現在、小4の理科の指導をしています。
この前、こんな質問がありました。
丸底フラスコ(別にヤカンでも良いのですが。。)で水を沸騰させ、細いガラス管から湯気がでる。
でも、実はガラス管の先には目に見えない水蒸気の部分があって、水蒸気が室温で冷やされて湯気になって見えている。
ここまでは良かったのです。その後、
室温で湯気になったあと、湯気は再び水蒸気になって空気と混ざります。
というところまで説明したところで、
「なぜ温められてもいないのに湯気が水蒸気にまたもどるの?」
という質問がでました。
うーん。。なんでかな??(-_-;)
調べておくね。。ということでその場は切り抜けましたが、
よく考えてみれば確かに不思議ではあります。
調べてみても、水蒸気が湯気になるところまではあるのですが、それが再び水蒸気になることまで書いてあるページがなかなかないのです。
あったとしても、空気と混ざるから。。という理由なのです。
うーん。これでは、うまく説明できませんよね?
ということで、もし分かる方がいらっしゃったら、教えてください。
小4でも分かる説明をしていただければ助かりますが、別にそうでなくても構いません。
とにかく、理由を教えていただけるとありがたいです。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
子供というのは実に鋭いところを付いてきますよね。
さて、まず基本として、
・空気は水を取り込むことが出来る
ということを知らなければなりません。
また多かれ少なかれ私たちのまわりにある空気は水を含んでいます。
氷と水を入れたコップに水滴が付くのは、冷やされて空気にとけ込んでいた水が出てきてしまったんですね。
冷やされると空気が含んでいることの出来る水の量が減ってしまうから水は空気から出てきてコップに付着して水滴となるわけです。
専門的には飽和蒸気圧と呼んでいます。空気が含んでいられる水の量は、温度が高いほど多く、また圧力が高い方が多くなります。
相対湿度はこの飽和蒸気圧ぎりぎりの水分量(飽和水分量)を100%として表します。
さて、実は別に加熱しなくても、たとえばコップに水を入れて部屋に置いておくだけでも水は蒸発します。(湿度が100%でない場合)
しかしその変化はゆっくりです。
その理由は、
1.固まりとしての水から細かな粒子としての水になるときに沢山の熱エネルギーが必要。
2.水が空気にとけ込むには、まわりに沢山の空気がないといけない。
3.コップと空気が接している面は、水全体の本の一部でしかない。
です。
それに対して水を蒸発させたときには、
1.熱が加えられて水分は細かな粒子になり空気と結合してフラスコより出ていく。
2.フラスコより出た空気と水分の混合である水蒸気は外の空気で冷やされる。
3.その結果飽和水蒸気量を越えてしまって再度水同士が互いにくっつき合う。
そのため白く見える。
4.しかし、まわりには沢山の空気があります。
飽和水蒸気量とはある体積の空気を考えて、その空気が含むことの出来る水分量です。
つまり出てきた水蒸気のまわりには沢山のまだ水分を欲しがっている空気がいるのです。
5.つまり、まわりから沢山の空気が供給されるので、冷やされたことにより一時的には飽和水分量を超えましたが、水を欲しがっている空気も同時にその水蒸気によってたかってやってくるので、彼らがまた水を受け取りその水を含んでしまうのです。
わかりやすく言うと、
Aさんが、Bさんにキャンデーを100個あげました。
Bさんは初めは(温度が高いので)100個のキャンデーを持つことが出来ました。
でもBさんは外に出ると、沢山の他の人たちがいてその人達がBさんを冷やします。
するとBさんは100個キャンデーを持っていることが出来なくなり、50個は持っているけど残り50個を落としてしまいます。
しかし、そこをすかさず他の人たちがよってたかって50個のキャンデーを争奪する。
という話です。
回答ありがとうございました。
キャンディの例えは分かりやすいですね。^^
そういえば、高校の化学で蒸気圧曲線というのをやったような。
うーん。小4で習うことでもきちんと未来につながっているんですね。
No.6
- 回答日時:
細かい水滴が蒸気となって消えてしまうのは、表面積が大きいことのほかに単位表面積あたりの蒸気圧が高くなることが関係しています。
これは水滴表面の曲率が凸型に高くなるほど蒸気圧が高くなるというKelvin(ケルビン)の式によって表現されています。でも「こういう式があるから」って説明では子供の好奇心に応えたことになりませんよね。
定性的に理屈で説明するのは私にも難しいですが、表面が凸型になることで水の分子が空気中に飛び出しやすくなる、という説明でいかがでしょう。
蛇足ですが、凹型の表面は蒸気圧が下がりますので、毛細管中の水分が蒸発しにくい理由もこれで説明できます。
No.5
- 回答日時:
水をコップに入れて放置したら中の水は段々蒸発して減っていく。
それと同じ様に、湯気として出てきた水の粒もガラス管からでてきて
湯気のそれぞれの水の体積は非常に小さいので
床(もしくは机)に落ちるまでに蒸発(空気中に溶ける)してしまう。
こんな感じで説明するのは無理があるでしょうか?
回答ありがとうございました。
そうですよね。空気が水分を取り込むことができることを教えてあげなければ、理解させることは難しいですよね。
No.4
- 回答日時:
> なぜ温められてもいないのに湯気が水蒸気にまたもどるの?
