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電車が一様な加速度aでスピードを増しつつあるとき、つり革がどれだけ傾くか。電車に固定した座標系で考えると、重力F(下向きにmg)の他に、電車の加速度と反対向きに大きさがmaの見かけの力が現れる。したがって、つり革はtan^-1(a/g)だけ傾くことになる。


どうしてこうなるのか、教科書を読んでもよくわからなかったので、式や図などでわかりやすく解説をお願いします。

A 回答 (7件)

直感的にNo.3の方の解説で問題ないと思いますが、


以前どこかで使った絵を思い出したので、私からも回答しておきます。
一応物理屋です。教育にもちょっとだけ携わっている者です。

質問者様がどの程度よくわからないのか不明ですので、
せっかくなのでNo.3の方の補足も込みで本気で説明したいと思います。

########
まず、絵を見て下さい。
電車の天井から質量 m のつり革(絵では玉)が
角度 θ だけ傾いて吊り下がっています。

まずこの物体には、重力 mg がはたらきます。g は重力加速度です。
それから、ひもで吊られているので、張力 T がはたらきます。
他に触れているものは無いので、物体にはたらく力はこの2つで全てです。

さて、ここでこの物体を見ている人が2人いることに注目して下さい。
 ●1人目…電車の外に居る人
 ●2人目…電車の中に居る人
です。

########
まずは、1人目(電車の外の人)の気持ちになって下さい。
この人から見ると、物体は、電車と一緒に加速度 a で運動しています。
運動しているのだから、【運動方程式】の出番です。

 (1)  F = ma

ですが、物体にはたらく進行方向(横向き)の力は、張力 T の水平成分だけですから、

 (2)  F = T * sin(θ)

です。(1)(2)式より、

 (3)  T * sin(θ) = ma

となります。これだけではどうにもならないので、鉛直(縦向き)成分も考えます。
鉛直方向には物体は運動していないので、【力の釣り合いの式】が立ちます。
釣り合うのは、下向きの重力と、張力の上向きの成分ですから、

 (4)  T * cos(θ) = mg

です。この(4)式から、張力 T が決まります。すなわち、

 (5)  T = mg / cos(θ)

です。これを運動方程式(3)に代入すると、

 (6)  mg * sin(θ) / cos(θ) = ma
      ⇔ g * tan(θ) = a
      ⇔ tan(θ) = a/g
      ⇔ θ = Tan-1(a/g)

となり、θを求めることが出来ました。
ちなみに、θ = Tan-1(x) は x = tan(θ)の逆関数で、
-π/2 < θ < π/2 の区間で定義されます。知ってますね。ごめんなさい。

########
さて、次に2人目(電車の中の人)の気持ちになって下さい。
この人は、電車と物体と一緒に右向きの加速度 a で運動しています。

この人から見ると、物体は、なんと『静止して』見えています。
静止しているのだから、水平方向も、鉛直方向も、
どちらも【力の釣り合いの式】でいけるはずです。

しかし、よく考えてみて下さい。
この物体には右向き(絵の上で)の力ははたらいていますが、
左向きの力は何もありません。
よって、このままでは横向きの力が釣り合うはずはないのです。
いやいや、んなこと言っても物体はたしかに静止してるんだけど…

この矛盾を解決するために登場させるのが【慣性力】というものです。

この物体には今、右向きの力と釣り合うような、
なんらかの左向きの力がはたらいていると『強引に』見なすのです。

では、この左向きの『見せかけの力』の大きさは??
それは当然、

 (7)  慣性力 f = ma

です。なぜなら、この力と、右向きの力 T * sin(θ) が釣り合えば、

 (8)  T * sin(θ) = f
      ⇔ T * sin(θ) = ma
      ⇔ (3)式

となって、あとは全く同じように計算が進んでいくわけですから。
というか、全く同じにならないとおかしいですよね。

一般に、加速度 a で運動している人から見た質量 m の物体には、
(7)式で表したような大きさの『慣性力』がはたらくように見えます。

この力の向きは、常に加速度の向きと逆になります。
今の場合、加速度は右向きで、導入した慣性力は左向きでしたよね。
よって、より正確には

 (9)  慣性力 f = -ma (f, a はベクトル)

です。ここで f と a はベクトルなので、逆符号を表せます。
この慣性力という考え方は意外と普通に使われていて、
『遠心力』はこの慣性力の一種です。
他にも台風の渦巻きなどに関わる『コリオリ力』なんてのもあります。
興味があったら調べてみて下さい。
「加速度に関する質問です。」の回答画像4
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この回答へのお礼

とても丁寧でわかりやすい回答をありがとうございました。
他の皆さまも参考になりました。
私はある旧帝国大学にAO入試で入った者ですが、周りの人たちとのレベル差が大きく、
恥ずかしながら高校物理・数学もまともに理解できていない状況です(センター数学50点前後、物理も同様、大分県の公立トップ校で最下位に近かったです)。
現在大学3年でゼミでは差を埋めるべく努力しなければならないのですが、教科書を読んでいてもわからないところがたくさん出てきてしまい、一向に先に進まないのです。
稚拙な質問になりましたことをお詫び申し上げます。

