なぜ女体のみが性的魅力を湛えるのでしょうか。
人間の場合、一般的には、女体は性的に愛撫の対象であり、
男性ばかりか、時に女性をも、ドキリと魅了する対象のように映ります。
ですが、男性の身体は、必ずしもそのかぎりではないと思われます。
漢字変換で「女体」は変換可能ですが、男性のそれは変換されません。
語彙にも性差が潜んでいるように感じられ、少々興味を抱きました。
(山の名称では「男体山」「女体山」と出てくるのですけれども、
「男体」は「女体」ほどには用いられていないようですね。)
以上、ご教示のほどよろしくお願い申し上げます。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
mashumaro2さん、お久しぶりです。
私としては、「女体」よりもこういうご質問の方にはるかに「性的魅力」を覚えずにはいられません。
それほど興味深い問題提起だと思いますよ。
>なぜ女体のみが性的魅力を湛えるのでしょうか。
その淵源を探り当てようとすると、女性が男性に対して示してきた性的振る舞いにたどり着くのではないでしょうか。
具体的には、女性が自らの身体、特に性器を衣類等で秘匿し、もって男性に対して「女体」が禁忌の対象であるとアピールしたことに帰着すると思います。
こうして、哀れな男性は、女性の奸計にはまり、よりによって「女体」なんてモノに「性的魅力」を感じさせられるハメに陥ったのではないでしょうか。
その結果、女性は男性の性欲や性的嗜好の育成および管理を行うようになり、男性を恒常的に欲求不満状態に置き、女性の課した条件をクリアした男性だけに「女体」を委ねることを可能にしたと考えられます。
女性が男性に対して、意地悪くもこういう性的振る舞いをするようになったのは、おそらく、かつては他の類人猿と同様に本能のプログラム通りに生殖活動を営んでいたわれわれの遠い祖先が、自分たちの性行為を因果の相で捉えることができるほどに脳が発達して以降のことと推察されます。
つまり、性行為と妊娠との因果関係に気づいて以降、女性は望まぬ妊娠(=交尾)を避けるには、男性を性的に忌避したり、性器を隠匿することが有効であると気づいたのではないかということです。
>人間の場合、一般的には、女体は性的に愛撫の対象であり、男性ばかりか、時に女性をも、ドキリと魅了する対象のように映ります。
確かに、多くの男性にとって「女体は性的に愛撫の対象であり」ますが、その他、やはり人類の初期の段階で「女体」を「愛撫の対象」としてだけではなく、視覚(美)的対象として愛でるようにもなったと臆測されます。
思うに、言葉(智恵)を神から奪った代償として、人間のオスだけが「女体」との官能的な接触(=セックス)だけでなく、そうと自覚することもなく、「女体」に自分の観念を投影させて愛でるようにもなったのではないでしょうか。
通常、この「女体」はあくまでも《見る》ためのモノ(=美)ではあっても、「愛撫」の対象とはなりえませんよね。
>ですが、男性の身体は、必ずしもそのかぎりではないと思われます。
女性の場合、「男体」やペニスに「性的魅力」を覚えることが欲情の前提条件ではなく、男性への愛情、好意、同情、憐憫、尊敬、憧憬、あるいは子作り、金目当てを動機にしても男性を性的に受容できる以上、敢えて男性の「男体」に魅了される《必要性》がないからと考えるのは無理でしょうかね。
それだけに、視覚芸術に対する偏った嗜好癖を持った女性が、「男体」に対するフェティッシュな欲望を隠し持っていたとしても、私には全然不思議ではないような気がします。
kadowaki様、ご無沙汰しております。