という疑問が起こる理由は,水が,
0℃未満では氷のみ(固体),
0℃では氷と水の共存,
0℃より大きくて100℃未満では水のみ(液体),
100℃では水と水蒸気の共存,
100℃より大きいと水蒸気のみ(気体)。
ということを知っているからでしょう。これは「水の三態」と呼ばれており,水がこのような挙動を示すことは,私たちは日常の生活を通して誰でも体感することが出来ます。
しかし,これが水の挙動のすべてではありません。水の三態では,室温で洗濯物が乾く理由が分かりませんし,湯気が空気中に取り込まれる理由も分かりません。そもそも湿度の存在を説明できません。実は,ひとつ重要な物理現象を見落としているのです。
義務教育で習う水の三態の温度変化は「相転移」という概念です。室温での水の蒸発を考えるには,もう一つ「相平衡」という概念が必要なのです。
相平衡を非常に大雑把に説明しますと「二つの相(例えば液相と気相)が常に一定の比率になりたがる」という性質です。つまり,気相が少なすぎても不安定で気化が進み,多すぎても不安定で凝縮が起こり,という感じでちょうどいい比率があるということです。前者は洗濯物を乾燥させ,後者は窓ガラスを結露させる訳です。
これでは「相転移」と矛盾するではないか,とお思いかもしれませんが,相転移は主に物質内部での話,相平衡は物質の表面での話なので,両者は同時に成り立っても矛盾しないのです。つまり室温では「水の表面は相平衡のため気化が起こるが,内部から気化する相転移は起こらない」のです。ちゃんと日本語にもすみわけがあって,相平衡による気化は「蒸発」,相転移による気化は「沸騰」といいますね。
ちなみに,気化のしやすさは「蒸気圧」という定数で与えられます。水の蒸気圧は,0℃から100℃の範囲内で温度と共に上昇しますが,これは高温であるほど気化しやすいということを示しています。
さて,これを小4の子にわかりやすく説明するのは難儀ですね。私なら「湯気は水滴が小さいから,すぐ乾くんだよ」と教えます。煙に巻くような説明に聞こえるかもしれませんが,水滴が小さい = 表面積が大きい = 相平衡に達する速さが大きい,ということで,一応物理的にも正しい説明になっております。
回答ありがとうございました。
そうですか。範囲を越えている内容のようですね。
しかし、範囲を越えている質問を思いつくというのは、範囲の内容をちゃんと理解しているからですし、どんどん不思議に思ってもらいたいですね。
「湯気は水滴が小さいから,すぐ乾くんだよ」ですか。確かにイメージしやすいかもしれません。
No.3
- 回答日時:
まず湯気になる:水蒸気濃度が高いので、冷えると水滴になる。
再度透明になる:凝縮した湯気が周りの不飽和空気(まだ水蒸気を含む事ができる空気)に拡散して行く時、再び蒸発する。
大きな水滴の蒸発は遅いが、湯気の粒は非常に小さく表面積比率が大きいので、蒸発が効率的に進み、あっと言う間に消える訳です。
特に加熱しなくても、周りの空気の相対湿度(その温度で含む事が出来る水蒸気の最大量に対する、そのときの実際の水蒸気含有量の比率)が100%以下なら、100%付近に達するまで水は蒸発します。 特に加熱しなくても、冬でも、洗濯物は乾くでしょ。 あれです。
回答ありがとうございました。
水蒸気の濃度が高いということは、つまり表面積が小さいということですよね。
おぉ!みなさんの意見が1本の線でつながったかも。^^
ということは。洗濯日和というのは、冬の日差しの強い日が一番良かったりするのでしょうかねぇ。
ん。。でも、夏の日差しより強い日が冬にあるのだろうか。。(汗)
No.1
- 回答日時:
蒸発するからです……というのはあんまりな答えですね。
湯気の粒は、ごく小さな水の粒子です。
それが空気中に存在すると、蒸発が始まります。
この蒸発自体は、コップに入れた水が蒸発するのと同様な現象です。
さて、蒸発する水の量は、表面積に比例します。
(正確に比例するかは自信がないですが、だいたい比例するはずです)
そして、粒子の表面積は、その粒子が小さい方が「相対的に」大きいのです。
たとえば、半径が10mmの水滴の表面積と体積の比は
1260mm^2:4200mm^3(3:10)
ですが、
半径1mmの水滴の表面積と体積の比は
12.6mm^2:4.2mm^3(3:1)
となります。小さい方が表面積が大きいのがわかるでしょう。
机の上に水をこぼしたとき、たまった水のままだとなかなか乾かないけど、
指で広げたりするとすぐに乾きます。
あれと同じ原理です。
粒子が小さい方が表面積が相対的に大きい。
そして表面積が相対的に大きい方が蒸発しやすい。
それで湯気はすぐに蒸発して消えてしまうのです。
なお、湯気が発生した時点では、
まわりが水蒸気でいっぱいなので、
蒸発しようにも蒸発できない状態になっています。
そのあと空気中に拡散して、蒸発が始まります。
回答ありがとうございました。
なるほど、表面積が関係しているのですね。
ということは、空気と混ざるという解説もあながち間違いではなかったのですね。(汗)
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