No.9ベストアンサー
- 回答日時:
日本での外国語教育の「質」とか教育カリキュラムのレベル(ノウハウなど)が諸外国に比べて高いのかとう視点から見れば、低くはないですし、教科書などの質・教育内容もそれなりに高度です。
これは間違いないと思います。
英語以外の母国語(または公用語)を持つ国で英語の教育を比較する、というのは次の点が難しいと思います。
A各国語と英語の親和性または解離性の度合いによる差の比較
B各国における高等教育における英語の重要性の比較
C各国における英語の経済的重要性における差の比較
です。これを勘案しないと「各国における英語教育の質・レベル」の比較は成り立たないでしょう。
A各国語と英語の親和性または解離性の度合いによる差の比較について
当然のことながら、英語に近い言語であるヨーロッパ諸語と日本語や中国語などの系統も文字も文化すらまったく違う言語における、英語教育、ではその困難さが全く違うのは当然です。
ここに米国外務省が作成した、英語話者から見た各国言語習得の難易度の一覧があります
http://en.wikibooks.org/wiki/Language_Learning_D …
逆から見れば各国言語から英語を習得する難易度とほぼ同等ですので、これを参考にしてみると600時間程度で習得できる言語に仏語・ドイツ語などのヨーロッパ言語が並んでいて、1100時間程度かかる言語にギリシャ語・ロシア語・タイ語・タガログ語などの言語、日本語・韓国語は2200時間程度かかる、ということになっています。
つまりヨーロッパ言語の4倍程度覚えやすい質の高い教科書を利用して同じ程度ということになるわけですが、言語習得メソッドはどの言語間でも同じ(単語を覚え・文法を覚え・会話して習得)ですから、教育のやり方は英語に限らずどのような言語であっても「同じやり方」であり、そこにレベル(質?)の差は生まれにくいといえます。
たとえば英語が通じにくいフランスなどでも最近は小学生から英語教育を行っています。それでも100%の生徒が英語を話せるようにはならいでしょうから、彼らが小学校・中学・高校・大学と15年程度の学習を継続するなら、日本語話者は4倍の60年または英語の授業時間を4倍で15年程度にしてやっと同等に育成できるという計算になります。
これは不可能なことですから、逆にフランス語などヨーロッパ諸語の英語話者の1/4程度の英語話者が養成できれば、質が同等といえるかもしれません。
となると、現状の日本の英語話者の数を考えれば決して劣っている、とはいえないのではないでしょうか。
B各国における高等教育における英語の重要性の比較
そうは言っても、アジア諸国などに比べて英語話者が少ない、という批判はありますし、それは事実だと思います。
このとき考慮しなければいけないのは「高等教育をどの言語で受けるのか?」ということであり、質の良い高等教育機関が各国にあるのか?という事も考慮する必要があります。
日本であればどのような科学分野でもほぼ日本語で授業を受けられますし、大学院であっても日本語で論文を書くことも不可能ではありません(ただしまともな科学論文は大体英語です)
諸外国にあってこのようなほぼ全てを自国語だけで完結できる、という言語はそれ程多くありませんし、なにより最新の研究結果を自国語に翻訳したものを利用できるほど文献の翻訳レベルやシステムが整っている言語もそれほど多くありません。
つまり諸外国語にあっては、高等教育のどこかの時点で英語(またはロシア語・フランス語・ポルトガル語など)に切り替えざるをえなくなりますし、優秀な人材であれば経済力の低い(つまり予算上最先端の研究が出来ないということ)を自国を離れて、先進国に留学することになります。
このときに英語をツールとして使いこなさなければ、留学目的そのものを達成できませんから「英語は使えて当たり前」という状況があるといえます。
日本語話者の大部分は「英語が話せるようになること」が目的で学習しますが、諸外国(特に途上国)は「学習するために必要なスキルとして英語を習得しておく」ということになり、ここに高等教育における英語の重要性という差がでてくるといえます。
日本語は(中国語・韓国語も日本語を流用しているので同じ)明治から昭和にかけてかなりの技術用語や科学用語を日本語に置き換えましたので、英語で学ぶ必要そのものが低い、といえます。
この点を比較するとどうしても英語習得の重要性が他国(特に途上国)に比べて低いということになり、英語のレベル(ネイティブなみの英語話者が少ないなど)を上げにくい構造が日本にはある、といえるのではないでしょうか。
C各国における英語の経済的重要性における差の比較
これも高等教育と似たような関係性がありますが、日本と諸外国(特に途上国)では明らかに英語が出来ることによる経済的優位性に差があるといえます。
たとえば東南アジアにしてもアフリカ諸国などにしても現地の言葉と英語が話せれば職業選択の幅がぐっと広がります。高等教育をあまり受けていなくても英語ができるだけで外資系企業に採用され、現地で頭角を現せばグローバルに出世する可能性も出てきます。
