区分所有法ではマンションの管理規約の変更は3/4以上の多数決でなされねば
ならないと規定しています。
マンション管理規約は区分所有法の規制を受けることは理解していますが、
一方で、各マンションの管理組合等の裁量で、ある程度固有な規約を設けること
もできるとされている筈です。
そこで質問は、管理規約で、「附則の部分の変更に限っては、総会での普通
決議法(1/2多数決)で行ってよい」という条項を設けることは区分所有法に
抵触するや否やということです。
言い換えれば、一方で、附則も規約と一体のものとして、親規定である区分所有法
の拘束を受けるという解釈と、いや、附則は内容的に重要な条項はなく、規約の
本体ではないので、規約の中で上記のような特段の規定を設ければ、問題はない
のではないか、という解釈も可能かと考えますが、如何なものでしょう?
因みに、多くのマンショんで、管理費等の額の変更は普通決議でよいことになっていると思います。そしてその額に関する記述を附則においてしていると思います。このことと上の質問は関連しています。
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
No.3で回答した者です。
No.4の方のご指摘についてお答えしたいと思います。
質問者のお考えのうちに「附則」という言葉に関する誤解があることは、私ももちろん気づいておりました。
附則とは一般に、施行期日や経過措置等を定めるものだという点はNo.4の方のご指摘の通りです。しかし、管理規約は法令ではなく、管理規約の「附則」に何を書いてよいのかという点に関しては、法律には何の定めもありません。質問者のご質問のポイントは、附則に何が書かれているかということではなく、その部分だけを切り離して過半数の賛成で変更できるかという点にありました。そこで、ご質問の趣旨からすると、「附則」の定義について議論することは、いたずらに問題を複雑にするだけだと考え、あえて言及しなかった次第です。
No.4の方のご指摘は、「附則」というものの一般的な性格に関しては正しい面もありますが、マンションの管理規約における附則の扱いについては、大変失礼な言い方ですが、根本的な誤解をなさっていらっしゃると思います。
1.まずNo.4の方は、管理費と規約との関係について、質問者と同じように、「通常管理費の額を定めるのは附則であり、附則だから、規約の本則とは違って単純多数決で変更できる」とお考えのようです。
しかしこれは全くの誤解と言わざるをえません。
管理規約の附則で定められている管理費とは、「最初の?管理費」ではなく、期限付きの経過措置としての管理費にすぎません。たとえば標準管理規約の附則では、管理費について
「各区分所有者の負担する管理費等は、総会においてその額が決定されるまでは、
第24条第2項に規定する方法により算出された別紙○の額とする。」
と定めています。
ここで「決定されるまで」であって「変更されるまで」ではないことにご注意ください。管理費の額は、附則によってではなく、総会によって決定されます。
附則で定めた暫定措置としての管理費の額は、総会(区分所有法の用語では「集会」)で管理費の額に関する決議が行われることによって、附則それ自身の定めによって効力を失うのです。それは「過半数の決議による附則の内容の変更」とは全く違います。仮に総会で決議した管理費の額が、暫定措置としての管理費の額と同じだったとしても、その額を定める根拠は、総会の決議であって附則ではありません。
逆に、もしも「○年○月以降の管理費は、別紙○の額とする」というように期限を定めずに附則に定めたとすれば、それを変更するためには、附則の条文の追加あるいは変更が必要であり、それは法的にいえば規約の変更に当たることは言うまでもありません。
2.ところがNo.4の方は、「(附則は)本則である規約ではありませんので、そもそも改正という概念がありません。」
「その内容を変更するについては、区分所有法でいう規約変更の四分の三多数要件が必ずしも必要ではありません。」
「附則は規約本文ではありませんので、管理規約本文に別段の定めの無い限り、集会(総会)の2分の一決議要件で決定できます。」
などと主張されています。
まことに不可解な主張というほかありません。
標準管理規約には、
「規約、使用細則又は法令のいずれにも定めのない事項については、総会の決議により定める。」
という条文があります。No.4の方に伺いたいのは、規約の本則に定めがなく、附則で定められている事項は、「規約に定めのある事項」に該当するのかしないのかということです。もしも該当するとしたら、なぜ附則は規約の一部ではないといえるのか全く不可解です。またもしも該当しないとすれば、「附則でのみ定められており、総会の決議を経ていない事項は効力をもたない」ということになりかねません。
実際には、マンションの管理規約の附則には、たとえば新旧の規約の関係や、新規約の発効の時期、古い規約に基づく取り決めの有効性、周辺住民との協定の承認など、きわめて重要な事項が入っていることが少なくありません。集会の決議さえあれば、その条文を変えなくとも、それらの「内容の変更」が可能であるなどという解釈はとうてい成り立つとは思えません。
