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(繁体字) 文字を構成する基本漢字、基本要素の個数は?

手元の漢和辞典によれば、
・「男」は「田」で「力」仕事をする者の意だそうです。これからすると「男」に先行して「田」と「力」の字が存在したと考えられます。
・「田」の字について調べると「口」は区域の意、「十」は畔道の意だそうです。これからすると「田」に先行して「口」と「十」が存在したと考えられます。
・「口」は区域の意だそうで分解不能です。
・「十」の字について調べると「一」は東西、「|」は南北の意だそうです。「一」と「|」は分解不能です。
・「力」の字について調べると「人の筋肉の象形」だそうで分解不能です。

以上により、「男」は「口」、「一」、「|」、「力」の4つの漢字ないしは要素から出来ていると考えられます。ここでは便宜上、「力」を基本漢字、「口」、「一」、「|」を基本要素、「男」を応用漢字と呼ぶことにします。漢字は全部で5万ほどあるそうですが、大半は応用漢字なのだと思います。

さて、質問です。
繁体字には基本漢字が何文字ほど、基本要素が幾つほどあると考えるのが妥当ですか。別々でなしに合わせて幾つかでも結構です。
よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

Ano.1補足です。


許慎の定めた部首が何故ご質問の“基本漢字”なのかが重要で、【文】の概念をお伝えしたかった次第です・・・本質はこれのみ。

『説文解字』540部首以降字典は部首で配列されましたが、『玉篇』の542を例外として、部首は減らす方向に動きます。理由は親字を楷書体にしたこと、利用の利便のため部首を減らしたり統合したり.....。
注:『玉篇』の542は『説文解字』の部首の分割と欠落による。
一方で、許慎の部首配列は検索困難この上ないため、音韻順や画数順の工夫をした字書も登場。
結局明朝『字彙』214を経て、清朝に至り『説文解字』以降の集大成とした『康熙字典』で部首214収録文字数は49,030。以来中国も日本も210前後の部首に落ち着きました。
こうしてみると部首=【文】が増えた気配はありません。
他方で、【字】=孳(増殖するもの)は際限なく収録されています。

部首と偏旁冠脚が混同されている(学校教科書で既に乱れています)今日、漢字の持つ意味も力も変っていく気がします。
近年の漢字の筆画に関する研究や論文更に成果は、いまや筆画=strokeの概念です。言うまでもなく情報処理の便宜に寄与するためです。ただ、一部の外国人日本語教育者の中で、学校での漢字教育の効率化を目指した研究が見られます。どういうわけかロシア系研究者が目に付くのですが。

音素文字alphabetの根であるシュメール楔形文字も始まりは表意・音節文字、近隣諸族が文字を借用するも、音節文字の汎用性は劣り不都合多く、音素文字の方向に進んだのだろう、少ない文字種で間に合うのも幸い・・・私の独断と偏見です。シュメールと後継文明が自ら音素方式に切り替えたわけではないでしょう。
象形に始まった表語文字たる漢字は、造字法(六書)を手にするやそこから抜けられなくなった。合理的ですし当時としては一種の科学だったかもしれません。結果は、仰るとおり仮称“応用漢字”の増殖です。背景にある文明が牽引して、形・韻・義を備えて1字1音節の文字は、周辺へ浸透する、他文化への影響力はご承知の如しです。

そもそも言葉があって、記述する記号が文字です。私の経験では、中国人には“文字ありき、漢字すなわち言語”の気配があります。個々の漢字は、字=字形、韻=発音、義=意味を持つため、漢字が言葉であり韻・義は付与された属性程度の感覚でしょうか。漢字は情報密度が高く、そこに神性や力を感じても無理はないように考えます。辞書も、字書・韻書・義書(訓詁)が成立し発展してきたのは必然と言えましょう。

なお、ご質問中に引用のある「男」について、ご参考まで。
『説文解字』では【文】=部首として巻十四に男・田・力の各部が立ててあります。
 力:人の筋肉の形.
 田:陳(国名)也,樹穀の成る地,4ヶの口に象る,十は百千の十.
 男:丈夫(長じた男子)也,田(地)に向かいて力を出す.
男=田+力の構造でも理がありますが、そうでない根拠があったのでしょう。
十は部首。一や|には東西,南北の意味はありません。後人による援用と思います。
部首から男を廃したのは明朝の『字彙』。部首として男が正しいと認めた上で、男部は男・甥・舅の3字しかないとの理由で合理化を図ったようです。以降は『康煕字典』となり現在です。
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この回答へのお礼

拝読しました。
誤解がないか否か自信はありませんが、NO.1と併せて【文】も【字】も分かったつもりです。
許慎の『説文解字』以降も研究が続き、『康熙字典』で部首214収録文字数は49,030に落ち着いたのが分かりました。『字彙』214も初耳だったので今後のためには何かとキーワードの役目をしてくれると思います。
214の部首から49,030の字を生み出せるのは、着眼点がそれなりに合理的であったからだと思います。物事の本質を?んだり、観察力が鋭かったり、論理的であったり、そういう能力がないと不可能なのだと思います。
漢字の造語力には気づいていましたが、これにもどうやら指南書―造字法(六書)-があるらしいのを知りました。

>>そもそも言葉があって、・・・・・漢字が言葉であり韻・義は付与された属性程度の感覚でしょうか。<<
ここの部分は、ぼんやりと感じていたことが、実はこういうことだったのかも知れないと思い、新鮮でした。

