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お世話になります。中古マンションの購入を検討しています。
元のオーナー様が亡くなり、親族の方が相続放棄をされたという物件です。
相場よりいくらか安く、都市銀行でローンも組めそうですが、
一般物件と比較した場合、手続きや契約、物件に関するリスク(注意点など)についてご教示いただけないでしょうか
また、司法書士売主指定ということは、弁護士さんが指定する司法書士さんに手続きを行ってもらいます、ということでしょうか。
契約手続きの一般的な流れとともにご説明いただけるとありがたいです。
瑕疵担保免責ともあり、これは物件に不備があっても施工主に損害(?)を請求できないということでしょうか。
状況説明に不足があり申し訳ありませんが、是非ご教示ください。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
元業者営業です
>一般物件と比較した場合、手続きや契約、物件に関するリスク(注意点など)についてご教示いただけないでしょうか
直接取引ではなく「仲介業者を介在し、なおかつ住宅ローンを利用する」という事が前提なら殆どご心配には及ばないでしょう。
この様な物件の購入にあたっての最大のリスクは「所有権移転が確実にご質問者様で登記できるかどうか」です。
仲介業者が入らず、売主との直接取引で現金購入の場合、「お金を払ったがそのままドロン」という様なケースも心配されますが、住宅ローンを利用する場合金融機関の抵当権が設定されますので、所有権移転ができない物件(抵当権設定ができない物件)に金融機関がローンの承認を下ろす事はありません。(つまり代金が売主に渡らない)
また、仲介業者が作成する「売買契約書」には以下のような記述があります。
第●条 (売主の引渡義務) 売主は、本物件引渡しまで保管に関する一切の責任を負い、本物件の所有権行使を阻害する恐れのある抵当権、質権、先取特権、賃借権その他一切の権利を所有権移転登記申請のときまでに完全に抹消し、買主または買主の指定したものに対し、完全なる所有権の移転登記申請の手続を完了しなければならない。
まぁ。条文はややこしいですが平たく言えば「売主は引き渡しまでに買主の所有権移転を阻害する要因を全てクリア―にしなさい」という事です。
あと、その他のリスクとして物件自体に問題がある(違法建築・欠陥等)場合も考えられますが、それはご自身の目でしっかりと見て判断すると共に、仲介業者に物件の調査を徹底させましょう。
なお司法書士に関してですが、通常は買主若しくは金融機関が指定しますが、売主指定という事も珍しくはありませんので、それ程心配はないでしょう。
まさか「偽の弁護士・司法書士」という事も無いとは言えませんが、おそらくそこまでは・・・だと思います。(一応名刺でそれぞれの協会へ問い合わせが出来るはずですよ。両方とも「免許」がなければできない業種ですから)
>契約手続きの一般的な流れとともにご説明いただけるとありがたいです。
「購入申し込み」
↓この時点で値引き等の条件交渉
「契約日設定(契約条件に合意できた場合)」
↓
「重要事項の説明」
↓
「契約」
↓金融機関へローンの申し込み
「ローン内定」
↓
「金銭消費貸借契約(金融機関とお金の貸し借りの契約)」
↓
「決済(物件引き渡し)」借入金融機関で実行
●司法書士が所有権移転・抵当権設定・登記原因証明情報等の各書類を確認し、不備が無ければ融資が実行され売主の口座へ入金。
●入金確認後、司法書士が登記所へ所有権移転・抵当権設定の申請
以上が基本的な流れです。
>瑕疵担保免責ともあり、これは物件に不備があっても施工主に損害(?)を請求できないということでしょうか。
瑕疵担保責任は以下の4項目になりますが、買主がその瑕疵を事前に知っていた場合は適用されません。
1.給排水設備の故障
2.白アリ被害
3.構造上主要部分の木部腐食
4.雨漏り
以上の瑕疵担保責任は売主が業者の場合のみ引渡しから2年以上の期間「義務」になります。
逆に言えば売主が個人の場合は義務ではありません。
また、昨今中古物件の売買において瑕疵担保免責は珍しい事でもありません。
特に、任意売却・競売と今回のようなケースでは「普通」と言ってもいいでしょう。
後は、「免責」という契約条件を承諾して契約するか、購入を見送るかの選択になります。
あくまで断言はできませんが、ご質問文からはおそらく「問題は無い」取引と考えられます。
そうは言ってもご心配でしょうから、必ず信頼できる仲介業者を介して取引をして下さい。
ご参考まで。
この回答への補足
大変分かりやすく、ご丁寧な回答をありがとうございます!
