民法で、「請負」の瑕疵担保責任が規定されています。
一方で、商法では、「売買」の瑕疵担保責任の規定があります。
業者間の請負契約(具体的には修理作業の請負です)の瑕疵担保責任について、
結局のところ、民法 or 商法のどちらが適用されるのでしょうか?教えてください。
2つの考え方が思いつくのですが。。
(1)商事に関しては、民法より商法が優先するため ⇒ 商法
(2)商法では「売買」の規定しかなく、民法に「請負」の規定があるため ⇒ 民法
また、その根拠について判例等があるのであれば、併せてご教示ください。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
質問者様からの追加質問を拝読しましたので、#1に引き続き、回答します。
>仕事の完成の請負(民法632条)⇒民法「請負」の瑕疵担保責任
>代行販売などでの労務提供請負(商法502条)⇒商法「売買」の瑕疵担保責任
>とのご回答と、認識いたしました。
いえ、その下段で仰せの、商法「売買」の瑕疵担保責任、は違います。
正しくは、それも、民法「請負」の瑕疵担保責任、です。
繰り返しになりますが、
請負には二つの種類があり、
・仕事の完成の請負(民法632条)・・・・・質問者様の修理作業が該当。
・代行販売などでの労務提供請負(商法502条)。
仕事の完成の請負/代行販売などでの労務提供請負、この両方ともが、請負であり、
それを行使する者を両方とも、請負人、と呼びます。
そして、この両方の請負人に対して課せられる、請負人の瑕疵担保責任の規定が、
(民法634条635条636条637条638条)、です。
まとめますと、
・仕事の完成の請負(民法632条) ⇒ 民法「請負」の瑕疵担保責任
・代行販売などでの労務提供請負(商法502条) ⇒ こちらも民法「請負」の瑕疵担保責任
なお、請負ではなく、売買に関しては、例外的に、商法526条なのです。
商人間の売買物に関する瑕疵担保責任の特則は(商法526条)
=買主による目的物の検査及び通知義務
=商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。
>恐れ入りますが、この「作業又は労務の請負」というのがよくわからないので教えてください。
私の#1回答で、一例をあげましたが、(>代行販売などでの労務提供請負(商法502条))、
例えば、
・シャープの業務用ファクス機を、シャープの直轄代理店A社から、全額成功報酬フル・コミッション契約で、代行販売業者B社が代行販売請負をした場合、それに該当します。(なお、もしも、販売台数を約束した契約なら、仕事の完成の請負、になります)。
また、もっと一般的には、
・人材派遣業者がクライアントと交わす派遣請負も、作業又は労務の請負に該当します。
なお、関係ない話ですが、
・コンサルタントが、クライアントと交わす契約は、請負ではなくて、委託契約です。
>外注業者が反復継続的に修理作業請負を行うことは、
>商法502条の営業としてする「作業又は労務の請負」に該当し、瑕疵担保責任は「商法」規定とならないのでしょうか?
