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物理や工学に応用できそうにない入試数学の難問ってありますよね?
あれって何のために勉強するんでしょうか?
選抜を勝ち抜くためでしょうか?
入試が終わったら役に立たなくなる勉強って悲しくないですか?

A 回答 (4件)

秋田に国際教養大学という注目されている大学がありますね.留学を必須とし,科学実験など教養をしっかり教える.就職に抜群に強いらしいです.



社会に出ると何をやるか分かりません.語学力はグローバル社会では即戦力になるし,大学までで学んだ幅広い教養がやはり重要だとという考えだと思います.

さて,入試数学が物理や工学に応用できそうもないという判断についてですが,思考力だけを試すパズルみたいな難問は確かにその後の物理や工学には無縁のような感じがするでしょう.実際そういう問題もあると思います.

しかし,難問でも,物理や工学の先進的な話題を学習指導要領レベルで話ができるように細工さえた問題もあります.東大や慶大などの有名大はもちろん,地方の国立大学の問題でもそういう問題が出題されています.例えば,0以上1以下の初項x_1始まり,漸化式

x_{n+1}=2x_n(0≦x_n<1/2),2(1-x_n)(1/2≦x_n≦1)

できまる数列{x_n}はときどき見かけます.これに関する問題は難問であることが多いのですが,これはカオスをつくりだす力学系として物理でも工学でもよく研究されているものです.こういう難問は役に立つどころか,それを研究材料にしている分野があるのですから,よく勉強しておく価値があるとおもいます.

また,確率と漸化式の問題があるでしょう.例えば2つの状態AとBがあってこれらの間をある規則で毎秒移り変わるとします.規則は,ある時刻に状態S_1にあるとき次の時刻に状態S_2にある確率(条件付き確率)をP(S_2|S_1)とすると,

P(A|A)=1/3 P(B|A)=2/3
P(A|B)=1/2 P(B|B)=1/2

であるとします.時刻n(≧1)に初めて状態Bにある確率はどうなるか.このような問題も多く出題され,難問であることも多いです.これを大学風にとくと次のようになります.

時刻0から始まり時刻nに状態がA,Bにある確率をそれぞれa_n,b_nとします.最初に状態Aにあると,

a_0=1,b_0=0

状態確率は

a_{n+1}=a_n×(1/3)+b_n×(1/2)
b_{n+1}=a_n×(2/3)+b_n×(1/2)

に従って発展していきます.これを解いて,時刻nに初めて状態Bにある確率はb_n-b_{n-1}(n≧1)となります.

これはマルコフ連鎖と言われるものです.大学理工系の後期ぐらいからやるでしょう.マルコフ連鎖はGoogleのページランクにも使われています.

こうみてくると入試数学も役に立たない題材ばかりというわけではありません.直接役に立たないものすごい計算量の問題も,物理や工学での莫大な積分計算,ベクトル計算の練習とみればよいでしょう.例えば,a>0,b>0,s>0とするとき,

∫_0^∞{e^{-s√(x^2+a^2)}/√(x^2+a^2)}xJ_0(bx)dx=e^{-a√(s^2+b^2)}/√(s^2+b^2)

という公式があります.理工系学生・研究者必携の岩波数学公式に載っているものです.この計算は結構長くかかりますが,入試の積分計算力をそのまま大学数学の微積分力につなげれば可能です.Bessel関数,複素積分の留数計算などを使いますが,ベースになるのは入試数学の微積分計算力です.

こういう例はその気になればいくらでも挙げることができます.しかし,それでも質問者様のような意見は出続けるでしょう.それは,日本の数学教育が

「この数学は将来どのような分野に役に立つのか」

ということを教えてこなかった,また今も教えようとしていない,いや教えられないのだと思います.例えば,経済は微分積分が必須です.リーマンショックで話題になったCDSとか金融派生商品の背景に確率解析があることを知っている日本人は少ないと思います.経済は日本では文系とされているからです.また,日本の教育ではデジタル機器を積極的に活用する風土がありません.教育予算を決める権限をもつ自治体の長は「教育は黒板とチョークでやればいい」と言う人が多いのです.海外では積極的にITを使った教育をしています.数学と物理の連携が伝統の国もあります.

