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以下のような問題を解いていて、電流や起電力の向きの設定を誤った場合に、それに気づくにはどうすればよいでしょうか。

磁束密度Bの鉛直上向きの一様な磁界中に、間隔Lの平行なレールが水平に敷かれ、その上に導体棒Pがレールと直角に置かれている。P に軽い糸の一端を結び、レールに平行に張って、滑らかな滑車にかけ、糸の他端に質量mのおもりをつるす。抵抗値Rの抵抗をつなぐ。さらにab間に起電力Eの電池を入れ、レール間cdを抵抗値rの抵抗でつなぐ。導体棒Pがおもりを引き上げながら一定の速さで右に動いているとき、抵抗値rの抵抗を流れる電流の強さを求めよ。(図1)

<正答>(図2)
導体棒Pが右に動くためには右向きのローレンツ力を力を受けなければならないので、Pに流れる電流Iはe→f向き。
また、Pの速度vは右向きであるから、誘導起電力vBLは下向きとなる。
よって、c側の方が高電位であるから、cd間にc→dの向きに電流が流れる。
従ってab間に入れる電池Eの起電力は下向き。
図2のように電流I、iを設定すると、ループcdabについて、キルヒホッフの法則より、
E=RI+rI-ri
導体棒Pの力のつりあいより、
iBL=mg
以上より、抵抗r間に流れる電流は
I-i=(BLE-mgR)/BL(R+r)

<誤答>(図3)
Iの向きの設定までは正答と同じです。
ところがab間に入れる電池Eの起電力について、c側の方が高電位であることに気づかず、正答とは逆向きに設定してしまいました。
ループcdabについて、キルヒホッフの法則より、
E=rI+ri+RI
導体棒Pの力のつりあいより、
iBL=mg
以上より、抵抗r間に流れる電流は
I+i=(BLE+mgR)/BL(R+r)


となり、答えが違ってしまいました。
試験中など、問いを最初から解き直す時間がないときに、どのように見直せば答えが誤っていることに気づけるでしょうか。

よろしくお願いします。

「高校物理、電磁誘導の問題について」の質問画像

A 回答 (3件)

問題文に「導体棒Pがおもりを引き上げながら一定の速さで右に動いている」とあります。


電池の方向は明示的には問題に指定されていませんが,一意に決まります。
(逆に電池をつないでしまうと,棒は左に動いて,おもりとともに落ちます。)
「問題の不備」や「問題製作者の思い込みによる正解」ではなさそうです。

さて,質問の趣旨
抵抗r間に流れる電流が
(BLE-mgR)/BL(R+r) (1)
(BLE+mgR)/BL(R+r) (2)
のどちらで与えられるか,直観的に考えて見ます。

まず,重りがとても軽い(m=0)のとき,
(1)(2)で与えられる電流はE/(R+r)になります。
レール間の電圧はEr/R+r)です。
導体棒Pは力を出す必要がなく,導体棒に電流は流れていません。
その電圧になるまで導体棒が加速し,
フレミング右手の法則で決まる誘導起電力が,
電源電圧Eを抵抗Rとrで分圧した電圧,Er/(R+r)とつりあった状態です。

さて,この状態で重りを載せた(m>0)とします。
棒の速度は落ち,レール間の電圧はEr/(R+r)より下がります。
導体棒には電流が分流し,重りを巻き上げる力を出さなければなりません。
その結果,抵抗rに流れる電流はE/(R+r)より減るはずです。

すなわち,m=0のときに比べて,m>0にすると抵抗rの電流は減るはずです。
mgRの符号を見ると,(1)式は正しそうだけれど,
(2)式は違っていることが分かります。

式の符号(プラスマイナス)が分からなくなった時,
こうやって直観的・定性的に考えるやり方は,けっこう役に立ちますよ。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
極端に考えることが大切なのですね!

>電池の方向は明示的には問題に指定されていませんが,一意に決まります。
>(逆に電池をつないでしまうと,棒は左に動いて,おもりとともに落ちます。)

ここがわからなかったので、詳しく教えてくださいませんか?
棒が右に動くためにはef間の電流がe→f向きであればいいんですよね。
電池の方向を逆にすると絶対にe→f向きの電流ではなくなってしまうのでしょうか。

お礼日時:2011/10/15 00:15

>>(逆に電池をつないでしまうと,棒は左に動いて,おもりとともに落ちます。

)
>棒が右に動くためにはef間の電流がe→f向きであればいいんですよね。
>電池の方向を逆にすると絶対にe→f向きの電流ではなくなってしまうのでしょうか。

問題文に「磁束密度Bの鉛直上向きの一様な磁界中に」とありますね。
フレミングの左手則から,e→fの向きの電流が流れた時,右向きの力が出てオモリを引っ張ります。
問題の回路の中では,電源は電池だけで,この電池からの電流が導体棒に流れます。
レールのec側がプラス,fd側がマイナスになるように電池をつながないと,
オモリを引き上げる方向の電流になりません。

電池の方向を逆にしてe→fの向きの電流を流せ,と言われると,
導体棒Pが左向きにとても高速で動かし,
 (右手側による導体棒の誘導起電力)>(電池の起電力)
とすれば,そうなります。でも,これは問題が指定している
「導体棒Pがおもりを引き上げながら一定の速さで右に動いている」とは違いますね。
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この回答へのお礼

よくわかりました。
確かに、導体棒が右に動くとき誘導起電力はf→e向きですし、電池をつ逆にするとその起電力もf→e向きですね。

ありがとうございました!

お礼日時:2011/10/16 19:31

私の個人的な意見は、誤答ではないと思います。


電池の方向が指定されていませんし、問題製作者の思い込みによる正答であると思います。
有効な方向に、電池を接続するのが当たり前だと思い込んでいるのでしょう。
試験で回答するなら、そういった事を前提に問題を解く必要があるのでしょうね。
この曖昧な部分は国家試験にもある事ですから、間違ったら諦めるしかないのかもしれません。

ただ試験とは別に、既成概念に捕らわれてしまうと自分自身の成長の妨げになるので、色々な考え方があっていいのだという事は忘れないでください。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
模範解答が全てだと思い込まない方がよいのですね^^

お礼日時:2011/10/15 00:02

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