No.1
- 回答日時:
◯社債は固定負債
◯株式は自己資本
つまり、本問題は自己資本比率を上げる方が良いのか、下げる方が良いのか?
という設問です。
<自己資本比率が高いメリット>
自己資本比率が高い会社は、倒産しにくい会社。
(借入が少なく、金利負担が軽い)
<自己資本比率が低いメリット>
自己資本比率が低い会社は、少ない自己資本を有効に活用して他人資本を調達
することで起動的な経営を行えます。
例えば、100億円の自己資本がありながら利益を1千万円しか産まないような経営
をしていると、資本が眠っている状態になります。このような場合には株主から
配当(資本の分配)を求められる可能性が高くなります。
<選択肢1>
自己資本比率が60%であるならば、かなり高い自己資本比率です。
つまり他人資本を少し増やして比率を50%にしても、世間一般としてみれば高い
方です。
安定的な株主が少ないのであれば、余りに高い自己資本比率は資本が眠っている
と見られる可能性が高くなります。このような場合には多少自己資本比率を下げる
為にも社債の発行を奨めます。
株主は会社の指標としてROEで判断する場合があります。これは
当期純利益/自己資本 にて計算します。
つまり、自己資本比率が高い会社はROEの低い会社。つまり投下資本の割りに儲から
ない会社とみなされます。
<選択肢2>
自己資本比率をさらに上げれば、会社の安定度はさらに上がります。
安定的な株主が多数の会社であれば、さらに自己資本比率を上げて、会社の安定度
を上げる事を奨めます。
<回答>
株主構成も会社規模も設問に無いようですね。このような場合は一般論で回答する
事しか方法がありませんから、株式を発行して自己資本比率を上げ、会社の安定度
を上げましょう。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
No.1の方の他に別の見方も出来ます。
それは資本調達のコストの問題を考慮するということです。
自己資本が60%もある企業なら、その比率が少々増減しようと企業の安全性に関する問題に影響しないと言えると思います。
そうすると、資本(株式)で調達しようと社債で調達しようと安全性は関係ないということになります。
(あくまで一般論ですが)
安全性が関係ないなら後はコストの問題が浮かび上がってきます。
ここで注目すべきは、配当は税引き後の利益から支払われるのに対して、社債の支払金利は損金で処理できるということです。
つまり、利益が出ている企業なら実質的に表面金利の半分近いコストで調達出来るということになります。
(支払金利が経費(=損金)として利益を圧縮し、その分所得税が安くなる為)
あとは前提条件を詳しく見てみて、計算して、コスト比較の上決定するということになるでしょうが、結構な確率で社債発行のほうが得だという結論が得られると思います。
ご参考まで。
gotoku2様・glenotokun様ご回答いただきましてありがとうございました。
いただきました回答を元に質題者と話をしましたところ、
今回の問題のポイントは、設問のA社は自己資本比率が高い事にあり、
1.この会社は借り入れに比較して調達コストが低い
2.社債で資金を調達した場合は金利支払いが税控除となる
3.支配権を資金調達者に付与しないで資金を調達出来る
4.コスト・金利等諸費用を予め確定出来る
以上の理由により『社債で調達すべき』との解答結果となりました事から、
glenotokun様の解答をベストアンサーに選ばせていただきました。
異なる2つの見方を教わり大変参考になりました。
ありがとうございます。
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