こういう中では入試も多彩な分野を背景にするというより,数学専門の人が数学の世界だけにはまって問題を作る場合も多いのかもしれません.現代数学を背景にする問題を見分ける力は私にはありませんが,そういう問題も今のところ物理や工学には結びつかないように見えるでしょう.

「数学は社会に役に立つ」

という視点で教育を見直す時期が来ていると思います.高校に数学活用の視点は強調されていますが,何せ今までほとんどやってこず,問題のための問題,難しいだけの問題という質問者様を悲しませる問題を量産してきたわけですから,すぐには変わらないでしょう.また,今の教師も新しいことを学ぶ年齢でもないし,研修に余裕もありません.今すぐにでもこのような教育に転換し,近い将来,物理,工学,経済などにも知識をもった若い教師が増えることを願うばかりです.
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この回答へのお礼

みなさん、ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2013/01/06 20:42

理数系の大学に入ったら、更に何の役に立つのかわからないマニアックな内容を必修させられることになります。


でも、世の中で専門職と呼ばれるのはそういう人達なんですけどね。

他に応用できない問題も、それ自体を解くのに応用力が必要であれば、解けなかった人間が解けた人間をどうこう言える資格はないでしょ。
応用っていうのは経験の積み重ねとそこから得られる閃きですから。

悲しくなるなら、勉強なんてしなければ良い。
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>選抜を勝ち抜くためでしょうか?



 はっきり言えばそうです。


 どのレベルが難問になるのかという問題もありますが、ここでは東大,京大(東工大,東北大もかな?・・・・(^^;))レベルの数学問題を「難問」としておきます。

 入試は「競争」試験です。一定レベルに達していればOKよ、という「資格」試験ではありません。なので「何のための難問?」と思えるような難問も出題されます。特に東大,京大は伝統的に、日本最高レベルの「人材予備軍」を欲しがっているからです。

 東大,京大の入試を突破したからといって、それで終わりではないです。「人材予備軍」の中から、本物の世界レベルの研究者になったり出来るのは、ほんの少数です。しかし東大,京大は、そのような「人材予備軍」を求めています。自らが「日本最高学府」という自負があるからです。でもそれは、必要な事だと思いますよ。

 で自分はというと そんなものには付き合いきれないと、東大,京大レベルは見切って、中堅大学を選びました。中堅大学の出題は、逆に「非常な良問」が多いです。受験生には考えさせるが、高校数学の基礎がわかってない奴には絶対にできない、「ギリギリ」の選択を出題者はします。受験問題を考える人達は、すごいなと思いますよ。

 中堅大学では、「これくらい分かれ」、「基礎があるなら分かるはずだ」、「そうでないのは欲しくない」という事だと思います。で、入学した後、受験対策の経験が全く役に立たないか?というと、そんな事はないと思うんですよ。

 特に難しい問題を解きたくて、色々調べた,色々考えた・・・、色々調べた先はどこだったか?,色々考えた先に何を思ったか?、などは絶対に自分の財産になり、入学後も自分を助けてくれます。「入試が終わったら役に立たなくなる勉強」は、基本的にはないはずです。どこかで役に立ちます。大学は、そういう訓練を突破した人材を求めているんですよ。入試とは、そういう関門だと思います。


 今回は大学の味方をしておきますが、大学は点数だけを見て判断したくはないはずなんです。総合的に判断したいはずなんですよ。しかし現状では、点数しか見れません。なので入試の出題者は、大変だなぁ~、と思うんです。
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必ずしもそうとはいえないでしょう。

難問といわれるものの質にもよるでしょうけれど、問題の本質を正しく読解することが難しいような問題(実際に電子機器の設計などでは数多く直面するのですよ。表面上の数値に目を奪われ公式を当てはめてもうまくいかないことが、こういった場合同じような現象に対して取り組む方向自体が間違っていて、本質を見抜けなかったということがほとんどです)は、学校で成績をとるためにはあまり意味が無くても、研究や実際の現場では非常に重要なスキルです。

応用できそうに無いというのは、たぶんあなたが実際の現場で難問にぶち当たったこと経験が無いから言えるのでしょう。実際に現場での難問はさらに厳しいですよ。
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