
決算振替仕訳について疑問を抱く方は少なくないようですが、そもそもなぜ損益勘定などというものを新しく設定しなければならないのかが、やはり解せません。
この会計期間中にぜんぶでいくら入ってきたのか(収益)を右に書き、この会計期間中にぜんぶでいくら出て行ったのか(費用)を左に書き、差額を(プラスの場合は)資本金に繰り入れれば済む話だと思うのです。
私の持っているテキストでは、借方から借方への振り替えとか、貸方から貸方への振り替えとか、なんだか細かいことが書いてあるんですが、正直なんの意味があるのかさっぱり分かりません。
それに、すでに精算表を作成して当期純利益を出し、P/LとB/Sにも記入しているのだから、なんでいまさら決算振替仕訳のようなことを行わなければならないのでしょうか?
念には念を入れるためだ、と言われたら、はあ、そうですか、としか言えないんだけど。
同じような引っ掛かりを感じている方もいらっしゃると思うのですが…。
どなたか分かりやすく納得させていただけるとありがたいです。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
蛇足かもしれないなと思いつつ少しだけコメントすれば、簿記は計算結果を見せるという実質面だけでなく、形式面も重視しているんです。
そのため、損益科目については損益勘定を用いて「きちんと年度ごとに締めくくる」必要がある、ということのようです。確かに損益勘定を用いなくても損益計算書を作成することは出来ますし、会計ソフトを使うと損益勘定への振替はソフト内部で処理されますから、実務で損益勘定への振替を行うことはほとんど無いのでは、と思います。私も、簿記○級を学習していたときは、「これって無駄な処理だな~」と感じていたものです。
ただ、この振替により簿記の形式的な整合性が保たれているのだと知っておけば、こんな利点も生まれましょう。すなわち、簿記の学習でも実務でも、貸借不一致などの問題が発生したときに「簿記の形式面は信頼できるから、少なくとも簿記の仕組みを検証する必要はないんだな」との確信を持つことが出来ます。
損益勘定の学習は、個人的には、簿記の仕組みが自己完結していることを学習者に見せるためのもの(自己完結していることを学習者が理解するためのもの)かしらん、と思っています。
>簿記は計算結果を見せるという実質面だけでなく、形式面も重視しているんです。そのため、損益科目については損益勘定を用いて「きちんと年度ごとに締めくくる」必要がある、ということのようです。
ありがとうございます。実は、たまたま簿記に詳しい人(ある専門学校で講師をしていらっしゃる)女性に昨日お目にかかりまして、この質問をしてみたところ、一瞬、なにバカな質問してんのよ、それでも簿記を勉強してるつもり、みたいな一瞥を受けつつ、それでもok2007さんとほぼ同様の答え方をしてくださいました。
>確かに損益勘定を用いなくても損益計算書を作成することは出来ますし、会計ソフトを使うと損益勘定への振替はソフト内部で処理されますから、実務で損益勘定への振替を行うことはほとんど無いのでは、と思います。私も、簿記○級を学習していたときは、「これって無駄な処理だな~」と感じていたものです。
ああ、そうでしたか。共感していただける方がいらっしゃって、とても嬉しいです。私は決して孤独ではなかった…。そうですよね。現在じゃ、会計ソフトを使うことで、少なくとも人為的な計算ミスはまったく除外できますものね。でも、それをいっちゃあここの話はおしまいなんですよね。
>ただ、この振替により簿記の形式的な整合性が保たれているのだと知っておけば、こんな利点も生まれましょう。すなわち、簿記の学習でも実務でも、貸借不一致などの問題が発生したときに「簿記の形式面は信頼できるから、少なくとも簿記の仕組みを検証する必要はないんだな」との確信を持つことが出来ます。
このご回答には全身が震えました。これは素晴らしいお答えです。「少なくとも、簿記の仕組みじたいを検証する必要はない。疑義があるなら、それは人為的操作を疑うべきだ」ということですよね。ここにこそ、不確かな存在である人間を超越した理論体系の価値があるということですね。なるほど。深い知性を感じさせるご回答に、深く感謝いたします。

No.6
- 回答日時:
※損益勘定はなぜ必要かわかりましたか?やさしい簡単な例を書いてみます。
あなたはP/L・B/Sという記号を書いていますので理解しているとみなして書きます。
先に書きますが、P/Lを算出すれば最後に当期利益がはじき出されます。この利益をどうするかと言うと、B/Sの貸方の資本の部の剰余金の下に記入してB/Sが完成するのです。
この事から損益勘定を使ってP/Lを作成しなければB/Sが完成しないことがわかりましたかね。
それから単式簿記と複式簿記の意味分かりますか?どっちでもいいじゃんといいたいね?(^・^)あのねこうなんです。
単式簿記は家計簿と同じと解釈してください。このように書くでしょう?
