一回も披露したことのない豆知識

「要扶養者は、扶養請求権を処分できない」とありまして、その後に、すでに弁済期が到来した具体的な扶養請求権は、財産法上の債権として、権利者の意思により、放棄等の処分ができる。 とあります。

この、「すでに弁済期が到来した具体的な扶養請求権は、財産法上の債権として…」の意味がわかりません。

扶養請求権は、「養ってくれ」とか、「生活費くれ」とか、いう権利ですよね?この権利に、「既に弁済期が到来した…」というのは、どういう状態をいうのですか?イメージができなくて困っています。

教えてください。宜しくお願いします

A 回答 (1件)

>扶養請求権は、「養ってくれ」とか、「生活費くれ」とか、いう権利ですよね?



 簡単に言えばその通りですが、その内容は具体的ではないですよね。「養ってくれ」と言っても、実際、どの程度、どのような方法によるのでしょうか。「生活費くれ」と言っても、具体的には、いくらになるのでしょうか。
 民法第881条にいう扶養請求権は抽象的権利としての扶養請求権を指しています。扶養義務者(一人とは限らない。)のうち、誰が扶養権利者に対して、どの程度又はどの方法で扶養をするかは、当事者間の協議(協議が成立しなければ、調停、審判による。)によって「具体的」な内容が定まることになります。これが、具体的権利としての扶養請求権です。
 例えば、甲が乙に毎月金5万円をその月の初めに支払うという内容の協議が成立したとすれば、乙が甲に対して有する「具体的な」扶養請求権は、月の初め(弁済期)が到来すれば、乙は甲に対して金5万円の支払いを請求することができるという権利であり、金5万円の支払請求権は、金銭債権であることに違いはありませんから、当然、処分することもできます。

民法

(扶養義務者)
第八百七十七条  直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
2  家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
3  前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

(扶養の順位)
第八百七十八条  扶養をする義務のある者が数人ある場合において、扶養をすべき者の順序について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。扶養を受ける権利のある者が数人ある場合において、扶養義務者の資力がその全員を扶養するのに足りないときの扶養を受けるべき者の順序についても、同様とする。

(扶養の程度又は方法)
第八百七十九条  扶養の程度又は方法について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める。

(扶養に関する協議又は審判の変更又は取消し)
第八百八十条  扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる。

(扶養請求権の処分の禁止)
第八百八十一条  扶養を受ける権利は、処分することができない。
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