>われわれの遠い祖先が、自分たちの性行為を因果の相で捉えることができるほどに脳が発達して以降のことと推察されます。
>性行為と妊娠との因果関係に気づいて以降、女性は望まぬ妊娠(=交尾)を避けるには、男性を性的に忌避したり、性器を隠匿することが有効であると気づいたのではないかということです。
はい、前半部分はyukkinnちゃんのご回答と通底するものと拝察致します。
但しkadowaki様は相変わらず「意地悪な女性の奸計にハマる哀れな男性」という二元論がお好みですね^^
そして以下の1点、決して揚げ足取りではありませんが、確認させて頂きたく。
>>なぜ女体のみが性的魅力を湛えるのでしょうか。
>その淵源を探り当てようとすると、女性が男性に対して示してきた性的振る舞いにたどり着くのではないでしょうか。
>具体的には、女性が自らの身体、特に性器を衣類等で秘匿し、もって男性に対して「女体」が禁忌の対象であるとアピールしたことに帰着すると思います。
そうなのです、でも、一応男性もそれなりに自身の身体を隠してきたと思うのです。
つまり、隠し方が何らセンシュアルでなかったということでしょうか。う~ん。
>思うに、言葉(智恵)を神から奪った代償として、人間のオスだけが「女体」との官能的な接触
>(=セックス)だけでなく、そうと自覚することもなく、
>「女体」に自分の観念を投影させて愛でるようにもなったのではないでしょうか。
この箇所はとても興味深く拝察致しました。
「言葉(智恵)」からは、以前ご教示頂いた『グーテンベルクの銀河系』をなぜか想起しました。
以下のくだりです。
「西洋社会で育つ典型的な若者は早期に内部指向を目指し、
そのような人間で形成される西洋社会は社会的要請への従順を育む」
あるいは、
「活版印刷文化がいかに西洋文明に対し極端な視覚的要素を強調し得たか、また後世になると、
しかるべき「女性像」、つまり女性の浪漫的な容姿などが映画や広告写真によって均質化を遂げ、
寸断化され、視覚的に画一化された中で大いに完璧な姿を保ち、反復の可能性も得ることになった」です。
強度に視覚化された文明の変質。
ああでも、これは「活字文化」についての考察でしたね。
ズレてしまって、大変申し訳ありませんでした。
>やはり人類の初期の段階で「女体」を「愛撫の対象」としてだけではなく、視覚(美)的対象として愛でるようにもなったと臆測されます。
>この「女体」はあくまでも《見る》ためのモノ(=美)
印刷技術の発明/発展以前の遥か古の時代に話を戻します。
人間の男性だけが《見たい》と願う視覚的な強い欲求と内なる想像力と結託することで、
過度に増幅された仮想のモノを自閉的に愛でるようになり、さらに
はからずも実体の愛撫の上でも多大な役割を果たしてきた一方で、
女性の側は、視界を遮断し《見ない》という視覚の喪失、すなわち盲目状態を受容し、
その世界に身を浸ることを選択する/余儀なくされていったのでしょうか。
むろん盲目状態も、それはそれで、非常に官能的に思われますけれども。
>視覚芸術に対する偏った嗜好癖を持った女性が、「男体」に対するフェティッシュな欲望を隠し持っていたとしても、私には全然不思議ではないような気がします。
はい、男女の性欲における質量差はさておき、
視覚の映像(虚像)をこよなく愛でるかぎりにおいては、
「女体」「男体」共に「モノ」であることには変わりありません。
その一方で「実体のモノと触覚」と「増大した仮想のモノ」との間に乖離が見られたり、
あるいは観念的な方がより好まれることもありそうな気も致します。
男性の側にフェティシストが多いのも何か関連性がありそうですね。
>女性の場合、「男体」やペニスに「性的魅力」を覚えることが欲情の前提条件ではなく、
