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倍数体のでき方についてです。
コルヒチン処理をすると、影響を受けた細胞の紡錘糸形成が阻害され、細胞が分裂せず、細胞内の染色体が倍加した倍数体が形成されますが、

(1)この後、紡錘体形成が阻害され細胞が分裂できない状態なのに、植物は成長し花や実を形成します。どうしてでしょうか。
(2)コルヒチン処理をしていた期間、間期であった細胞についてもコルヒチンの影響を受けるのでしょうか。
(3)コルヒチンの影響はいつまで続くのでしょうか。

「コルヒチン処理を行えば倍数体が形成される」という事実だけが一人歩きして、そのしくみがいまいち分かっていないのです。

どうぞよろしくお願いいたします。

A 回答 (5件)

チューブリンα/βヘテロダイマーの間に割り込んでコンフォーメーションを変化させる。

そのダイマーは重合に参加不能という機序では。知りませんが。お礼率は0%。
不可逆的に結合という記述もあったがならばなおさら量的な拮抗に過ぎなくなる。と思われました。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。ということは、影響を受けた細胞はこれ以降細胞分裂はしない(出来ない)ということですかね。うーん。

お礼日時:2013/11/15 06:41

コルヒチン処理によって倍数体変異株を得ようとする試みでは茎頂培養が一般に使われます。

シャーレでの培養になりますから,培養液のコントロールは簡単ですし,何よりもコルヒチンの処理時間は最低でも細胞周期よりも長くする必要がありますから調節しやすいからです。コルヒチン処理が終わりましたらコルヒチンを含まない培地に移し,オーキシン等で葉や根を分化させまして一個の植物体にします。

言うはやすし行うは難しでして,コルヒチンの濃度や処理時間は膨大な労力の元に求められるものです。すべての分裂細胞が倍数化し,その後倍数化した細胞が正常に分裂しなければなりません。ですから濃度が高かったり,処理時間が長すぎますとすべての細胞分裂が止まりますから枯れてしまいます。
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この回答へのお礼

処理方法を交え、詳細な返答ありがとうございます。
培養液の濃度を適正にし、処理時間を細胞周期より長い適切な時間に設定することで、全ての細胞に倍数化の影響を与えられ、さらに細胞分裂が一旦停止し倍数化した細胞についても、処理後は細胞分裂が再開されるということですね。

お礼日時:2013/11/15 18:18

ですから、チューブリンというタンパクを重合させて微小管という細胞内器官を形成していくわけでしょ。


コルヒチン分子が結合したチューブリン分子がダメになるのです。とりあえずその分子がダメになるの。ダメになってないチューブリン分子はダメになってない。ダメになっていないのを補充できるかです。
微小管を作るタイミングでコルヒチンの結合したチューブリンがあるかないかです。
いずれコルヒチンは減ってくるでしょう。
チューブリンは合成されるものでしょ。それを紡錘糸として利用するかが細胞周期の調節という事で。
言葉が一人歩きというか理念的な言葉が宙に浮いているのですね。それを沈めるには具体性です。さらに話を安定させるには原子論、つまり分子的な説明です。
とりあえず意思を持たない分子で考えましょう。その分子が新しく作られるからまた伸びたりするんじゃないの。
要するに量です。一つ一つ材料を歪める阻害方法だからそれも量(濃度)です。
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この回答へのお礼

つまり、コルヒチンはチューブリン分子を「ダメ」にして使えないようにする作用を持っているため、コルヒチンの濃度によって紡錘糸形成に使えるチューブリン分子の量が変わり、紡錘糸を伸ばす時期(中期以前)に十分な量がなければ微小管が形成されない、あるいは形成のスピードが落ちるということですね。
コルヒチン濃度の調節により紡錘糸形成のスピードを調節し、細胞中の染色体数の倍加を促しているわけですね。どうもありがとうございました。

