No.3ベストアンサー
- 回答日時:
No.1です。
わざわざ外圧が書いてあるのでNo.2さんの見解の方が正しいですね。有限の圧力差で起こる不可逆膨張と考えるのが適当です。ガスのやった仕事はw=PexΔV=365 J
即ち
(1.013x10^5)*ΔV=365
となり、最初の容積をVi、最終容積をVfとすれば
ΔV=Vf-Vi=3.603x10^(-3) m^3
となります。初期は
(2x1.013x10^5)*Vi=1.5*R*300
ですから
Vi=1.5*8.314*300/(2x1.013x10^5)=0.0185 m^3
となり
Vf=0.0185+0.0036=0.0221 m^3
を得ます。従って
Pf*0.0221=1.5*R*300
より
Pf=1.69x10^5 Pa
を得ます。すなわち1.67 atmです。これはNo.2さんのアドバイスどおりの計算です。
No.1で等温可逆と思って出した1.814 atmよりも圧が下がっていますから沢山膨張したことになります。可逆過程を計算してしまったので、ここで蛇足を付け加えると、可逆過程と何が違うかといえばエントロピーです。可逆過程ならdS=dQ/Tです。従って等温可逆過程ならば、仕事と同じ量の熱量を熱だめから貰うので、ガスは
ΔS=365/300=1.22 J/K
のエントロピー増大です。一方、熱だめはこれと同じ熱量を放出してエントロピーが減少し、系全体ではエントロピー不変です。
一定圧力の膨張は不可逆なのでdS>dQ/Tです。エントロピー変化は、可逆過程のルートでガスを同じ最終状態にする時のエントロピー変化の計算が必要です。もし可逆過程で1.67 atmにしたら、その間にガスが外界になす仕事は
w=-∫PdV=-∫(nRT/P)dP=1.5*R*300∫(1/P)dP
=3741.3ln(1.67/2)=-675 J
よってこれだけの熱量をガスが吸収するので、ガスのエントロピー増大は
ΔS=675/300=2.22 J/K
です。(実際はこのエントロピー増大はガス体積の増大に起因します。)しかし熱だめは最初と最後の状態は同じであり、しかも熱は実際にやった仕事である365 Jの熱しか供給していませんからエントロピー変化は-1.22 J/Kです。したがって系全体としてもエントロピーが増えます。
回答ありがとうございます。
わかりやすい解説と計算式のおかげで理解して解くことができました。
エントロピーはまだまだわからないことが多いですが、頑張って理解していきます。
本当に有難うございました。
No.2
- 回答日時:
♯1の方は”等温可逆過程”を仮定されていますが、これはもしかして”外圧一定の不可逆過程”ではないでしょうか?
その場合、気体のする仕事は
w=Pex(V2-V1)
Pex:外圧(=1.00atm)
V1:最初の体積
V2:最後の体積
となります。
※気体のされた仕事W'なら
W'=-Pex(V2-V1)
w=365Jは与えられており、V1も初期条件(モル数、温度、圧力)から状態方程式で分かるので、
上式からV2が求まります。
V2さえ求まれば、モル数、温度、体積が分かるわけですから最終圧力も状態方程式から分かることになります。
回答ありがとうございます。
私も等温可逆過程だと思い解いていましたが、不可逆過程の方だったんですね。全く思いつきませんでした。
適切なアドバイス本当に有難うございました。
No.1
- 回答日時:
理想気体が等温可逆膨張をしたとすれば、仕事は自分自身の圧力と膨張をかけて、-PdVです。
ここでマイナスをつけたのはVが増えると自分自身の内部エネルギーが下がるからです。だから公式といえばw=-∫PdV
です。365 Jの仕事を外部にしたのですから、
-365=-∫PdV...(1)
です。ここでV=nRT/Pですから、等温ならばdV=(-nRT/P^2)dPよってPdV=-(nRT/P)dPです。つまり理想気体が等温可逆膨張でした仕事は
-365=∫(nRT/P)dP
ということになります。従って
-365=1.5*R*300*∫(1/P)dP
即ち
-0.09756=lnPf/2
Pf/2=0.9070
Pf=1.814 atm
となります。
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