dripdropさん、ご意見、さらにamida3さんとのご議論、大変有益で有難うございました。
私は、amida3さんの言われるように附則を本則から切り離して解釈できないものかを、専門家にお聞きしたかったのですが、やはりご意見は分かれますね。
われわれの規約委員会でも、あまり独自の解釈を主張して疑念を残すよりも、成るべく問題が指摘されない方向で収拾しようと言う空気になってきています。
具体的に申しますと、管理組合発足当時の管理規約原文では、管理規約本則の管理費等の条項に、
「総会において定める管理費等の額の変更は規約の変更とはみなされない」
という項があり(多分どこかの管理規約を参考にしたのでしょう)、実際の管理費等の額は、附則の中に各住戸毎の具体的金額を示した別表の番号が示されておって、その整合性を図るため、本則の総会における議決法を定めた条項での3/4以上の特別議決議事として「規約の変更(ただし、附則の変更を除く)」
とやっているわけですが、この書き方について、今見直しをすべきかどうかを問題にしているのです。
それで、今回の問題は、いろんな方の意見を取り入れ、規約本則の管理費等の条項では「総会において定める管理費等の変更は、本規約第○○条△項の通常議決法によるものとする」(「管理規約の上手な活用法」にあるように)
と具体的議決法を記し、上記の但し書きをやめ、附則における別表指示もやめ(別表も規約の一部との解釈のあるのを避け)、殆ど実質的には同じながら、附則では、「管理費等の額は別紙にある通りとする」として、その別紙を使用細則の後ぐらいまで離して逃げるという方向にで解決しようとしています。
なんか、姑息な手段だなという感じをぬぐえませんが、(だから余り気乗りしなかったのでしたが)独自の解釈を強行して文句を言われるよりはよいだろうというのが、規約委員会の空気です。そんなことで、今度の理事会にそういう提案をしようかと思っています。
いろいろ迷っていましたが、ご指摘やご意見をお聞きして、決心がつきました。どうも有り難うございました。
No.5
- 回答日時:
私見です。
裁判で争われたとして、「建物の区分所有等に関する法律」で多数決議を要する規約の性格は、「建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項」ですので、それらと無関係で、抜け穴的運用にもあたらない事柄に関する改正であれば、その効力を否定しなければならないほどの違法性は無いことになるものと思います。
ただ、そういう瑣末な事項の場合には、それ自体が訴訟の目的にはならないのでしょう。
#2の回答は、あまり実益が無い回答だった反省しています。
No.4
- 回答日時:
ご質問者の「質問は、管理規約で、「附則の部分の変更に限っては、・・・」とありますが、そもそも誤解があります。
そもそも附則は、法令集を見ていただければお分かりのとおり、まず最初に置かれるのが施行期日に関する定めで、続いて、経過的な措置や、新旧法令の適用関係などを明確にするための定め等がおかれ、さらに、附則には、本則の暫定措置が定められている場合もあります。その意味では、本則の中の補完的規定あるいは雑則的規定(いずれも経過的規定でなく、恒常的規定)を定める部分の章節等の標題としてつけられているものではなく(これらは「補則」という標題ですので)、その意味では本則である規約ではありませんので、そもそも改正という概念がありません。
附則に書いてある経過的な措置の内容を改正するということは、当然出来ますが、本則の規約改正のように、附則として書いてある条文を改正するということはありません。(法律でも立法作業・改正作業上そのようなことはありません。)
No.3の方が「1.規約の中に書かれている「附則」は規約の一部です。」とお書きですが、拘束される内容としてはたしかに規約効力の一部ですが、その内容を変更するについては、区分所有法でいう規約変更の四分の三多数要件が必ずしも必要ではありません。
管理費の例でいえば、規約本則に「管理費を○●円とする」と定めてしまうと、その変更は、規約の変更を伴いますので、四分の三多数要件が必要になってしまいます。
そこで通常は、標準管理規約にもあるように、本則では管理費についての納入義務・算出方法について定めるにとどまり、附則で経過的な措置の内容として、「この規約発効時の最初の管理費は○●円とする」と定めます。
そうしますと、管理費の変更も、附則は規約本文ではありませんので、管理規約本文に別段の定めの無い限り、集会(総会)の2分の一決議要件で決定できます。
この決定は、規約と同一の効力を有するものですが、規約が変更になったのでも、規約の附則が変更になったものでもありません。規約の附則の経過措置の内容が集会の決議で新たに定められたもので、規約本文にも、附則にも記載はされません。
そこを理解していませんと、集会の議案に「規約附則第●条の改正について」なんていう本来ありえない議題(趣旨は理解できますが、通常の立法の考えかを準用すればありえません。)を提案することになってしまいます。(実際には時々見かけますね。でもありえません。)
組合員さんの中に弁護士さん等の専門家がいれば話は簡単なのですが、いないのでしょうか?