小遣い300,000万円あるからパソコンをかった。手持ち300,000ー支出200,000=残高100,000
そこで複式簿記を使えば何が入って何が出ていって何が残っているかを明確に把握できるのです。
つまり借方(D r)貸方(C r)仕訳という形にすると商いをする人はP/L・B/Sを作成して一年間の決算報告書が出来るのです。
※複式簿記(仕訳帳)だと現金の減少だけでなく、手持ち30万円から20万円お金を支払い20万円の備品(パソコン)入る(増加)と残金が10万円と言うことが同じに記録できます。
借方(Dr) 貸方(Cr)
備品200,000 / 現金200,000
つまり複式簿記は簿記上取引は全て二面性を備えています。お金は減ってもパソコンは残っていると言う訳です。(^・^)
※費用とは。
仕入・給料・消耗品、「事務用消耗品」・租税公課・通信費・旅費、交通費他
※収益とは。
売上・商品売買益「商品販売益」・仕入割引「仕入現金割引」・雑益「雑収入・雑収益」他
それから簿記と言えば複式簿記と覚えてね(^・^)説明が前後しましたが解読してください。
ご丁寧にご回答くださり、誠にありがとうございます。
ときおりこの相談室を利用しておりますが、世の中にこれだけ熱心に他人の疑問に答えてくださる方がいらっしゃることに対して、ほんとうに感謝・感動しております。
簿記によらず、どんな自己学習もそうですが、モチベーションがすべてです。
皆さんのご尽力を糧に、これからも地道に学習を続けたいと思います。
No.4
- 回答日時:
「費用」と「収益」は片方にしか記録がないいびつな姿ですが、決算時だけに現れる「損益勘定」も、いわば「左と右の両方」にプラスがあるという特別なかたちをしているのだろうかと。
いいんじゃないないかと思いますよ。
私は損益勘定=損益計算書だと思っています。
ただ損益勘定自体は収益と費用の差額を繰越利益剰余金に振り返るための仮勘定だとも解釈しております。
結局損益勘定も差額が出ますので振替ないとずっと残ってしまいます。
この損益からの振替が損益計算書と貸借対照表が一致することになるのだと思います。
貸借対照上の利益の出し方は期末純資産-期首純資産=当期純利益というのがありますよね?
この考えなら損益の差額を資本に振替えれば資産と負債がでてなくても当期純利益はだせますよね?
結果当期純利益の算出方法は収益費用を損益(損益計算書の作成)に振り替えて当期純利益を計算して当期純利益を振替て期末純資産を計算それで残りのの財産債務の状況を記入(貸借対照表の作成)して決算終了となるわけです。
期末の資産-(期末負債+期末資本)でも当期純利益はでますが前者の考え方の方が貸借対照表と損益計算書の役目がしっかりわかれてしもか損益と貸借がつながってる理由がわかると思います。
若干自分の考えはいってますが・・・。
やっぱ簿記ってよくできてると思います。
この問題に解答していて簿記が楽しくて将来簿記を生かした職業に就きたいなって思ってた頃の気持ちを思い出しました。ありがとうございます。
こちらこそ、ありがとうございます。
簿記がこれまでの人間の知恵と工夫の集積であり、たいへよくできているのは同感なのですが、それだけに、言葉足らずのテキストや講師に遭遇すると、単にテクニカルなことだけを指摘されているようで、その「本来よくできている」はずの部分が伝わらず、非常にやる気をなくしてしまうところがございまして…。
makotu7029さんのように、「簿記が楽しくて…」という境地にはいまだ至らず、でも、こうして「すでに道を歩いていかれた方」がいらっしゃるというだけでも、はげみになります。
ちなみに、他の参考書をひっくりかえしておりましたら、(借方)(収益の勘定)/(貸方)(損益)が「収益の勘定→損益勘定への振り替え」、(借方)(損益)/(貸方)(費用の勘定)が「費用の勘定→損益勘定への振り替え」と書いてあるものが出てきまして、「なんだ、このシンプルな説明の仕方のほうがよほど分かりやすいじゃないか」と思ってしまいました。
一回反対へ持っていって下へおろす(すみません、図で描けないもので)みたいな図解で頭の中が混乱しておりましたが、こうしてご回答いただくことで、少しずつ前進しているように思います。
ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
確かにNO.2さんの言うとおり資本取引損益取引区分の原則のこともあるのですが私は次のようになっとくしています。
損益勘定に振り替えないと次の期も前期の金額に収益費用をプラスマイナスしていかないといけないからだと思いますよ。
そもそも貸借対照表はその時点における財産、債務、資本の状況を表すもので損益計算書は一定期間における収益と費用を表すものです。
account54さんの考え方だと事業を開始した1年度目は問題ないですけど2年は収益費用についても1年目の残高を引き継いでいくことになり
損益計算書は2年分の収入と費用をあらわすことになりませんか?
なので毎年毎年損益に振り替えて収益費用の残高を0にすれば上記の問題は生じないですよね?
