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プラトンが所謂現実世界に対して、それを支える超越的な世界をイデア
界として想定してしていますが、そもそもイデアの論拠とはどこにある
のでしょうか。
同じ超越的な対象を求めるにしてもキリスト教であれば、人間や自然に
対して「神」を唯一絶対の根拠としており、アリストテレスでさえ「第
一起動者」なるものを想定しています。
現実の根拠はイデア。では、イデアの根拠は?
皆様、よろしく御教示ください。

A 回答 (2件)

単純に、ホンモノとニセモノの区別ではないでしょうか。

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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
プラトンは、現象界に対して何故イデアなるものが存在すると考えるに
至ったのか、イデアは誰が何処に造った(勝手に生成した、でも良いで
すが)のか、その辺りの消息を端的にお伺いしたいのですが。

お礼日時:2009/08/29 21:47

> イデアは誰が何処に造った



という問題の立て方はちょっとちがうかな、と思います。そんなふうに考えていくと「イデア」の理解から遠ざかるような気がします。
なにものかがそこにある、という根拠は、誰がいつどこで作ったという証明以外にもあります、というか、イデアのように、そこにあることはわかっていても、感覚器官で知覚することのできないものは、そのようなやり方で根拠づけることはできません。

簡単に整理してみましょう。
イデア論の成立には、大きく言うと、三つの要素があります。

1.ソクラテスの「アレテー(徳)」の探求を受け継いだ、「徳の原型」としてのイデア
プラトンはこれを「正義のイデア」「美のイデア」として立てていきます。

現実の世界においてわたしたちが経験する美や正義は、いずれも「完全無欠」のかたちではありません。にもかかわらず、わたしたちは不正の要素の混入した正義から「正義」の存在をうかがい知ることができる。汚れた要素の入り交じった美のなかに、純粋な「美」を見て取るのはなぜか。

それはこれら現実の世界にあるものが「正義そのもの」「美そのもの」を分かちもっているのではないか。わたしたちの経験の根底には「完全な美」「完全な正義」というものがあって、それらのものは、そうしたものをおぼろげに想起させるのではないか。

2.認識の成立根拠としてのイデア

もしもこの世界が流動変化のうちにあって、恒常不変の要素を何一つ持たなかったとしたら、わたしたちはいったい何を認識することができるのか。たとえば「空が青い」というときに、「空」「青」という恒常的要素がなければ、わたしたちは空の青さを認識することもできないでしょう。

3.存在者の存在構造としてのイデア

すべて存在するものは、無秩序に、混沌として存在しているわけではありません。
どんなイヌもイヌという特性を持っている。かならずしも肉体の目で見られる形態や色とは関係なく、その「本質」、精神の目でみる形を備えている。そうしてその形が存在者の存在構造としての形相、イデアである。

つまり、人間はあることを定義することによって、概念規定を明瞭にすることができ、そのかぎりでイデアを思うことができる。すなわち正確な定義とイデアは一致する、とプラトンは考えたのです。
ここでプラトンはソクラテスの「徳」を一歩進めて、価値だけでなく、自然界をイデアの世界に論理的に結びつけていきました。

この回答は『西洋思想のあゆみ―ロゴスの諸相』(岩田・坂口他 有斐閣)を参考にしています。質問者さんの助けになるかと思いますので、ぜひご一読をお薦めします。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>イデアは誰が何処に造った
>という問題の立て方はちょっとちがうかな、と思います。そんなふう>に考えていくと「イデア」の理解から遠ざかるような気がします。
>なにものかがそこにある、という根拠は、誰がいつどこで作ったとい>う証明以外にもあります、というか、イデアのように、そこにあるこ>とはわかっていても、感覚器官で知覚することのできないものは、そ>のようなやり方で根拠づけることはできません。

誤解されるかな、と思いつつお伺いしてしみました。
あくまでも「例えば」でした。

私の理解では、プラトンが霊魂の不滅を確信していた以上、
個人を超越した天上の世界にあると考えれば良いようですね。
あるいはイデアは各自の中にある、
と云うか魂の相の中に分有されているものとも云えましょうか。
誰が何のために造ったのか、あるいは無目的、自然発生的に生成したも
のかは生命の発生と同様わかりませんが、プラトンはどう考えていたの
かな、と疑問に思ったのが質問の動機です。

『西洋思想のあゆみ―ロゴスの諸相』(岩田・坂口他 有斐閣)、
読んでみたいと思います。併せて書籍をご紹介くださり、
ありがとうございます。

お礼日時:2009/08/30 13:08

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