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ふとした疑問なのですが、

通訳の人が通訳中に、もし相手が行った単語や意味がわからなかったら、どう対処するのでしょうか?

A 回答 (4件)

わたしの通訳の先生は国務省の通訳経験者でしたが、通訳の基本については私と同じ意見でした。

話をきいているときには筋をおえ、ということです。筋がおえているかぎりにおいては、わからない単語などは省略します。もしくはあたらずともとおらかずの範囲で訳します。お菓子の味について、フェラーリのよう、と言っているときその部分が聞き取れなかった場合などは、う~ん。おいしい。とでも訳しておけばそうまちがいにはなりません。

専門用語については、会議通訳などに臨む場合には、関連しそうな英単語をリストアップするなどして、前日までに、100から200単位で単語をつめこみ通訳にのぞみます。手元におぼえきれなかった単語のリストなどは、ひとめでわかるようにした状態の紙をおいて通訳にのぞみますので、訳せないということは、あまりおきません。

あと、よくあることですが、通訳している場合文中の単語が一つだけわからなかった場合には、前後関係からほとんどの場合その単語の意味は推測できます。その場になれば文脈でわかるからいいんだといっているのをきいて、素人は驚愕していましたが、そういうものです。その場になると意味がわかる、というレベルの人間だけが同時通訳になれます。もっといえば、相手がこれからなにをはなしそうか、話をきくまえにほぼわかるというのも一流の通訳者の特質です。さらにいえば、話者が何をはなしていそうか、どうおもっていそうか、音声を消したTV映像から確実にあてられるのも通訳者の特徴です。これについては、通訳学校で実験されましたが、生徒全員が間違いなくこたえられたので、あるいみ、相手のきもちが忖度できることが通訳としての決定的資質だということがいえましょう。これができるので、相手の話のなかの単語がひとつわからなかったくらいで、相手のいっていることの意味をまちがえてしまうこがないのです。

訳しにくいものとしてはジョークがありますが、ジョークということはきいていればわかります。このときの訳し方として実例であったのは、今冗談をいったみたいな野ですがよくわからなかったので笑っていただけますか、と同時通訳中にいったところ、聴衆は大爆笑したという逸話があります。この話にはおちがあって、そのときの講演者はわたしの冗談がこんなにうけたのははじめでだといって通訳者に感謝したとという。

ただし実際の通訳場面では、相手の言っていることがわからなくて困るということはあまりありません。わからないとしたら、固有名詞くらいです。そしてもしわからなかった場合の最大の防衛策は、沈黙かもしれません。勝手に解釈してわかったように訳すということは訓練された通訳ならばしません。

ちょっとした話について、単語がわからないようでは、会議通訳などのレベルには程遠いので、単語についてはわからないことはあまりおこらない、ということは言えるでしょう。

ほとんどの人は知らないでしょうが、通訳それも会議通訳というのは、ものすごい勉強家です。外科手術はできなくとも、外科手術に関しては外科医なみの知識があり、話題についていける状態にしてから、当日の通訳にむかうことになっています。なので、ある意味、高校時代は一夜漬けの名人だった、うちで予習復習するのは大嫌いで、英語の授業も予習したことがなかったという人間でかつ成績は全分野において秀でており、英語の成績もよかったという人間が一番通訳にむいていることになります。

英語だけがとりえで、英語の授業の前日には徹底器に予習していたという人間は通訳にはむきません。いいところできたとして商談どまりの通訳でしょう。

とはいえ、冒頭で紹介した通訳の先生の言葉ですが、スピーチには二種類ある。言語明瞭意味不明。言語不明瞭意味明瞭。のふたつだということです。しかし、これを訳すのがプロです。なにいっているんだかほとんどわからないんだが、たびん、こうだ、という場所にさしかかっても、あてられる、それもひとつの才覚です。逆にいえば、わかるところだけ訳せる程度の人間であれば、どこにでもいるので、そういう人間をわざわざ雇う人間はいません。

