
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
文法的に言うなら、「なり」の後に「ぬ」が付いているからです。
もし、「ぬ」が付かずに「なり」で結ばれていたなら、これを断定の助動詞とみなして
「船の人も見え『ざる』なり」
として問題ありません。
完了の助動詞「ぬ」の表す意味は、「動作が完了したこと」ですよね。
つまり、これが接続する語は「動作」を表す語でなければならないので、必然的に、
ほとんど動詞に限られると考えて構いません。
たしかに、文法書などを見ると、「ぬ」の接続は「動詞の連用形」とは書かれずに
「活用語の連用形」と書かれています。
しかし、だからと言って、活用語なら何にでも接続できると考えるのは大きな間違い
です。
動詞に接続する助動詞の中には、「る・らる」「す・さす」など、接続する際に「ぬ」より
前に付く助動詞があり、これらの助動詞と「ぬ」が併用された場合、「ぬ」はそれらの
連用形に接続して「~れぬ」などのような形になります。
「動詞の連用形」ではなく「活用語の連用形」と書かれるのは、あくまでこのような
例外を許容するためのものと考えるべきです。
要するに、完了の助動詞「ぬ」が接続する語は
「動詞の連用形」あるいは、「動詞に接続する一部の助動詞の連用形」
に限られると思っておけばよいでしょう。
したがって、「なりぬ」という形の場合、まず間違いなくこの「なり」は動詞「なる」の
連用形ということになります。
ただ、私も「文法的に説明せよ」と言われれば以上のようなことは言えるのですが、
実際には#1さんと同じく、
> 訳すと「船の人も見え(なく)なった」で、動詞「なる」だとすぐ思うからです。
というのが一番の判断理由です。
上のような理屈はすべて後付けだと思ってください。
英語などもそうですが、文法というのは万能ではないので、文法的知識による判別
だけに頼って意味を把握するという手法には自ずから限界があります。
「ニュアンスで文意を把握する」を基本にして、それを文法的知識で補強するという
スタンスでいた方がよいのではないかと思います。
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