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脳の海馬の働きについて質問です。

こんにちは。恐れ多いのですが、教えていただけると嬉しいです。
私は今日まで海馬は1つだと思っていたのですが、実際には左右に1つづつ、計2つあることを知りました。
右脳左脳にそれぞれ働きかけるために2つあるのかと考えましたが、正しい答えが知りたいです。

右の海馬、左の海馬で働きに違いはあるんでしょうか?
回答をお願いします。

A 回答 (1件)

こんにちは。


少し整理をしませんとちょっとややこしい問題なのですが、ご質問の回答だけを先に述べますと、海馬の機能細胞には部分的な偏りがあり、右と左ではその配置が逆さまになっているらしいことが最近の研究で確かめられています。ですが、それがどうしてなのか、あるいは、どのような役割を果たすのかといったことはまだほとんど分かっていません。

右脳と左脳では働きが違うというのは早くから言われていたことですが、それを裏付ける証拠といいますのは実はこれまで中々発見されませんでした。このようなものを「脳の非対称性」と言いまが、めでたくも近年、動物実験により、その証拠となり得るかも知れない細胞配置の偏りがネズミの海馬から発見されました。つまり、左右の脳機能が異なるならばそれに応じて海馬の役割も違うのではないかというのは何れ検証を要する仮説であったのは言うまでもありませんが、果たして如何なる偶然か、逆に一連を証明するための唯一の手掛かりがまず海馬の方から先に発見されてしまったというのが厳密には今現在の状況です。

我々の脳組織が左右一対であるのは、これは、それぞれが左右半身の感覚・運動機能を半分ずつ受け持っているからです。では、右半身と左半身を均等に操るためには、両半球の機能は左右対称でなければならないはずです。
片や別に、機能分化が進み、左右半球が役割を分担するならばそれだけ効率が上がるというのもまた生物学的は理に叶った進化であります。では、海馬における細胞配置の非対称性はこれを裏付ける有力な証拠になり得るわけですが、同時に、当然のことながらそれは、海馬の機能が左右で異なる可能性そのものを示唆するものです。そして解剖の結果、その機能細胞の配置が上下に偏っていることから、左右の海馬では記憶形成に掛かる時間に違いがあるのではないかと考えられるのだそうです。

海馬といいますのは脳に働き掛けるものではなく、脳で処理された情報を記憶に留めるというのがその役割です。海馬が二つあるのはそのためであり、もし両脳の働きが違うのではあれば、海馬の受け持つ情報が左右で異なるというのは十分に考えられることです。ですが、だからといってそれが海馬における非対称性の根拠であるとはまだ全く言えません。
海馬に限らす、全ての脳組織において同じですが、左脳と右脳といいますのは完全に分離しているわけではなく、双方を繋ぐ脳梁を介して常に情報のやり取りを行っています。そして、これにより左右の海馬はお互いの記憶情報を共有して扱っているというのは誰にとっても疑いのない事実です。
ではここで、我々の海馬といいますのは本当に記憶の役割を分担しているのでしょうか。そして、左右海馬における記憶形成の早い遅いの違いとはいったい何のためにあるのでしょうか。ここまできてたいへん興味深いのは山々なのですが、悪しからず我々がそれを知るためには、やはり今後の研究の成果をもうしばらく待たなければならないと思います。
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この回答へのお礼

とても親切に回答してくださってありがとうございます!
まだまだ脳のことは解明されていないんですね、脳は不思議です。

貴重なお時間をいただき感謝です!!

お礼日時:2010/12/03 10:06

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