この人頭いいなと思ったエピソード

英語には名詞の性の概念が存在しません。これは、もともと存在しなかったのでしょうか? それとも、昔は存在していたけれどなくなったのでしょうか?

他のヨーロッパの言語の多くは、動詞が人称・時制・法などによって何十種類にも活用しますが、英語の動詞の活用パターンは極端に少ないです。これについても、もともと少なかったのでしょうか? それとも、昔は多かったけれど少なくなったのでしょうか?

A 回答 (2件)

名詞の “文法性” は存在しませんが “自然性” に基づく性別は存在します。

人や動物は he/she で受け、無生物は it で、無生物でも時に擬人化や愛着の度合いによって he/she で受けることもあるため、名詞の性の概念が全くないとは言えません。同じ印欧系では現代ペルシア語には名詞の性がなく、he/she/it の区別もありません。代名詞にも格変化がなく、この2点については英語よりも単純です。

古英語と呼ばれる、およそ12世紀初めまでの時代には名詞は3つの文法性に分けられ、4つから5つの格を持ち、形容詞はそれに合わせて変化しました。およそ現代のドイツ語と同等の変化です。

12世紀以降、急速に語尾変化の単純化が進みます。アクセントを持たない語尾の母音はほぼ -e- になってしまい、またいくつかあった変化形も統一が進んでいきます。-e- も曖昧になり次第に発音されなくなるものが増えます。現代にも残る、語尾の発音されない e はその名残で、綴りだけが残ったものです。14~15世紀までには見た目は現代語にかなり近くなります。

名詞の文法性が失われた原因としては、上記の語尾の弱化のため音声的に区別がしにくくなったこと、冠詞が統一されたこと考えられます。

ゲルマン系では、男性と女性の冠詞は似ているため同じになり(通性と呼ばれる)少し異なる中性とで2性制になっているのが主流です。生物は「彼・彼女」で受け、中性の無生物は「それ」、通性の無生物を何で受けるかは言語によって違いがあります。

英語では the と that が機能分化したことが他には見られない特徴です。本来、男性・女性が the 中性が that で、冠詞にも指示語にも使われましたが(現代の他のゲルマン系がこの段階)、that が *指示語として分化したため、冠詞が3性とも the となり、(特に無生物で)性を区別するものがなくなりました。

(* 「それは~だ」と人やものを紹介して言うとき、主語の「それ」は人やものの性別に関わらず中性形を使うけれども、既出の語を受けて「それ」と言うときは名の性に応じて使い分けるのがヨーロッパ語ほぼ全部に共通する方法です。英語では “紹介の「それ」” の用法が既出の語を受ける用法まで使われるようになったため、指示語は that として分化しました。)


動詞は古英語では人称変化が、単数の3つの人称と複数で合計4つありました。これが減少したのは前述の語尾の弱化により同化したことと、人称代名詞の変化(thou が使われなくなったこと)のためで、2つだけになりました。不規則だらけというのは言い過ぎです。

接続法は今よりも広く使われていましたが、時制は少なく、基本的に現在と過去だけで、完了は中英語から、進行は初期近代あたりから拡張されてきたものです。未来形が will と shall で表されるようになったものは学者の努力によるものです。


古英語の語形変化概略
http://ja.wikipedia.org/wiki/古英語の文法

中英語概略
http://ja.wikipedia.org/wiki/中英語#.E6.96.87.E6.B3.95
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昔の英語には,名詞の性も動詞の複雑な活用もありました。



古英語とかOld Englishと呼ばれるものです。

これらの語で検索してみると良いでしょう。

例えば,
http://www.wound-treatment.jp/next/dokusho58.htm
とか
http://www.rondely.com/zakkaya/his/spl.htm
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