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実質賃金で労働需要が決まるのはわかりますが、そもそもケインズは物価が硬直的であると仮定していますよね?賃金の下方硬直性で実質賃金が高どまることで失業が発生しているというのは言いかえれば、賃金は変わらないが物価が下がっているということですよね?物価が硬直的であるという家庭からずれる気がするんですけど…

A 回答 (1件)

どちらの下方硬直性も人間の心理を言っているのです。



賃金の下方硬直性は、賃金を下げる動きに対してさまざまな抵抗があるということです。だれでも給料が下がるのは嫌なわけで、社会的に歯止めがかかる場合がおおく、それを下方硬直性と呼びます。

物価が下方硬直的であるというのは、多分、上に述べたことと同じで、売り手、生産者からしたら物価を下げたら収入が減るのでいやだと言うことです。

>賃金の下方硬直性で実質賃金が高どまることで失業が発生しているというのは言いかえれば、賃金は変わらないが物価が下がっているということですよね?物価が硬直的であるという仮定からずれる気がする

についてですが、

>賃金の下方硬直性で実質賃金が高どまることで失業が発生している
 
と言うのは必ずしも事実ではないようです。現代社会は世界的にものが移動しますが、人は世界的には移動しません。つまり、A国で最低賃金が高止まりしようが下がろうが、B国で物価水準自体が低ければ、その国へ生産活動そのものが移動してしまうので、A国では失業が発生するのです。つまり、A国での物価水準が多少下がっても、失業率の上下とは関係ないと言うことです。

失業率という概念も、現実にはあまり意味がありません。つまり、現代の職業はその前提となるスキルのようなものが多様であり、だれでもが付けると言うものではないからです。また、現代の失業は多くの場合、その給与水準や仕事内容と関連していて、単に雇用機会と求職人口のバランスで見ることはできません。

>賃金は変わらないが物価が下がっている

物価の硬直性というのはニューケインジアンの仮定であるようです。
ただ、どちらにしても、失業が発生しても物価が下がると言う事態が普遍的に発生するわけではありません。失業が起こり、購買力が下がることで物価が下がると言う理屈ですが、現実的には貯金に頼ったり、生活保護が行われたりで、購買力自体があまり下がらないことが多くあります。

もともと、物価というものも現代のように複雑化された社会では失業率とは直接関連しません。
その典型がエコポイント制で一般的に物価が下がったとされていても、電化製品の価格は下がらず、政府からの給付金により家電業界の雇用が維持されたのです。

ともかく、ケインズ経済学にしてもその他の経済学にしても一定の単純化、一様化の下に成り立っていますから、その理解には注意が必要です。

なお、ケインズ経済学は政府の役割を大きく見たもので、現代社会の発達、つまり、戦後民主主義の発達や国債発行による政府の経済的な力の巨大化に乗って、ケインズ経済学はもてはやされてきました。つまり、役人の権限拡大の道具としてケインズ経済学が使われてきたのです。その結果、経済学は、少なくともこの40年ほどは、単に、政治の動きを正当化するための道具になっているように思います。
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この回答へのお礼

遅くなりましたがありがとうございました

お礼日時:2011/03/24 00:49

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