過不足のない最適な回答に驚いています。感謝します(^^)
(質問内容を汲み取っていただき、ありがとうございます)
◆仲介業者:あり
◆登記名義:購入者
◆物件の物理的な汚損等の問題:電気系統はスイッチを入れて動作を確認、壁は叩いて見ましたが素人なので良く分かりませんでした(苦笑)
例えば雨漏り、これは何年かして、壁のどこかにいつの間にかシミが?!といった類でしょうか?その場合、購入後に発見した場合は保障していただける可能性があるのでしょうか?
◆偽の弁護士・司法書士:なるほど!疑ってはいませんが、そのように調べるのですね、勉強になりました。
◆手続きの流れ:ご回答の”●”の所で気になる所があります(後述)
◆瑕疵担保:1~4、特に無さそうです。日当たりが良いのでフローリングが焼けている程度。免責については2択になるとこのと、参考になりました。
●の部分について
・書類:捺印する前に、注意して読まなければならない条項などありますか?
No.3
- 回答日時:
#1の元業者営業です
>・書類:捺印する前に、注意して読まなければならない条項などありますか?
全てです(笑)。不動産の契約において「これは適当でいいか」なんて条項はありません。
そうは言っても一般の方が契約内容の全てを把握・理解するというのもとても大変ですし、それが出来るならハナっから「不動産業者はいらない」という事にもなります。
なので、「これだけは」というポイントを・・・。
1.「手付解除」「ローン特約」について
2.物件の管理状況
3.危険負担
まず(1)ですが、
「手付解除」とは「定められた期日(手付解除期日●月●日と表記)」までなら「手付を放棄」する事により契約を解除できる期日の事です。この期日を過ぎて契約を解除する場合は「違約金(通常売買価格の20%)」を支払わねばなりません。(売主・買主双方)
「ローン特約」とは「定められた期日(ローン特約による解除期限●月●日と表記)」までに買主が「融資を受ける為に最大限の努力をしたにもかかわらず、融資(住宅ローン)の承認を得られなかった」場合に適用されます。
これが適用されると契約は「白紙」となり、支払った手付金は無利息にて返還されます。
次に(2)の「物件の管理状況」ですが、これは#2さんの回答にある「管理費・修繕積立金」等の滞納、過去の修繕履歴、今後の修繕計画等、今後そのマンションに居住していく上で大変重要な項目の報告書を仲介業者は管理会社から取得し、それを提示しながら説明しなければなりません。
その内容によっては「購入を見送る」という選択もあります。
最後に(3)の「危険負担」ですが、大抵は以下のような条文です。
第●条 (危険負担) 本物件の引渡し前に、天災地変その他売主及び買主のいずれの責めにも帰することができない事由によって本物件が消滅したとき、買主は、この契約を解除することができる。
2.本物件の引渡し前に、前項の事由によって本物件が毀損したとき、売主は、買主と協議のうえ、本物件を修復して買主に引渡す。この場合は、修復に必要な相当の期間引渡しが遅延しても、買主は、売主に対して、引渡しの遅延による損害の賠償を請求することができない。
3.売主は、本物件の修復が著しく困難なとき、または修復に過分の費用を要するときは、この契約を解除することができる。買主は、本物件の毀損によって契約を締結した目的を達することができないときは、この契約を解除することができる。
4.第1項または前項によってこの契約が解除された場合、売主は、買主から受領した金員を無利息で遅滞なく買主に返還しなければならない。
条文は契約書によって違いますが、簡単に言えば
●天災で売主・買主に責任が無く物件が消滅した場合は買主はこの契約を解除できますよ。
●引き渡し前に毀損(石が飛んできて窓ガラスが割れた等)したら、売主負担で修理してね。また、買主は修理に時間がかかって引き渡しが遅れても損害賠償は無しで。