お礼日時:2013/11/16 19:35

コルヒチン、生長点(成長点)、などで検索されてみてください。


(柔らかい)芽の部分に目薬みたく滴下したら芽は倍数化です。その蔓からスイカが出来れば倍数体のスイカです。
柿では12倍体(2n=180=12X)が作られたりするみたいです。濃度も時間もないわけです。簡単だし適当です、化け物作りなわけですから。効率よくしようとすれば適性条件を探すという。
倍数性の異なるキメラという記述も見られますがそうだろうしそれでいいと思います。植物の場合は自由度があるでしょう。接ぎ木の生物ですよ。

チューブリンによる微小管はいろんな場面で足場的な細胞内骨格ですから細胞膜がくびれる細胞質の分裂にも関わります。玉ねぎが春先に丸く太り出すのはチューブリンが減少するからとか。チューブリン阻害剤はチューブリンの機能全般を阻害するでしょう。
お礼結論の、倍加を促す、という表現が言葉の一人歩きに戻るのです。倍加を促すではないでしょう、人間にとって倍加したという現象になるのであって、コルヒチンは促すどころか重合を抑制しているだけ、それだけ。すでに重合している微小管のチューブリン分子を歪ませて外すという効果もあるでしょう。重合の反対です。
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この回答へのお礼

効率の良い倍数体の生産プロトコルを作るために、適正な処理時間、コルヒチン濃度を明らかにするのが大変なのですね。コルヒチンの作用については、紡錘糸形成阻害というよりは微小管形成阻害として捉えた方が良さそうですね。柿、玉ねぎについての貴重なお話、ありがとうございました。

お礼日時:2013/11/17 10:40

おっしゃるとおりに思います。


先述した細胞質の分裂とチューブリンの図式は細胞壁のない動物細胞の場合という事でお願いします。

現象というか技術的に成立している事を疑問視されるのは学問的な議論でしょうか分子生物的な視点を書き込みさせて頂きました。
私もテキトーな日本語表現が多いのですが。チューブリンは合成阻害されていません。ご指摘の表現のように微小管形成阻害が適当でしょうね。ただし異常なチューブリンの存在が原因になります。そして濃度による拮抗的な阻害作用に思われます(外れたり、はまらなかったり、する異常チューブリンと正常チューブリンの競争的な現象)。一方、タキソールなどには安定化による阻害みたく書かれていて思うにそれこそタキソールの場合は言わばドミナントネガティブ風の強い阻害効果(毒性)があるのではと想像します。

(1)植物体ではなく、コルヒチン濃度の高い細胞は、分裂不能ないし死滅(→死んだ細胞は成長しません)。細胞内における残存濃度しだい。

(2)微小管形成阻害ないしチューブリン分子の変性。逆に間期に与えた方が効果が高く最適という妄想もできます。少ない量で微小管最初のチューブリンを潰してしまうというか。

(3)細胞の代謝や排出(細胞外または液胞内)は知りませんが残存したとしても不可逆的な結合ですからそのチューブリン分子が異常な在庫であるだけ。乱暴に言えばコルヒチンがリサイクルされなければ一分子限り。
仮に50という濃度である組織で90%の細胞が倍加に成功し40では50%、25では10%以下というシャープな適正濃度が求められているなら、むしろ簡単ですよ。50の濃度で倍加に成功した後にコルヒチン供給のない環境で細胞が肥大して濃度が薄まれば分裂可能です。残存したとしても分裂の度に濃度は1/2です。
死滅させるくらいの濃度を与えて生き残りは確実に倍加という方向性なら話は簡単です。従って致死量が重要なんじゃないですかね。
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この回答へのお礼

コルヒチンの作用はチューブリンの合成阻害ではなく、チューブリンを異常な状態にするということですね。そして異常チューブリンと正常チューブリンの競争が起こる、と。
少ないコルヒチン量で、微小管最初のチューブリンを異常にすれば、後に微小管は合成されていきませんね。面白いですね。
「致死量を超えない程度のコルヒチン濃度で多くの細胞を倍加させた後、濃度0で育てて、細胞を大きくして濃度を薄めてしまえば、分裂の度に濃度は薄まって、倍加した細胞が分裂を繰り返すようになる。」というのが求めていた答えのようです。
数回にわたりご返答頂いて、有難うございました。納得しました。

お礼日時:2013/11/20 19:39

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