これは先進国以外の国では先進国の外資会社が圧倒的にな経済力を持っている為、普通におこる事象だといえます。
それに対して日本や韓国では国内の会社がそれなりに経済力を持っている為、英語がそこそこ話せる、という程度では特に有利にはなりません。通訳ができるぐらい(それも専門性のある通訳)とか英語が話せた上で何かができるというレベルでなければ、有利にならないわけです。
となると、英語を頑張って習得するか、それともそれ以外の専門知識を習得するか(専門知識は日本語で習得できることに注意)ということになり、英語を学んで経済的優位に立つというメリットが薄くなります。
このような経済的な優位性がなければ英語を本気で学ぶ人が少なくなり、結果として「英語が話せない人が相対的に多い」という状況につながっていきます。
これらをまとめてみたときに日本は他国に比べて、英語を苦労して学んで得られるメリットが他国に比べて相対的に低く、英語習得の苦労は相対的に高い言語である、ということになります。
ですからどんなに英語教育の質を高めようとしても、そもそものコスト構造としてのハードルが諸外国に比べて高いので「日本人は英語が話せない」ということにつながっていくのです。
だから「レベル的に」見た場合、行っている英語教育のレベルは決して低いとはいえないと思いますが、結果として得られる英語話者の数も質も高くないですし他国と比較した場合「日本人は英語ができない」ということになるのでしょう。
英語のレベルを諸外国の状況と比較するには、英語習得システムの質・言語の社会的必要性・言語差による経済的優位性の差、を比較検討する必要があり、各項目を検討すれば日本の英語教育システムは質は悪くないが、高等教育に英語を利用するという目的で設計されていないし、経済的な優位性も見出せないから学習意欲のドライブもかからない、だから話せる人が多くない、という結論になると思います。
それでも昔(20年ぐらい前)は本当に英語が話せない人ばかりだったのに、最近は都内で英語で道案内している人もよく見かけますし、大学の後輩でも高校で留学してそれなりに話せるという人も珍しくなくなってきています。
ですので、日本もかなり努力をしているような気がするのですが、先ほど日本における英語環境の条件を鑑みると「日本人の英語力が非英語圏で上位に来る」ということは同時に「日本は発展途上国で経済規模の小さな国」に成り下がってしまうということになりかねません。(そうないと本気で英語を使える人は増えないでしょう)
経済力を落とさずに、英語力を上げるのが一番いいのでしょうが、それにはもっとコストがかかるということですね。
英語の必要性は私も痛感していますので、レベルアップは必要です。しかし現状を見た場合の「英語の必要性」は日本においては高くありませんし、英語力が無くても日本の経済力がそれをカバーしてきたといえます。
この回答への補足
ありがとうございます。
これまででもっともハイレベルな回答です。
ただ欲を言うと、もう少し外国の教育現場サイドに立った視点からの考察が欲しかったです。例えば、具体的に英語の授業は週何コマあるとか、日本よりも進度が速いとか、教科書の内容が日本のよりマシだとか 日本みたいにいちいち文法的に解析して訳読しないとか そういった点です。
あと、僭越ながら 英語圏の人にてとって難しい言語がその話者にとっても英語が必しも 難しいとは限りません。
例えが難しいんですが、日本語は難しい言語として有名ですよね。それでも、外国人の中では中国人はかなり有利です。でも、中国人にとっても日本語は英語より難しく、ロシア語と同じくらい苦労するそうです。
それと、オランダ人は英語を簡単に修得しますが、英米にとってもオランダ語はもっとも易しい部類ではあっても、そんなに簡単に修得できるものでもないようです。
日本人は英語の学習に不利だと言われても、それでも英語は数ある外国語のなかでは修得しやすいと思います。中国語は文法は英語より少し易しいものの、発音は英語より難しいです。韓国語も意外に難しく、日本人でも英語がかなり出来る人にとっては フランス語やドイツ語よりも難しいくらいです。
No.12
- 回答日時:
今回も、いい質問をしてくださってありがとうございます。
僕は「他の非英語圏と比べた」ことがないので、回答の資格はないのですが、回答数も二桁になったので、寝言も許されるかと、、、
もう一つ「客観的な」比較が出来ないのは、物差しが無いからです。今一部で使われている試験問題を、英語ネイティブの人に出すと、みんないい点を取ることは無いと思いますから、役に立ちません。
各国で違う荷物を背負っていて、それに応じて「英語教育」も出来ている訳です。日本では江戸の末期から蘭学に続くものとして異国の書物を読むために始まりました。
それと一般に門戸を開放し試験で入れる官学を作り、成功しました。組み合わせて大学入試>高校>中学すなわち日本の英語教育全般と言う図式が出来、百年過ぎた船は牡蠣ガラが一杯くっついています。