>男性への愛情、好意、同情、憐憫、尊敬、憧憬、あるいは子作り、金目当てを動機にしても男性を性的に受容できる以上、
>敢えて男性の「男体」に魅了される《必要性》がないからと考えるのは無理でしょうかね。
いえいえ、無理がありません。
全く仰る通りだと思います。
ピンからキリまで色々列挙なさっていらっしゃるのには、思わず笑みがこぼれてしまいました。
でも、上述の不埒な動機を、いくら女性が抱いたとしても、
「山の神」の祟りを畏れる男性陣をなびかせることだけは、至難の業なのでしょうね、きっと。
それにしても「性」って、解らないことばかりですね。
男女間の意思疎通の齟齬が生じるのも無理ないのかも。
また何かご教示頂けたら、とても嬉しく思います。
この度はご多忙にもかかわらず拙文をお読み下さり、本当にありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
すっかりぼやぼやの頭でお邪魔致します。
やはり「禁忌の対象」である、と言う事が大きな要因に思えてなりません。
ヒトの雌は栄養状態さえ整えば、産後ひと月で次の妊娠が可能である事。
でもそれは、母胎と母体に大きな負担が掛かる事。
その為に、長期的にはヒトと言う種の存続の為に「避妊」と言う技術が生まれた事。
原始の避妊は、とにかくも「雄に手を出させない」事であったのではないか。
翻って他種の生物は、美しく着飾るのは主に雄です。
繁殖期の衣替えの美しさは雌よりも雄に多く見られるのですよね。
これは繁殖期が期間限定である事。
妊娠と出産が母体に負担を掛けない身体構造である事。
育児と言う親子ともに危険に晒される期間が無い、若しくは短期間である事。
妊娠出産の安全とそれに伴うある意味気楽さ?が、雌の雄に対する防御を不要にしていると思われます。
だから、他種の生物の「女体」は「禁忌」とする必要が無い。
幾らでも発情し、懸想され、懸想し、交尾しても、それに伴う危険や命の危機は無い(低い)。
ヒトの男女の発情要因が双方ともに「禁忌から生まれた幻想」に大きく由来するのと違って、
他種生物の発情要因は「期間原因」が大きく影響していたりして?とふと思いました。
勿論、全ての生物に組み込まれた「種の存続と子孫繁栄の本能」はあるのでしょうけれど。
「恐いもの見たさ」の最たるもの、が女体であり、性である?
知性による「知りたがり屋」の側面を見事に暴き、利用した文化が性、と私には思えてしまいます。
このヒトと言う種全体を覆う大きな「文化」から派生した細かな事柄の膨大さ。
身を苛む悩み痛みの原因にもなり、大きな幸せの要因にもなると言う不思議さ。
最近丁度「神道における穢れ」としての「女体」について、あれこれ考えている所でした。
不安定な体調の相手をしながらだと、つい無礼を働きますので質問を立てる事を躊躇っております。
興味深い質疑ですので追わせて頂きますね。
ありがとうございます。
yukkinn66ちゃん、ご回答をどうもありがとうございます。
年間を通じて生殖が可能になり「雄に手を出させない=避妊」が「禁忌」へ至るという
女性側の「戦略」こそが、女体だけが放つ性的魅力、つまり「幻想」の源であると仰るのですね。
「性交が妊娠・出産へと繋がる」という認識を人間が得て、あえて女性器を隠蔽するということ。
そうそう、身体を獣の皮や覆い隠したり装飾品で装う行為も、人間ならではの特徴です。
防寒を直接目的としたのではなく、身体をそれらで緊縛することで「呪術性」を意図したとみなせば、
文化とは「抑圧の所産」であり、根源的な面が認められるものかもしれません。
>「恐いもの見たさ」の最たるもの、が女体であり、性である?