いかがでしょうか?
ご回答、ありがとうございます。
つまり「決着をつける」ということですね。精算表は単に検算しているだけのようなものだから、損益に振り替えて、きちんと年度ごとに締めくくるとという意味合いですね。なんとなく、腑に落ちました。
あと、テキストをもう一回最初のページから見直しているんですが、「資産」は借方が増加で貸方が減少、「負債」と「純資産」は借方が減少で貸方が増加、「費用」は借方のみに発生がきて、「収益」は貸方のみに発生がくる。
「費用」と「収益」は片方にしか記録がないいびつな姿ですが、決算時だけに現れる「損益勘定」も、いわば「左と右の両方」にプラスがあるという特別なかたちをしているのだろうかと。
それを導き出すために、「費用」の左(プラス)を右(マイナス)にもってきた後さらに「損益」の左(プラス)に移し、「収益」の右(プラス)を左(マイナス)にもってきた後さらに「損益」の右(プラス)に移す、という手続きを採択している(採択せざるをえない)のだろうかと。
これは、なんとか自己説得させようというロジックなんですが、こういう解釈でよろしいでしょうか。
No.2
- 回答日時:
企業会計理論をご存じないからそんな疑問が出るのだと思います。
企業会計では、大前提として「経営と資本の分離」ということがあり、そこから「資本と利益の区別の原則」が導かれます(企業会計原則第一「一般原則」三)。
利益は配当の原資ですから成果として分配することができますが、資本は元手ですからそれを分配することは企業を清算して元手を返すということになります。
この区別は出資と利益の関係を計るためにとても重要なことです。これを正確に分析できなければ新たな投資などできませんし、利益の配分は儲けですから課税の対象になりますが、資本の分配は元での変換に過ぎませんから課税の対象にはなりません。
これを区別しなくていいなどと言う発想は、経営のあり方や社会の制度というものに対して関心が無いということでしょう。
もちろん単純な経理実務ではそんなことを考える必要はありませんが、「考える必要は無い」のですから「そもそもなぜ損益勘定などというものを新しく設定しなければならないのか」などと考えることも無責任で余計なことです。
http://www3.bus.osaka-cu.ac.jp/mslab/accstandard …
http://zaihyou.seesaa.net/article/24682202.html
なんだか大事(おおごと)になってまいりまして、専門家の方の琴線にふれたようで恐縮しております。
そもそもの質問が非常にレベルが低く、どちらかといえば卑近でミクロな点にひっかかっておりますので、マクロな話になりますとますますついていけないのですが、当方、無知なるが故に混乱しており、Carry15Sさんからの厳しい叱咤を愛の鞭と受け止め、まだしばらくはあきらめずに簿記に食いついてみたいと思います。(基本的に、この世界に向いていないのではないかという葛藤はぬぐえませんが…)
ともあれ、熱心にご回答いただき、誠にありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
>この会計期間中にぜんぶでいくら入ってきたのか(収益)を右に書き、
>この会計期間中にぜんぶでいくら出て行ったのか(費用)を左に書き、
その作業を損益勘定でするわけです。
>借方から借方への振り替えとか、貸方から貸方への振り替えとか、
>なんだか細かいことが書いてあるんですが、正直なんの意味がある
>のかさっぱり分かりません。
ですから、全ての費用と収益を損益勘定に集めて、当期の損益を計算
するのです。
>精算表を作成して当期純利益を出し、P/LとB/Sにも記入しているの
>だから、なんでいまさら決算振替仕訳のようなことを行わなければ
>ならないのでしょうか?
順序が逆です。損益勘定で初めて当期純利益が出て、それからP/Lや
B/Sが作れるのです。
この回答への補足
さっそくのご回答、まことにありがとうございます。
まだちょっと腑に落ちないところがあるので、補記させてください。
たとえば費用のT型勘定を書くと左側に残高額がきて、収益のT型勘定ではとうぜん右側に残高額がきますが、それをそのまま損益勘定の左と右におろしてやればいいと思うのですね。
私のテキストでは、それをいったん「費用の残高はTの右側に相対させてから損益勘定の(わざわざ)左側」に下ろし、「収益の残高はTの左側に相対させてから損益勘定の(わざわざ)右側」に下ろしてきます。
ANo.1さんがおっしゃるように、「全ての費用と収益を損益勘定に集めて、当期の損益を計算す」ればいいのですから、こんな、ねじるというか、頭の中が歪むようなことをせずに、「素直に総額の差」さえ求めたらいいと思うのですが。
あと、私は精算表を作ってから、もういちど損益勘定で検算するのかと思っていましたが、お話では順序が逆とのこと。
ということは(私のテキストでは上記の順番なのですが)損益勘定で当期純利益を出しておき、それからあらためて精算表を作成するわけですか?
重ねてご教示のほど、よろしくお願いします。
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