No.2ベストアンサー
- 回答日時:
No1回答者です。
(2)に関しては、 「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する」(民法255条)ので、共有者がその持分を放棄した後は、その共有物について無権利者となるので、第三者に譲渡すれば、他人の所有物を売却する契約となります。この契約は有効ですが、これをもって「譲渡できる」と言うことには抵抗があります(無権利者であることには変わりがないので)。
ご参考までに下記アドレスを紹介します。
http://www.zkaiblog.com/castaff/archive/472
法律を多少かじった人なら誰でも知っていて、法律をまるで知らない人が知って驚くのが、「他人物売買」というもの。
これは、他人が所有している物件について、売主と買主とが売買契約を結ぶことです。
「え?そんなことをしてもいいの?」
というのが常識的な感覚でしょうし、この他人物売買の効力を否定している国もあるようです。
しかし、日本国の民法は第560条でこれを有効と認めています。
たとえば、あなたが友人と街を歩いていて、カッコいい車(もちろん他人の所有物)をたまたま見かけました。
あなたはその車を指して、
「この車を君に100万円で売ろう」と言い、
友人が
「よしわかった、買おう」
と言えば、この売買契約は有効に成立します。
その代わり、売主であるあなたは、その「カッコいい車」の所有権を持ち主から買主である友人に移転する義務を負います。
その義務さえ果たすのであれば、誰でも自分の所有物でないものを第三者に売ることができるのです。
しかし、このような他人物売買の有効性を、売買取引のプロである宅地建物取引業者(不動産業者)が、取引に精通していない一般の買主に対して悪用すると、一般消費者が不利益を被る恐れがあります。
そこで、宅地建物取引業法第33条の2では、
「宅地建物取引業者が、他人物を売買の対象とすること」
を原則的に禁止しました。
つまり、宅地建物取引業者は、他人の所有物について、自らが売主になるような「売買契約」を締結することができません。
また、他人の所有物について、自らが売主になるような「予約」を締結することもできません。
とはいうものの、宅地建物取引業者が他人の所有物をまったく取引できないとすると、一般消費者にも不便が生じますので、
「他人物を確実に取得できるという別の契約または予約があるとき」には、他人物の売買契約または予約を締結してよい、
ということにしました(法第33条の2第1号)。
No.3
- 回答日時:
2 放棄した持ち分を譲渡することができる、のではなく、その結果、第三者が「登記」をそなえた場合、他の共有者は権利を主張できない、ということだけ。
無権利者が、登記が自己にあることを幸い、他に権利を譲ることは横領や背任などの犯罪です。
法律初心者は、「二重売買」が日常茶飯事にあるように錯覚するが、これは犯罪であり、あくまで、机上のことであることを認識すべし。
No.1
- 回答日時:
(1)の質問に対する回答は、以下のアドレスに出ています。
http://www.mainiti3-back.com/archives/2006/06/post
占有保持の訴えは、条文を読めば大体内容を理解することができると思うのですが、簡単に説明したいと思います。
例によって、いきなり具体例から入ります。
Aさんが、ある土地を占有していましたが、その土地にBさんが勝手に入ってきているような場合を想定してみてください。
この場合、AさんはBさんに対して何が言いたいでしょうか?
当然、「勝手に人の土地に入ってくるな!」と言いたいですよね。
でも、何かを請求するときには、必ず法律上の根拠が必要です。
その法律上の根拠となるのが、この民法198条の占有保持の訴えです。
つまり、「占有者」であるAさんが、その土地の「占有を妨害され」ているわけですから、勝手に入ってくるなという「妨害の停止」を請求することができるわけです。
これが、民法198条の占有保持の訴えです。
もう一つ補足説明をしておきます。
もし、さきほどの事例で、Aさんがその土地の所有者であった場合はどうでしょうか?
この場合、Aさんはその土地の所有権を有していますので、所有権に基づく妨害排除請求として、「人の土地に勝手に入ってくるな!」ということができます。
ですから、土地の占有者が同時に所有権者でもあるような場合は、占有の訴えはあまり意味がありません。
しかし、反対にさきほどの事例で、Aさんがその土地の所有権を有しておらず、誰かに借りて占有していた場合はどうでしょうか?
この場合は、Aさんはその土地の所有権を有していませんので、所有権に基づく妨害排除請求をすることができません。
これは困りますよね。
自分が借りて土地を占有しているのに、その占有を妨害する人が出現した場合には、当然「入ってくるな!」と言いたいはずです。
そのような場合に、この民法198条の占有保持の訴えが特に重要になってきます。
つまり、所有権を有していなくても、ある物を占有している者は、その占有を守るために占有権に基づいて占有保持の訴えをすることができるわけです。
これが、民法198条の占有保持の訴えです。
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