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金本位制における国際収支の均衡について
Wikipediaにある「金本位制」の項目で

金本位制には、国際収支を均衡させる効果があると考えられている。
(略)
1. 設備投資が活発になり好況になったとする。
2. 国内の貯蓄がそれまでと変わらなかった場合、経常収支は赤字となる。
3. 経常収支の赤字は輸入による自国通貨(金)の流出が、輸出による自国通貨(金)の流入を上回ることである。
4. このことは国内の通貨残高減少を意味する。
5. 通貨減少により国内の金利は上昇し設備投資が減少する。
6. 景気は経常収支が均衡するまで沈静化し、やがてバランスをとる。

とありますが、今ひとつメカニズムが分かりません。

まず、1.で好況になって、なぜ2.で経常収支が赤字になるのでしょうか?
物価が押し上げられるからでしょうか? それとも国内需要が拡大するため?

つぎに4.で国内通貨残高が減少すると、なぜ5.で国内金利が上昇するのでしょうか?
現在の経済学ではインフレ時には金利が上がり、デフレ時には金利が下がるというのが常識とされています。通貨減少はデフレをもたらすので金利は低下するように思えるのですが、間違っているのでしょうか?

A 回答 (1件)

ご質問は、


(1)好況になって、なぜ経常収支が赤字になるのか。
(2)国内の通貨供給量が減少すると、なぜ金利が上昇するのか。

の2点と思われます。きわめてもっともなご疑問化かと。

まず、通常、つい持ってしまいがちな常識を疑うことから。

われわれ日本は、言わば“輸出で食っている”経済の国です。そのため、「輸出が増える → 経常黒字が増える → 景気が良くなる」という順序で考えがちです。

しかし、日本のように過度に輸出に依存した国はむしろ例外です。

そこで輸出に過度に依存していない“通常の国”の場合を考えてみます。

その場合は、その国の総生産と総支出の差が、輸出ないし輸入すなわち経常収支になると考えます(これをアブソープション・アプローチといいます)

この考えのもとでは、需要と供給の差を“補正”する機能として輸出ないし輸入が行われます。

好況になると、需要が増えて、いずれ供給を上回ります。需要の超過分、すわなち不足した供給は、国外からの輸入で補われます。

そのために、ご質問のように「好況になると経常収支が赤字になる」ことになります。
__________

(2)国内の通貨供給量が減少すると、なぜ金利が上昇するのか、ですが、現在は通貨の供給量は政府・中央銀行によって裁量的に決めることができます。

しかし、金本位制のもとでは、通貨はその国に存在している金を信用の拠り所としているため、通貨供給量はその国に存在している金の量、すなわち総価額の範囲内に限定・制約されます。

そのため、好況になってによる、輸入が増加し、その支払いのために自国から金が流出し、国内の金の存在量が減少すると、それによって国内の通貨供給量は減少します(減少させます)。

このとき経済は、「デフレ」ではなく、好況なのです。

そして、その通貨供給量の減少は、通常のような金融引き締めの効果がありますので、金利は上昇します。

これが、ご質問の「国内の通貨供給量が減少すると、金利が上昇する」の流れです。

謝謝
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この回答へのお礼

詳しい解説ありがとうございました。
大変良く分かりました。

お礼日時:2010/10/23 00:39

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