三月、入試採点などの息抜きに来た知人と飯を食いながら、入れ替え、穴埋め、n択、など英語力には全然ならない物をなぜ入試に?と聞くと、限られた時間に万を越す採点をやらされるから、と言います。
要するに日本の英語教育の目的は、英語力をつけることでも、ネーティブレベルを目標としての達成率を上げることでもなく、入試に合格することで、その目的は達成していると思います。
No.10
- 回答日時:
日本の英語教育の最大の問題点は日本では英語の文法や単語は教えても使方はにはあまり重点を置かないことではないかと思います。
このように言うと「そんなことはない」と反論なさる方もいらっしゃるかもしれませんので説明いたしますが、私が約40年前に中学で英語を習い始めた時の文章は「This is a pen.」でした。「これはペンです」としっかりとこれがペンであることを表現する英語の使い方であると言って反論なさる方もいらっしゃると思いますが、私が言う使い方と言っているのはそうではなくて、目の見える人の目の前にペンを差し出して、「これはペンだ」という必要はないということです。英語を話せるようになるためには、自分の考えていることを直接英語で言えるようになることを練習する必要があります。考えることが単純な場合は単純な英語を言えれば言い訳で、「I'm hungry.」であれば何も日本語の「お腹がすいた」を英訳する必要はないでしょう。これを徐々に展開させていけば複雑な文章であっても日本語で考えて英文に訳すのではなくて、英語で考えて(?英語で考えるというのは変ですよね。)そのまま英語で言えるようになります。これができるようになれば、後はそれまでに蓄積された英語の知識が役に立ってくれます。ちなみに自分のことを例にあげますと、私はオーストラリアで英語の勉強を始めるまでは全く英語を話すことはできませんでしたが、大学受験の際の偏差値は85ありました。そのおかげで、英語の使い方が分かるようになってから何とか話せるようになるまでには3ヶ月しかかかりませんでした。このころは人からは「How long have you been in Australia?」とか「How long have you studied English? Your English is very good」と言われましたが、「これはお前の英語は理解できるけどまだまだだよ。」という意味でいずれは「Were you born in Australia? 」と言われるようになりました。これは「お前の英語は結構いいけどオーストラリアで生まれたの?」と言う意味で、本当にきちんとした英語を話せるようになった後は誰も私の英語のことについてははなさなくなりました。これまでに10年かかりました。始めから英語の使い方を教わっていればこんなに時間はかからなかったと思います。
No.8
- 回答日時:
に韓国の英語教育の興味深い記事があります。一度ご覧になってください。(このような記事はインターネット上に他にもあります)「英語を使う経験」の度合いで日本の生徒はかなり負けているようです。また韓国では小学校英語の必修化で意欲の高い生徒が増加しているようです。
前に見た別のインターネット記事が今探しても見つからないのですが(日本人が授業を見学したところ)小学校の英語の授業で生徒同士が英語で議論をしていたとのこと。エリート校かも知れませんが。
また、日本では折角ネイティブの先生がいても日本人の先生から指示された範囲でしか(例えばちょこっと単語の発音とか)ネイティブの先生は発言出来ない。韓国ではネイティブの先生は自由に発言出来、授業を進められるというような違いを述べておられました。
日本では先生も英語を使った経験が少なくて、まるで昔の日本人の「漢文」の(中国人抜きの)勉強のようにひたすら読んで理解するという勉強しかしていないのではないか、というのが問題のように思われます。
注:欧州人は言葉が英語と近いので学習の苦労はアジア人に比べて遥かに少ないと思います。(私も米国留学1年しただけでドイツ語の文章が少し読み易くなりました。実感です)それでもスエーデン人は99%英語をしゃべるとか、力を入れているようです。やり方は知りませんが。
No.7
- 回答日時:
海外滞在中に色々な国の人に会いました。
英語に特化した勉強をしていない教育を受けた大卒レベルでは、アジア人(日本、韓国、中国など)は文法に非常に強いです。ペーパーテストを受ければヨーロッパ人に引けをとりません。(語学学校先生談)
また普段使わない難しい単語やライティングレベルも高いです。
スピーキングは圧倒的にヨーロッパ人(フランス、ドイツ、スイスなど)の方が高いです。とは言っても彼らも100%英語を聞き取り、理解できているわけではありません。
間違えた文法もよく使いますし、簡単なスペルも間違えますが、リーディングのスピードは早いですし、十分ネイティブに入りコミュニケーションが取れるレベルです。