お礼日時:2011/11/17 22:29

皆さんそれぞれの説明で、おもしろく見させていただいてますが、



アインシュタイン流で説明すると、こうなります。

人は、「重力の場」と「加速度の場」を区別できない。区別できないなら、2つは原理的に同じものと考えよう。

電車の中をひとつの世界と考えると、この世界は、地球からの重力と、加速度による力(擬似重力とでも言うべきもの)の2つを受けています。

重力による力は F1=m*g
加速度による力は F2=m*a

と、2つは、式もとてもよく似ています。アインシュタインが同じものと考える理由もそこにあります。

つり革にかかる力は、この2つの力のベクトル和になるわけですから、その向きは tan^-1(a/g) です。
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質問者ではありませんがNO,1,2のものです。

入院していたので頭のリハビリ中です、NO,4のgtmrkさん慣性の法則を出してくださってありがとうございました。評価させていただきました。Fanになろうかな~。
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力学を勉強し始めた段階で座標系の取り換えを使った考え方を出すのは賛成できません。


運動方程式を使って加速度運動を表現する練習をしています。どういうふうに運動方程式を使うかをやり始めたばかりです。静止系に読み直すなんてことを持ち込む必要はありません。実際に働いている力を見極める練習をしている段階のところに見かけの力など持ち込めば混乱するのは当然です。地動説から天動説に戻るようなことをやっていることになります。
運動を外部から観察する立場で「どういう力が働いているか」、「どういう運動をしているか」を考えていくのが筋道だと思います。

この問題で言えば
つり革も含めて電車の中にある物体は全て電車と同じ加速度で運動しています。
つり革を紐にぶら下がった質量mのおもりと同じ様に考えます。(#2にある図のイメージです。)
おもりは電車に引っ張ってもらって動いています。
おもりに働いている力は重力と紐に働いている張力です。
この2つの力の合力が水平方向に加速度αの運動をおもりに引き起こしています。

張力をTとします。鉛直方向からの角度をθとします。
鉛直方向には釣り合っていますから Tcosθ=mg
進行方向には加速度αの運動をしています。 Tsinθ=mα
これから α=gtanθ
が出てきます。
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私も物理は初等止まりなのですが、ここは一言回答しておいた方が良いと思ったので回答します。

なお、
> 教科書を読んでもよくわからなかったので
質問者さんがわからなかったのはどのあたりなのかを書いてもらうと、もっと回答しやすいと思います。

1)「電車の加速度と反対向きに大きさがmaの見かけの力が現れる」……
→図の(A)は電車とつり革を電車の外から見たものです。
本当は電車が加速度αで左に動いており、つり革の方が元の場所に取り残されるので傾くのですが、これを電車の中から見ると(電車の座標系で考えると)、(B)のように、つり革が電車の進行とは反対方向に引っ張られたので傾いたように見えることになります。
この見かけの力の大きさF1は、つり革の質量をmとすると、加速度はαなので、
 F1=m・α、
になります。

2)「したがって、つり革はtan^-1(a/g)だけ傾くことになる」……
→図の(C)はつり革に働く力を書いたものです。
F2はつり革が重力で真下に引っ張られる力で、重力の加速度をgとすれば、
 F2=m・g
になります。
つり革のベルトの傾きθは、F1とF2の大きさの関係によって決まることが解ってもらえるでしょうか。
その関係は、
 tan(θ)=F1/F2
     =(m・α)/(m・g)
     =α/g
です。この式を書き直すと、
 θ=tan^-1(α/g)
になります。

(本当は、力や加速度の向きによって±の符号をつけなければならず、またつり革に働く力のつり合いも説明すべき所ですが、説明が長くなるので省略しました。上の説明で判ってもらえたでしょうか?)
「加速度に関する質問です。」の回答画像3
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この回答へのお礼

どうもありがとうございました。

お礼日時:2011/11/18 18:17

↓の補足です。

見かけの力についてくわしくは作用反作用を調べてね!

たぶんこういうことを言っているんじゃあないかという想像ですけど、物理の原則として作用反作用っていうのがあるのは知ってますよね!たとえば壁に向かって60kgで押したとしましょう。しかし壁はびくともしない。この状況というのは、壁が反作用で60kgで押し返しているということです。

もう一個たとえ

体重60kgの人が地面に立っています。地面は抜けませんそれは地面が60kgの力で押し返してきているということになります。壁や地面が60kg以下の力で押し返してきたらとすると壁が壊れるか床が抜けます。

要するに物体が一定の位置に居続けられる状況というのは作用反作用の力がが釣り合っていると言い換えることができます。

上を踏まえて設問に戻ります。下でも述べたように電車の中のつり革は電車の中から見ると一定の位置に居続けているように見えます。(作用反作用が拮抗しているように見えます)では、電車の外からつり革を見てみましょう。つり革ははどのような状態になっているかを考えてください。電車の進行方向に進んでいるはずです。つり革は一定の位置に居続けていません。多分こんなことを言っているのだと思います。
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数学は苦手なんですけど駆け出し武術家です。



電車が加速するときにつり革が傾く時の状況(アインシュタイン・相対性理論参照)

(1)電車が加速度aで進んでいるとき同じく、つり革に限らず電車の中にあるものには同じく加速度aがかかっており、電車の中から見るとつり革は現実ではガタンゴトンという振動があるので少しは揺れますがほとんど傾きません。進んでいる電車が急ブレーキをかけると、つり革の加速度はまだ残っているのに電車の加速が消失するのでここはじめてつり革が電車の進行方向に傾くはずです。乗客もGで引っ張られます。

武術家にはこれ以上掘り下げて考える必要がないのでこれ以上の回答はできません。
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