反復継続的な修理作業であっても、外注業者のその業務には、修理完了(業務完成)という明確なアウトプットが、要求および義務付けられています。
ゆえに、単なる作業又は労務の請負では無くて、仕事の完成の請負なのですよ。
前述のとおり、
・民法「請負」の瑕疵担保責任です。
・仕事の完成の請負(民法632条)・・・・・質問者様の修理作業が該当。
(上に既述なのでいまさらですが、かりに、労務提供請負(商法502条) だと仮定の仮定をしても⇒ こちらも民法「請負」の瑕疵担保責任です。)
そもそも修理作業は、
・故障や不具合などの、部位を特定し/原因も特定し/復旧方策を考案し、そもそもの故障や不具合などを、無くして/復旧させる、
それらを確約(想定や期待も含む)した、すなわち仕事の完成を期した請負契約なのです。
すなわち、作業又は労務の請負契約では無いのです。
いずれにしても瑕疵担保責任は、どちらも民法「請負」の瑕疵担保責任ですが。
>(当該質問の請負契約は、修理業をしている会社が外注業者との間で継続取引基本契約の締結を行うことを想定しています。
>当初の質問の前提条件が不明確で申し訳ありません)
いえ大丈夫でしたよ。
あと釈迦に説法になりますが、
・修理発注会社A社と、質問者様の会社B社の間で、まずA社に対する修理完成の瑕疵担保責任をB社が負う。そして、
・質問者様の会社B社と、外注先C社の間で、B社に対する修理完成の瑕疵担保責任をC社が負う。
と、なります。
以上、すべてをまとめますと、
・仕事の完成の請負(民法632条) ⇒ 民法「請負」の瑕疵担保責任
・代行販売などでの労務提供請負(商法502条) ⇒ こちらも民法「請負」の瑕疵担保責任
なお、請負ではなく、売買に関しては、例外的に、商法526条なのです。
商人間の売買物に関する瑕疵担保責任の特則は(商法526条)=買主による目的物の検査及び通知義務
そして修理作業は、作業又は労務の請負契約では無いのです。仕事の完成の請負です。
いずれにしても瑕疵担保責任は、どちらも民法「請負」の瑕疵担保責任ですが。
再度のご回答、ありがとうございます
詳細にご説明いただいたことで、とてもよく理解することができました。
誠にありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
回答者1とダブルので、
判例データベースより
P.5 3 新築住宅の売主の瑕疵修補義務について
を、ご覧下さい。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/2010080509574 …
No.1
- 回答日時:
>業者間の請負契約(具体的には修理作業の請負です)の瑕疵担保責任について、
>結局のところ、民法 or 商法のどちらが適用されるのでしょうか?
>その根拠について判例等があるのであれば、併せてご教示ください。
民法(のみ)が適用されると考えます。
仰せのように、確かに民法と商法に関連規定がありますが、
実は明確に適用分担がなされています。
それゆえ、ご質問にあった判断根拠についての判例は、無いと考えます。
なぜなら、明確に適用分担がなされるので、法的な争いに至らないから。
念のため、詳細に検索もしましたが、見当たりませんでした。
ご存知のように、請負には二つの種類があり、
・仕事の完成の請負(民法632条)・・・・・質問者様の修理作業が該当。
・代行販売などでの労務提供請負(商法502条)。
また、請負人の瑕疵担保責任の規定は(民法634条635条636条637条638条)。
なお、商人間の売買物に関する瑕疵担保責任の特則は(商法526条)
=買主による目的物の検査及び通知義務
=商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。
この回答への補足
ご回答いただき、どうもありがとうございます
>ご存知のように、請負には二つの種類があり、
>・仕事の完成の請負(民法632条)・・・・・質問者様の修理作業が該当。
>・代行販売などでの労務提供請負(商法502条)。
すなわち、
・仕事の完成の請負(民法632条)⇒民法「請負」の瑕疵担保責任
・代行販売などでの労務提供請負(商法502条)⇒商法「売買」の瑕疵担保責任
とのご回答と、認識いたしました。
<商法502条>
次に掲げる行為は、営業としてするときは、商行為とする。
(略)
五. 作業又は労務の請負
恐れ入りますが、この「作業又は労務の請負」というのがよくわからないので教えてください。
また、今回の、業者による修理作業請負は、「仕事の完成の請負(民法632条)」とご回答いただいています。
これについて、外注業者が反復継続的に修理作業請負を行うことは、商法502条の営業としてする「作業又は労務の請負」に該当し、瑕疵担保責任は「商法」規定とならないのでしょうか?
(当該質問の請負契約は、修理業をしている会社が外注業者との間で継続取引基本契約の締結を行うことを想定しています。当初の質問の前提条件が不明確で申し訳ありません)
再度のご回答、ありがとうございます
詳細にご説明いただいたことで、とてもよく理解することができました。
誠にありがとうございました。
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