特に日本と韓国は同じような教育を受けているように思います。アジアの中ではインドは英語で授業を習う事もあり、リスニング能力は高い。香港出身の人は、英語圏へ言った事なくても最低限のコミュニケーションは英語で取れます。(若い子も)
余談ですがヨーロッパ出身の友達は、テレビチャンネルの中に英語のチャンネルがあるから小さい頃から見てたからと言っていました。
質問者様の言うように、日本人は文法やライティングスキルは決して他の国に劣ってはいませんが、「話す」事に慣れていないのだ思います。
この回答への補足
ありがとうございます。
>余談ですがヨーロッパ出身の友達は、テレビチャンネルの中に英語のチャンネルがあるから小さい頃から見てたからと言っていました。
余談どころか、ここがポイントに感じます。折角英語を勉強しても気軽に英語のTV番組も見れないと、モチベーションも上がらないし、英語のリスニングの理解力も計りにくいですね。
No.5
- 回答日時:
構文とか単語の能力についてはそんなにひどいとは思いませんよ。
しかし聞く能力(電話だと半分は聞き取れない)話す能力(電話だと固有名詞が何とか通じる)で実務をおこなう時にまったく役立たないと気づかされます。
理由としては、語尾に母音が残る日本語の特性が原因だと思います。
欧州語圏より劣るのはやむを得ないとは思いますが、語尾が子音で終わる中国や韓国よりも聞き取る能力に劣るといわれています。たとえば香港の語尾「ing」を日本人は聞き取ることが出来ません「n」に聞こえます。
教育のレベルという問題ではなく日本語の特性が英語教育の妨げになっていると私は考えています。
No.4
- 回答日時:
語源に共通項をもつヨーロッパの国々と比べると、すべてにおいて低いと思う。
その他であれば、アジア、中近東、南アメリカとなり、アジアからより南アメリカや中近東からの留学生の方が英語のレベルは全体的に高いように感じる。
韓国と比べると同じぐらいなのかな?自分が知っている限りでは、彼らのほうが上手いともおもった。中国はパーセンテージになると分からないが(なんせ人口が多いもので)あらゆる分野のビジネスで活躍している人達の英語の能力は日本人より一般的に高い。
受験勉強英語=普段使わない構文等の知識は高いと思う。
得意であるべきはずの
reading=読解力(analytical reasoning や logical reading)は特に低いと思う。
writing=も同様に低い
speaking & hearing の勉強は始まったばかりなので説明をする必要はないと思う。
No.3
- 回答日時:
いくつか外国語教育に携わった立場から一言。
日本は、教育には力を注いでいる国の一つです。英語の教育を全く受けずに育つ人は1%もないと思います。この点、他の国と単純に比較して、「平均的な日本人の英語能力」という風に考えるのは、不公平ではないかと思うことがあります。
また、日本語教育(外国人に対する)に携わって、日本語が非常に効率よく教えられるのを目の当たりにしながら僕が感じたことは、日本の学校での英語教育は全く音声的なコミュニケーションを軽視したものであり、極めて非効率なものである、というものでした。
留学のためのTOEFLやIELTS、就職のためのTOEICを、高校や大学、社会人として受験する程度の年齢に達した日本人は、それこそ経済的には恵まれた環境でテストのために対策を行い、改めてリスニングなどを「自分で勉強しなおして」、ある程度の高得点を収めています。
一方、他の国では単純に学校教育を経てそれくらいの点数を取るのが普通です。話すことを目的とした教育であるため、定着のスピードが違います。
もちろん、言語的に英語と近い、遠いといった側面はあります。韓国や中国、その他のアジア諸国では、日本と同じように会話ができない人ばかりの国もあります。逆にヨーロッパではほとんどの人が、大して努力しなくても流暢に話ができます。
しかし、日本ではこれまで、あまりにも読解のため、テストで実力判断をするためだけの英語教育に偏り過ぎていたように思えてなりません。結果として、中学高校で英語教師になろうとする人達の英語コミュニケーションスキルが、そもそも全然確保できないという現状にあります。
予備校で英語の教師をしていて、最近少しずつ音声に焦点を当てた教育が行われるようになってきたようにも感じますが、やはり一部の学校だけでしょうし、僕はもっと根本的に教育内容を刷新すべきだと、本気で思っています。
アメリカやイギリスのネイティブ教師は、口をそろえて「文部省が悪い」と言いますが、僕も同感です。民意で改革できるものなら、してみたいです。
ありがとうござうます。
どうやら質問のディテールがスルーされたようですが、主に私が知りたかったのは、中国、韓国、ヨーロッパで教えられている英語のレベルなんです。
向こうで使っている教科書は日本のと比べてどうか、また、教えたかとして、どの程度文法や訳読に力を入れているかとかです。
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