amida3さん、有益なご回答・ご指摘、有難うございました。
標準管理規約ももちろん参考にしましたが、あれはマンションの入居開始時点から管理組合ができるケースの管理規約の形で、規約の額の部分についての附則での書き方は、第1回の総会までのまさに暫定経過措置としての記述になっています。
われわれの場合は、既に30年も前からある中規模マンションで、約4年前に管理規約を作り管理組合を立ち上げたところでは、そこのところが、ちょっと模倣できなかったんですね。
仰るとおり、附則には規約の発効や組合の成立時期、規約の改正履歴等、多くは経過措置や事実関係の記録であり、規約の本体ではないともいえますが、われわれの場合、組合の預金口座のあり場所や、委託管理業者の名称なども附則に書いており、必ずしも恒常的内容ばかりでなく変更のある場合も出てきますので、状況はちょっと違うかと思います。そういうものは附則にそぐわないものだと言われればそれまでですが、規約委員会というので議論してそうなってきているのです。
今回の問題の結論は、dripropさんへのお礼で述べたとおりですが、ご意見どうも有難うございました。
No.3
- 回答日時:
1.規約の中に書かれている「附則」は規約の一部です。
区分所有法では、規約の設定、変更または廃止には、区分所有者および議決権の四分の三の多数を要するものと定めており、規約でそれに反する定めをしても無効になります。
したがって、附則だけを集会の単純多数決で変更することはできません。
単純多数決で変更したい事項は、「附則」とするのではなく、規約に書かなければよいのです。規約になく、また法律の定めもない事項についての取り決めは、単純多数決で変更することができます。
2.管理費についていえば、「管理費の額」は規約の一部ではなく、附則でもありません。したがってそれは集会での単純多数決で変更できます。
管理費の額そのものを規約で定めている管理組合はほとんどないはずです。
管理費の金額を規約で定めることは禁じられてはいませんが、それは管理費の改定をやりにくくし、管理を不便にするだけで意味がありません。
規約で定めているのは、管理費の金額ではなく、各区分所有者の負担割合です。
これはほとんどの規約で定められています。それぞれの専有面積の割合で負担するのが普通ですが、規約によってそれを変更することもできます。
ただし、規約によって「負担割合」を変更するには、区分所有者および議決権の四分の三以上の多数が必要です。負担割合を規約に書かないことにしても、その場合は法律の規定(専有面積の割合に応じて負担する)が自動的に適用されます。結論として、管理費の負担割合を単純多数決で変更することはできません。
またたとえ四分の三以上の賛成があっても、正当な理由なしに一部の区分所有者だけ負担を重くするような規約改正は無効になります。
No.2
- 回答日時:
実体的に考えるべきものと思います。
例えば、主要な事柄までも「附則」と称して「抜け穴」的に運用しようとすれば、「外形を装っているが、規約の改正と変わるところは無い」と判断させる可能性が高いと思います。
そうではなく、組合員の権利義務に関わらない事実行為(たとえば、議事録類の回覧順序や保管期限を過ぎた書類の処分法など)に関する条項であれば、「多数決議に拠らなければならない」とする根拠が希薄ですから、過半数で決めることに合理性が認められる可能性もあるものと思います。
画一的な外形主義ではないと思いますが、いかがでしょうか?
No.1
- 回答日時:
マンションの管理規約のことは、よく知りませんが、
一般に「付則」は「実施年月日や改訂年月日を表示」する程度で、付則で金額の改訂まで述べるのは、適当ではない気がします。
近くのマンションの組合理事長などに、お菓子でも持っていって、実際の話を聞かれたほうが早道では?
この回答への補足
mansionfloraさんのご回答早速有難うございました。
しかし、私は、近くの一般の理事長さん等よりはよく研究しているつもりですので、プロの法律解釈の専門家のご意見をお聴きしたいのです。
私の知る限り、多くのマンションの管理規約では、附則で管理費等の額を示した表のあり場所を指示していたりします。
しかし、質問の根幹はそのこととは関係なく、附則を規約の本体から切り離して考える解釈が、法解釈として通用するかどうかということです。
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