それと、当時通訳にかんしては、常に二人一組です。ブースという場所に通訳者は待機してそこからマイクに向かって話すのですが、隣に相棒がいます。どうかんがえても相棒がつまづきそうなわからない単語ーーー自分もはじめてきいたーーーなどにかんしては、この相棒がきをきかせて、とっさに紙にかいておしえる、などができます。

また、一応そこそこのレベルだが、国家首脳同志の交渉というほどの深刻さはないというレベルの専門的な内容の会議に関する通訳などですと、よどみなくはなしているが、なにをいっているのかよくわからない、きいていても意味がとりづらい訳にとりあえずしながら、ついていくという例はみたことがあります。このレベルは、たとえば省庁内部でおこなわれる会議などのレベルではありますが、公開講演などにつかわれる通訳のレベルはもっとうえで、わけのわからない英語なり日本語なりに訳されてしまうことはありません。99%の正確さで専門用語まで訳しとおすことがおおいです。

最期に、言語能力の問題で、通訳として学校にはいれ、生き残れるのは、95%が女性です。一番上のクラスは全員女性などということも珍しくありません。男性でもつとまり、よくみかけるのは、ぼボランティアのガイド通訳など一番したのレベルの通訳ですね。重量挙げで女性が男性にかてないレベルで、男性は通訳で女性にかてないです。いろんな場面でいろんな人が訳すのをきいていますが、専門的な内容についていまのところは専門的な内容なので、訳してもおそらくわからないのでわたしは訳しません、などという情けない通訳はみたことがないです。

それから会議通訳では、多くの場合事前に、原稿の提出ないし、専門用語の対照表を話者にもとめ、話者も応じることがほとんどです。そして通訳がつくような会議での発言は、世界最先端の研究内容だとか提言だとかにかんするものですがので、専門性がともなうのは必須。ある意味、高度に専門的で先端的なもの以外について、通訳をかいしてまで話をききたいとおもいあつまる聴衆などいません。

まあひとくちに通訳といってもガイド通訳も通訳かあもしれせんので、そういう通訳にかんしての常識はわたしの知るところではありませんが、会議通訳、放送通訳、首脳間交渉の通訳のレベルの訓練では、わからなかったらごまかせ、という指導はありません。文脈から推測してはずれているとはいいきれないレベルの正確さで訳せというところでしょうか。


もっとも通訳学校というところは、あるいみ適性検査と、選抜のみの機能をはたしており、別段通訳のしかたについていろいろおしえてくれるだとかいうことはないです。理由はわからないが、きちんと訳せるという人間だけを残してあとは進級させないのが通訳学校です。ちなみに進級できるのは、そういうわけで、30人中1人規模ですがそのレベルですが、通訳学校からもうちではたらかないかというスカウトがありますし、うちの人材派遣会社に登録しないかというスカウトもありますし、在籍中に仕事を紹介されるなどのオファーもあります。

なおだめな通訳にかんして教師がなにをするかといえば、なにもいわずに、ほかの生徒にあてて正しい訳をださせるだけですl。正しい訳をきいて自分の訳がだめなのだ、とわかるレベルの学生しかそもそもきませんので、そこでとばされた生徒が不服を申し立てるなどもありません。

いずれにせよ、プロの会議通訳ですと、通訳中にあいてがなんといったかわからない、という場面をなんとか回避しようとする行動を事前にとります。なので仕事がはいったら、直前1週間は勉強づめ。単なるイベントの商談レベルでも前日は猛勉強です。出展者が自動車の備品メーカーという情報しかなかれば、自動車の主要部品については、全部おぼえてから仕事にのぞみます。まず必要ないんですけど。とういうわけで、せっかく覚えたのに当日使う機会がなかった単語の数のほうが膨大ということがおおいです。

通訳にとっての本当の問題は、意味はわかるが適訳がわからない場面の対処法です。問われるのは訳せる訳せないのレベルではなく、うまく訳せる訳せないのレベルだということです。なので、わからない単語があったらどうしたらいいですかと教師に質問する生徒はいませんでした。できない生徒がどうしているかといえば、あたりまえですが、わからなかったらみなそこは飛ばして訳しています。

