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授業で、先生が、太陽電池の最大の取り出せる電圧は、
Eg/q
と言われていました。
Eg=Ec-Ev(伝導帯のエネルギーと価電子帯のエネルギーの差)
です。
qは素電荷です。

(Efn-Efp)/q
ではないんでしょうか?
Efnは、n型半導体のフェルミ準位
Efpは、p型半導体のフェルミ準位です。

解説をお願いします。

A 回答 (3件)

ANo.2 で紹介したグラフはPDFファイルの20ページになります。

横軸が不純物濃度で縦軸がフェルミ準位の位置(エネルギー)になります。ND がドナー濃度、NA がアクセプタ濃度です。
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太陽電池に使われている半導体は適度にドーピングされているので、その場合には Eg/q ≒ (Efn-Efp)/q になるということを先生はおっしゃているのでしょう。



半導体の不純物濃度を大きくしていくと Efn は伝導帯下端に近づき、 Efp は価電子帯上端に近づいていきます(http://www.nuee.nagoya-u.ac.jp/labs/nakazatolab/ … 21ページのグラフ)。不純物濃度が電子や正孔の有効状態密度に達すると (Efn-Efp)/q = Eg/q になりますが、さらに濃度が大きくなると (Efn-Efp)/q > Eg/q になります(このような状態を縮退という)。この (Efn-Efp)/q が拡散電位(開放電圧の上限)になるわけですが、これを大きくするために不純物濃度を大きくすると、光照射によって発生した電子と正孔の寿命が短くなり、電極に移動するまでに消滅する割合が大きくなって変換効率が落ちるので、適切な不純物濃度は 10^18~10^19/cm^3 程度になります。このとき Eg/q ≒ (Efn-Efp)/q となるので、通常の太陽電池では、V単位での開放電圧の上限はeV単位で表したバンドギャップエネルギーに近い数字になります。

開放電圧はバンドギャップの小さい半導体ほど小さくなり、短絡電流は逆にバンドギャップの小さい半導体ほど大きくなるので(吸収される光の量が増える)、太陽電池から取り出せる電力(定数×開放電圧×短絡電流)が最大となる最適なバンドギャップがあり、地上での太陽光のでは 1~1.4eV が最適値になります。
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これはなかなか回答するのが難しいですね。

先生の言われることもれなりに正しいのですが、それでは単なる励起状態にあるi型バルク半導体でしかなく、電圧が取り出せないと思われるからです。

実際、太陽電池はp-n接合があるからこそ、光励起された電子がn領域に、ホールがp領域に拡散されるのですが、これが単なる真性半導体では、それは単に励起状態を作るだけになるからです。p-n接合にすると接合界面でバンドの折れ曲がりが発生して、開放電圧がEg/qよりも小さくなってしまいます。

しかし、微分積分のε-δ論法ではありませんが、極めて微小な量のドーパントを入れたp-n接合という一つの極限を考えた場合、電子とホールがそれによって生じる極めてわずかな坂道を転がって拡散して、理論上はEgに収斂する開放電圧を得られることにはなります。

なお、フェルミ準位はあくまでも、電子のようなフェルミ・ディラック統計に従う素粒子の「存在確率」が1/2になる準位であって、必ずしもそこに電子やホールが実際に存在する準位のことではありません。でなければ、真性半導体や絶縁体では、フェルミ準位が「禁制帯(電子の波動的性質により、電子が絶対取りえないエネルギー状態の範囲)」のほぼ中央であることと矛盾してしまいます。ドーピングしたときにフェルミ準位が動くのは、電子のエネルギー的な居場所そのものが動くことを示すのではなく、電子全体のとりうるエネルギー分布が動くからです。ですから、「フェルミ準位という準位に電子が存在すること」は、金属などではあることですが、通常の半導体ではありえないことです。
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