「男」についての補足、訂正の勧めの件は分かりました。
再度のご回答、有り難うございました。

一般に回答が寄せられれば、それに触発されて新たな回答を呼ぶことはあり得ることなので10日(土)までは締め切らずに置きます。

お礼日時:2010/07/09 22:29

中国語のURL貼付だけ!ではいかがかと思い、


これを読みなさい!でもどんなものかと、  雑事に紛れながら、
Webや書籍を開きひもとく気になる程度のことを書くのが親切かななど、
所詮は学者でもないので、どう整理しようかと
大島先生の著作を思い出し、借用で間に合わせた形で恐縮です。
以下ご参考です。

『説文解字』を著した許慎(後漢の人、生没年不詳・1世紀中葉~2世紀中葉)の採った方法が、おそらく回答に近いと思います。
書物として最も古い『易経・前770~403』に始まり、秦の字体統一を経たものの、字体・字義解釈の乱れを看過できず、許慎が物にしたのが『説文解字』。漢字を部首法により分類配列し字形の構造を【六書】の原理で分析し本義を説いた最初の辞書です。
親字9,353、解説合計字数133,441だそうです。
なお、『漢字と中国人』大島正二著が要領よく纏まっていますので、随時引用、抜粋しておりますことお断りしておきます。

さて、本題です。
■許慎は漢字全体を造字の本(もと)と、後の派生により、【文】と【字】に二分する。
『説文解字』序に、
原文:「序-2 倉頡之初作書也,蓋依類象形,故謂之文。其後形聲相益,即謂之字」とあります。
大島訳:「蒼頡(注)の初めて書を造るや、蓋し類に依って形を象る。故にこれを文と謂う。その後、形声相い益し、即ち之を字と謂う。」
以下要点抜粋:
許慎の趣旨は、
【文】とは、日・月・山など物の形を象った【象形文字】および、上・下など抽象的な概念を示す【指事文字】を指す。いずれも最も原始的な【文】=紋様。
【字zi4】=孳zi1[慈-心+子、増殖の意]とは、【文】を基礎として造られた、組み合わせの文字。江・河・・・義符と声符の【形声文字】、信・武・・・義符と義符で新しい概念を示す【会意文字】。
これを清の段玉裁の『説文解字注』によって要約すると、
【文】とは、それ以上に分解できない独体(simplex)の字。
【字】とは、既成の【文】を2つ以上組み合わせて造られた、合体(complex)の字。 である。
独体字【文】と合体字【字】を合わせると漢字の総体となる。
『説文解字』の書名は、「文を説明し、字を解釈する」ことに由来する。

■数が気になりますか。
許慎は前述のように考えてきたわけですが、9,353字を系統的に整理するために、【部首法】を考えました。
【文】は合体字の義符・声符となるので、【文】ごとの文字群を【部】と称した。すなわち【部】を代表する【文】が【部首】である。
許慎が立てた【部首】は540。
⇒ご質問の“基本漢字”は540、“応用漢字”は9353-540=8,813。
 ということでよろしいのでしょうか。

■許慎は部首の並びにも思いがあって、理屈を述べていますがそこは省いて、topが「一」lastは「亥」です。部首の種類も数も後代のがくしゃにより変化がありますが、要するに漢字を分析し何を【文】=紋様として採用するかの差です。ここで言える事は、許慎は後漢の頃に既に乱れを見せていた諸字体の内、最も原型を残していた小篆に準拠したことです。一方、後代の学者は、楷書準拠だそうです(裏づけ材料を提示できないのですが)。
更に、許慎は「確証があり、信頼できることを旨とし、博学多識の人の説を広く採り、全ての古文経の典籍を論拠とし、諸子百家、方言からも引証し、「分からない事柄は結論から除外する」」と序に述べています。
序は1~13、量も知れていますので、興味があればご一読を。

注:蒼頡or倉頡:黄帝の吏官、初めて漢字を造ったといわれる伝説上の人物、四つ目だそうで、後漢の墓から出土した画像石、や他の記述などあり。詳細は省きます。  
注:甲骨、金石による字の解読研究は、将に多々ありますが、お尋ねの観点で整理されたものはあるのでしょうか。あったにしても、網羅性に欠け今回の課題の範疇では所詮は材料に過ぎないと考えます。
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この回答へのお礼

拝読しました。
初めに、この質問の背景を記します。と、言っても言語学には暗いので認識違いが混じると思いますが…。

世界中、どの民族も初めは表意文字で出発したのだと思います。しかし、ほどなく文字開発に限界を感じ、表音文字から音素文字へと移行したのだと推測します。30そこそこの文字数しかもたない民族が多いのに、世界で唯一漢民族だけが5万とも言われる文字を開発した根気には呆れるやら敬服するやらです。当然、闇雲に創った訳ではなく幾つかの核となる部品だけを創り、その後は部品を合理的に組み合わせることによって次々と漢字を増やしていったのだと思います。そこで核となる部品、つまり質問文でいう基本漢字、基本要素の数が知りたくなる訳です。
想像では他民族は基本要素を揃える以前に表意文字に限界を感じて、表音文字から音素文字へと移行していったのだと想像します。

“基本漢字”は540、“応用漢字”は9353-540=8,813。一つの線が打ち出されました。応用漢字が少ない気がしますが、許慎の時代以後に開発された文字も多く、それらはほとんど応用漢字だと考えれば辻褄が合いそうです。
これ以上深いことを知りたければ、許慎著 『説文解字』、大島正二著 『漢字と中国人』、これらがキーワードになって芋蔓で手掛かりが得られそうです。

有り難うございました。7/9(金)まで待ってNO.2以降が寄せられなければ締め切ろうと思います。

お礼日時:2010/07/07 19:35

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