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ガラス転移温度と荷重たわみ温度ってどこがどう違うのですか??
調べたらどちらも同じような似てるような感じなのですが・・・
Tgはそれを超えると急激に弾性率が下がる(で良いんですよね?)のだから、
荷重たわみ温度も同じなのではないのですか??
それにどちらも近い温度値のような気もするのですが・・・

教えてください。
お願いします。

A 回答 (1件)

低分子物質では固体から液体、液体から気体への相変化の際に


融解熱や蒸発熱などの潜熱を伴い一次転位といわれます。
これに対し、潜熱は伴わないが比熱や体積が不連続に変化する
転位を二次転位といいます。

ポリマーの場合、この二次転位をガラス転位、その温度をガラス
転位温度といいます。この温度より低い温度では、ポリマーは
ガラス状固体のように振る舞い、高い温度ではゴム状弾性の
挙動を示します。

結晶性ポリマーの場合、ガラス転位温度より更に加熱されると、
融解します(一次転位)。この融点Tmとガラス転位温度Tgの
間には、
 Tm = 2.75Tg + C 対称性ポリマー、PIB (-CH2-C(CH3)2-)n 等
 Tm = 1.50Tg + C‘ 非対称性ポリマー、ポリクロロプレン
                (-CH2-CCl-CH-CH2-)n 等
の様な関係が認められます。
融点とガラス転位とポリマーの構造の間に何らかの関係が有ること
を示しています。

ガラス転位温度はポリマー鎖の内部自由回転が始まる温度、または
自由体積が急に増える温度との解釈があります。
この温度で弾性率の急激な減少も見られ、振動に対する緩和現象も
見られます。

大事な点は、ガラス転位は負荷が有ろうが無かろうが観察される
物理的な二次転位点(温度)です。

熱変形温度は、樹脂試験片に一定の静的荷重を加えた場合の、
系の応答を温度を指標として表したものです。
力に抗しきれず撓む温度ですので、弾性率が急激に減少するガラス転位
温度以上でその近傍であることは予想が付きます。
しかし、ポリマーの構造と集合状態の違いから、それがガラス転位
のどの位上の温度で現れるか、それは明確かは樹脂によって違います。
あくまでも、樹脂の使用目安としての温度で荷重の大きさや昇温速度
でも異なります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
とても参考になりました。

お礼日時:2009/06/29 20:55

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