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2006年のIAUの総会で、惑星は以下の3つの条件を満たす天体と定義されました。
(1)太陽の周りの軌道上にある天体
(2)流体静力学的平衡の形(ほぼ球体)であると推定するために、剛体の力に打ち勝つような自身の重力のために十分な質量を持っている天体
(3)その軌道近くから他の天体を排除した天体

ここで、2点質問があります。
1つめは、剛体の力に打ち勝つための十分な重力があれば、ほぼ球体に近い形になることは分かったのですが、なぜそう出なければならないのでしょうか?
別にほぼ球体でなくてもいいのではないでしょうか?

2つめは、(3)についてです。
原文では、「has cleared the neighbourhood around its orbit」とはありますが、このclearedの訳し方が曖昧で捉えにくいです。
どう解釈すればよいのでしょうか?

よろしくお願いします。

A 回答 (6件)

 まず始めに、IAU総会で定義されたのは「太陽系の惑星の定義」です。


「惑星の定義」ではありません。後者の言い方をすると、系外惑星が含まれてしまいます。

 さて、(2)の条件は、その天体の形成時、すなわち原始太陽系星雲ガスが存在する時期に、周囲のガスを引きつけて大気とすることができるかどうかの条件と見ることができます。この条件を満たした天体(原始惑星)は、そうでないものより遙かに効率的に微惑星(原始太陽系星雲内で初期に形成される小天体)を集めて「成長」することができます。ただし、ガスが引きつけられるかどうかは星雲の温度等に依存するので、どこでも同じサイズや質量が要求されるわけではありません。
 尤も、「太陽系の惑星の定義」が為される以前の惑星という天体の認識からすれば、「丸い」こと(「自己重力」により球形となっていること)は最低限満たさねばならない条件と言えるでしょう。(2)はこれを科学の言葉で言い換えたものと受け取るのが一番素直です。

 (3)は、重力相互作用により相互に軌道を変えうる天体、または類似の天体が"近くに"存在するかどうかの条件です。惑星が周囲の物質を"食い尽くして"形成された天体(すなわち"他を圧倒して生き残った"原始惑星)であるとすれば、準惑星はそうではない天体ということになります。具体的には、その天体の"重力圏"をその軌道上にかぶせてできる"チューブ"内に"その天体の質量に比べて無視できない質量"がある場合には「惑星」とは呼べないということになります。

 以上の説明は、きわめて端的なもので、詳しく言い出すとあちらこちらに綻びが生じます。太陽系の惑星や準惑星の定義は、今後変わり得るものだと理解しておくのが無難です。

 以上、とある団体の惑星定義に関する日本語名称検討WGの末席を汚した者からのコメントでした。
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当初は(1)と(2)で、12惑星案でした。


冥王星、カロン、エリス、ケレスを含む
(冥王星とカロンは連星の扱い)
・採決されたときの本案は現在の定義
・採決されたときの別案はカロンを衛星として扱う11惑星案

で、本案が可決されたようです。
詳細は、その会議で日本の代表だった渡部潤一先生が書かれた
「新しい太陽系」に載っています。http://www.shinchosha.co.jp/book/610238/


また、(2)では惑星と準惑星が対象となり、(3)で準惑星が対象外となる
ようです。
#(2)がないと準惑星が定義できない
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>(3)を満たしているのに(2)を満たさないというのは考えにくいからです。



決定までの途中では、冥王星以外も含めて惑星が増えるような
報道もありましたので、(1)、(2)が最初に決まって、最後に
(3)が追加されたように想像していますが・・

http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000233.html
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回答ではないのですが、ぼくも質問者さんと同じ疑問を持っています。

(3)があれば(2)は必要無いように思えます。

同じ軌道から他の天体を排除するにはかなりの重力を持つことが必要で、(3)を満たしているのに(2)を満たさないというのは考えにくいからです。

別の回答者さんが書かれたようないびつな形の天体が含まれるということは起こりません。軌道上から他の天体を排除できるほどの重力を持っているなら、当然ほぼ球形になるはずです。
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>別にほぼ球体でなくてもいいのではないでしょうか?


3つの条件には、大きさなどが含まれていませんので、(2)の条件が
ない場合、いびつな形の小惑星が多数ふくまれてしまうことになります。
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>このclearedの訳し方が曖昧で捉えにくいです。



船の航路や、飛行場で滑走路の進路上に障害物が無い状態の時に「進路、クリア」って言ったりします。

「進路上に何もない状態」を「クリア」と表現する訳です。
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