けだし名言、ですね。 そしてその「恐いもの見たさ」のうちには、
現実の女体以前に、全く別である仮想の「モノ」を「視て」満足感を得ているのであって、
趣味嗜好の範疇にある以上は、性欲においても慣れや飽きが生じてもおかしくないことになります。
そして女性においても、別の女体が性的魅力を放つ対象と認められるのは興味深いところです。
これまで私の同級生が数名グラビアでヌードを晒しており、そのたびに仲間内で
「あら、彼女のオッパイ、縦長っぽいわね。」「ふうん。痩せているのに、意外と胸あるのね。」
などと、下世話な話で即座に持ちきりになったこともありまして、
さすがに同級生のそれには身内意識で大いに照れますが、全く見ず知らずの肢体には、
ちょっと意表を突かれて、思わずセンシュアルな心地に浸ってしまうことも無きにしも非ず。
一体、私達女性の頭の中では、どのようにして、同性ながらに駆り立てられているのでしょう。
そしてやはり、男性とは決定的に違うものなのでしょう(…と、思いたい、笑)
>「神道における穢れ」としての「女体」について、あれこれ考えている所でした。
「11ぴきのねこ」のご質問の流れでよろしかったでしょうか。
質問に例示した「男体山(栃木県)」ですが、かつては山岳修験の地として女人禁制だったそうです。
http://www.nikko-jp.org/perfect/chuzenji/irohaza …
聖地や山岳などへの恒常的、永続的な立ち入り禁止という女人結界を意図したもので、
源氏物語の宮下がりのような女性の「血」にまつわる一時的な排除とは多少異にします。
お産の禁忌は、生と死の間という境界的な聖俗隔離の意味合いが徐々に薄れていくにつれ、
仏事、儒教、陰陽道などの習合を経て、血穢の観念が民間信仰として流布したとも考えられます。
女性の穢れを嫌う女人禁制を敷き、従来の山岳信仰に非日常性を高める一方で、
結界の地に女人堂などを設置したり、開山の「母」の廟や祠が多く点在するのも興味深く、
山と里の伝承、或いは母子神信仰とも複雑に絡み合っているようです。
いずれにしても女性の穢れは、当時説明し得ない未知の自然の力として畏れられ、
逆に社会基盤を脅かしかねないという理由で、排除や差別化に至ったのではないでしょうか。
ところで、渡仏と大学以前をほぼ女の園で過ごした私には、
「女性が屈辱的な生き物」という感覚がいまだ解らずじまいなのですが、
一般的に「愛」の縛りのない性交に女性がなかなか踏み切れないヒントが
ここに隠されているのではないかと、ようやく察せられるようになった次第です。
それにしても、どうして女性は愛する男性ばかりに身を委ねたがるのでしょう。
ご自身では「愛」のないセックスも「可能性」としては想定し得るものでしょうか。
または「愛」の代りに「疑似恋愛」「尊敬心」「友情の証」などという代替感情にて、
やはり自ずと相手を幻影で少なからず覆いたくなってしまうものでしょうか。
女性心理や性欲とは、自身のことながら、いまだ理解しがたいところがとても多いのです。
あと、体調の方はいかがですか。
これから暑くなりますし、ただでさえ頑張り屋さんの貴女のことです、
どうかあまり無理をなさらないで下さいね。
ご都合のよろしいときに是非またお願い致します。
ご回答を頂戴して嬉しかったです。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
多くの生物種において、雄が雌を奪い合う競争により、優勢な個体の遺伝子を残す事で、自然淘汰より早い進化を可能にしています。
(そもそも性別(有性生殖)は、そのために生じた)
生殖機能を持つのは雌なので、一般的に雄が戦います。
だから、「魅力的」なのは雌だけでいいのです。
psytex様、早速のご回答をどうもありがとうございます。
仰ることは、確かに頷けます。
またしかしながら、「魅了する」という点においては、
雌より雄の方が華美であり誇張であったり、
とかく顕著な種類が多いとも考えられます。
孔雀の羽、鶏の鶏冠、ライオンの鬣(たてがみ)等々。
「雄が雌を奪い合う競争」には「雌を引き寄せる魅力」も不可欠のように映ります。
容姿的に雌が雄を気に入った中から選ぶとも言えるでしょう。
ところが、人間の場合には、逆でして、
一般的には容姿の点で性的魅力を放つのはむしろ女性の方なのです。
人間の性欲とは真に不思議なものですね。
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