てむ なむ つべし ぬべし」など、「完了+推量」になるような助動詞の連語は、英語だと未来完了に相当し、訳は「~してしまうだろう」「~してしまうにちがいない」といった、「未来に完了してしまうことを推量する」表現になります。

例:
「来月で5年在住に、なりぬべし」(前半は現代語です)
=「来月でここに5年住んだことになるでしょう」(現代語)
=I will have lived for 5 years next month.

ここでは、「5年住んでしまった」というのは動作の完了であって、過去の事実を言っているのではありません。その動作が完了するのは、来月という未来なので、未来時制になているのです。

古語ではそれが
have lived=「ぬ」
will=「べし」
に相当するのです。

8.上記のような「つ」「ぬ」が確認・強意の意味になる場合、推量の助動詞と使われる場合は、「む」を使わない、などというのも判断のヒントにはなります。

しかし、いずれも前後文脈で正確な使い分けを確認する必要があります。

以上ご参考までに。
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この回答へのお礼

大変詳しい回答を、ありがとうございました。

お礼日時:2008/09/16 16:20

「推量の助動詞とともに用いられる場合は強意となる」と覚えておいてほぼ間違いないと思います。

あとは文脈からの判断となるかとおもいます。以下のURLも参考にしてみてください。

  http://yslibrary.cool.ne.jp/haroajapa009005.htm

なお、自然的な自動詞には「ぬ」、意志的な他動詞には「つ」がつきます。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
半端なくお礼が遅れてすみませんでした。

お礼日時:2008/09/16 16:19

推量は未来のことを前提とし、完了は過去のことを前提とする時制ですから、「完了と推量」と言う組み合わせは相性が悪いことが分かると思います。


「してまうだろう」というような、不自然な、いわば「未来完了(?)」みたいな時制は、原則、古典文法の中にはないと思ってもらったほうがすっきり整理して理解できるでしょう。
もちろん、「しまう(完了)」と「だろう(推量)」(「しまいたい」と、「意志」等でも同じこと)を同時に訳しておかしくはない、という文脈もありますが、基本的に、

推量関係の助動詞と併用された「つ」「ぬ」は「強意」

と覚えて差し支えないと思います。

単独で用いられている「つ」「ぬ」や、過去の助動詞と併用されている「つ」「ぬ」は完了です。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
お礼が尋常でなく遅れて、申し訳ありませんでした。

お礼日時:2008/09/16 16:18

てむ なむ つべし ぬべし


に関しては、ほぼ強意だと習いました。
(先生曰く、完了の用法で上記のものがあったとしても大学受験レベルじゃ出てこないよ。とのことでした)
遠い昔なのでおそらく、ですが…(-∀-;)

そもそも完了の用法って過去に起きたこと、過去のある一点で終結したことを指すので、そう取れるものは完了で、そうでないのは強意、という風にある程度は分けられますけど…
そういう文脈から読み取る以外の識別はやったことないですね。

ところで、迷っている文例など上げた方がアドバイスは頂きやすくなると思いますよ。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
あわせて、お礼が著しく遅れたことをお詫びいたします。

お礼日時:2008/09/16 16:17

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