また、相手の言っていることの意味がわからないレベルで困惑する学生というのは実は比較的すくない。ほとんどわかるのだが、いざ訳せといわれて訳し始めると、なにをはなしていたのか正確にはおもいだせない、というのがほとんどです。相手の話を完璧に再現する能力のあるなしが、通訳の特性をわけるといえましょう。

日本語できいたはなしを正確に伝言できない人間に通訳ができるわけがない。通訳になれるかなれないかはこの部分が決定的で、そこは先天的な能力です。語彙数なんか前日にいくらでも増やせるという強靭な記憶力のつわものが、通訳の世界でいきのびる。

知らない単語にはであわないよう日々精進が通訳の日常生活だということです。どのようにごまかしたらいいかかんがえていたらいい通訳にはなれません。そういう性格の人間は通訳にそもそもむいていない。
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この回答へのお礼

とても貴重なご意見ありがとうございました!
どなたをベストアンサーにするか迷ったのですが。。。思わずへぇ!と言ってしまったのと事細かに記載していただけたので^^
ありがとうございました!

お礼日時:2014/07/08 14:00

ポルトガル語の司法通訳をしています。

裁判所、警視庁、検察庁、弁護士接見、入管などの通訳です。

会議通訳や要人の通訳ではなく、相手は犯罪の容疑者ですので気が楽です。
従って分からない言葉がでてきたらすぐ聞き返します。なにしろ刑事の取り調べの際、犯罪者などはスラングを連発するからです。

裁判のときは傍聴者がたくさんいる時がありますから、恥ずかしいですが聞き返します。
一度被告の言った言葉ではなく検察官が言ったギブスという単語をポルトガル語で何と言うか度忘れしてしまいました。でも慌てませんでした。ポルトガル語で「あのセメントみたいに固めるのがあったね、なんて言ったっけ」と被告に聞いたら「ジェッソ」と答えてくれたので事無きを得ました。(笑)
まあ被疑者と若干のブラジル人支援者がわかればいいのですから気が楽です。

会議通訳もやったことがありますが、日本側は3名でブラジル側は2名と少数でしたので聞き返すことは可能でした。尤も、会議は難しい内容のものではなく親睦が目的の会議でしたし、スラングが出ませんでしたので聞き返す必要はありませんでした。

ブースに入ってやる同時通訳はやったことがありませんが、これは聞き返すわけには行きませんからこれは通訳の中のトップクラスで尚且つその議題に精通していないと無理だろうと思います。会議通訳みたいな通訳が本当の通訳なんでしょう。私にはできない自信があります。(笑)
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この回答へのお礼

とても興味深いお話、ありがとうございました!!

お礼日時:2014/07/08 14:00

私は超一流の通訳者のところで通訳を3年間習い、多少通訳の経験もありますので、その経験から話をします。


通訳者にとって、ごまかしもテクニックです。
文脈をしっかりつかんでいれば、内容をフォローすることは難しいことではありません。
同時通訳者に音声が数秒間流れなかった(アクシデント)という場合でも、通訳は何も起らなかったかのごとくにつないでいけます。
日本語で話を聞いていても、知らない単語が出て来ても話についていけるーーあの感覚です。
ただし、ご本人が専門分野のことを難しく話した場合に、超一流の通訳者でしたが、この人は今ご自分の難しい専門分野の話に突入していますが、これは通訳できませんねーーできたところでみなさんわからないだろうしーーなどと言ってほどほどに通訳をしたという話を聞いたこともあります。相手が言ったことを数秒聞き逃しても何とかなるものですが、こういうわけのわからないことを言われるのが困りますね。あと、ジョーク。通訳できないようなジョークをやられると困りますね。とっさに別のジョークで誤魔化せればいいですが。

以上、ご参考になればと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございました!

お礼日時:2014/07/08 14:01

    僕がやってた時に、幸いそういう事態は無かったのですが、もしそういうことがあれば、その人に繰り返してもらう、それでも分からなければ、分かるまで言い直してもらう、ことにすると思います。

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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2014/07/08 14:02

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