●修理がとんでもなく高額になる場合や、修理が不可能な場合、売主はこの契約を解除できますよ。また、例え売主が修理・対応しても買主が「こんなんじゃとても住めないよ」となった場合、買主はこの契約を解除できますよ。
●以上の事でこの契約が解除されたら、売主はさっさと手付金・その他受け取ったお金を買主に返還してね。
こんな感じです。
大事な事は「解らない事・曖昧な事」があれば「その場で納得いくまで業者に聞く」という事です。それまでは決して署名・捺印してはいけません。
署名・捺印してから「多分●●だろう」「そんなつもりじゃ無かった」なんて主張しても通りませんよ。民法上「脅迫・反社会的内容」でない契約を「やっぱヤメタ」とノーペナルティで主張できるのは「未婚の未成年」と「裁判所が認定した契約能力の無い人」だけです。
最後に
>これは何年かして、壁のどこかにいつの間にかシミが?!といった類でしょうか?その場合、購入後に発見した場合は保障していただける可能性があるのでしょうか?
今回は「瑕疵担保免責」ですので原則は「自己責任」です。
ただし、その「シミの原因」が共用部にある時は「管理組合(管理会社)」にて対応する事になります。
その為の「管理費・修繕積立金」です。
色々とご不安はあるでしょうがその為に私共のような「業者」がいるのです。
遠慮などいりません。何でも聞いて大丈夫です。
不動産業者でお客様から頼りにされて嫌な人間なんていないと思いますよ。
#1、#3へのレスです。
返信が遅くなり申し訳ありません。非常に丁寧で分かりやすいアドバイスをありがとうございました。
この後、金消契約・ローン契約・火災保険etc. 色々ありますが、
本QAのタイトルと質問要旨がずれてしまうため、このQAについてはこれにて〆とさせていただきます。
大変助かりました、ありがとうございました(^^)
No.2
- 回答日時:
売買そのものやそれに伴う登記については問題ないでしょうが、
売主責任の存在しない物件ですから、物件の瑕疵はマンション全体とし
て保証されているものや、管理組合に責任のあること以外はすべて買主
が負担することになります。
仲介会社も調べてわかることは説明するでしょうが、費用掛けて検査等
はしないでしょうから、死んだ前住居者しかわからない瑕疵が残って
いる可能性はあります。
それからこれは不動産から説明されると思いますが、管理費や積立金の
滞納があった場合、これらの債務は新しい持ち主に引き継がれます。
100万単位での滞納もケースとしてはありますから事前確認しておい
たほうがいいです。
ご回答ありがとうございます。
いただいたご意見のうち、未確認の事項がありましたので、確認してみます。
大変参考になりました。また何かありましたら是非ご助言ください(^^)
◆売買そのものは問題が無いのでは?
→自分でもそう思っていたのですが、安心しました。
例の少ない、特殊な取引のように思えたので、誰かに聞いてみたかったのです。
◆登記も問題が無さそう
→手続き後、名義が自分になっているか、しっかり確認した方が良いですね、ありがとうございます
■物件の瑕疵:マンション全体として保証されているもの・管理組合に責任のあること
→この点は、不動産屋さんで確認してみます。
元所有者にしかわからない瑕疵
→なるほど、仕方が無いですね。そういうものがあるということ、参考になりました。
■元所有者による、管理費や積立金の滞納
購入時に現金一括購入し、ローンは全く組んでいらっしゃらない方と伺いました。
しかし、確認するに越したことは無いと思います。着眼していませんでしたので、参考になりました。
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