安倍内閣は、7月1日付で、集団的自衛権を行使可能とすべく、
政府の憲法解釈を変更する閣議決定をしましたね。
そこでふと疑問に思ったのですが、
従来の「集団的自衛権は行使できない」という解釈の位置づけはどうなるのでしょうか。
具体的な質問は、下記の通りです。
1 集団的自衛権は行使可能であるとする現政権の立場からすれば、
行使が不可能であるとしていた従来の政府解釈は、
憲法9条の解釈としては「間違い」だということになるのでしょうか?
2 もし、1が「YES(間違い)」であるならば、従来の政府解釈は、以下のどちらですか?
ア:今の目から見れば間違いであるが、当時の社会情勢等を前提とした
解釈としては正しかった。
イ:今の目から見ても間違いであるし、当時としても間違いだった。
3 もし、2が「ア(当時としては正解)」であるならば、
「集団的自衛権が行使不可能」が正しかった当時と、「行使可能」が正しい現在とで、
どのような違いがあるのかについて、現政権は何か説明していますか?
4 もし2が「イ(当時としても間違い)」であるならば、
過去の政府(そして内閣法制局)は、憲法9条という極めて重要な条文について、
長年にわたって誤った解釈を続けてきたことになりますが、
その責任を問う声は上がっていますか?
また、歴代首相は、誤った解釈をしていたことについて何か釈明していますか?
(又は、あくまで自分は誤っていない(現政権が間違いである)と主張していますか?)
5 もし1が「NO(間違いではない)」であるならば・・・
そのように理解する余地があるのかわからないので、ご教授ください。
A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
> 1 <略>憲法9条の解釈としては「間違い」だということになるのでしょうか?
Noです。
集団的自衛権という言葉だけが独り歩きしているような気がします。
かつて言われていた、憲法で禁止された「集団的自衛権」は、外国が侵略されたときに日本が行って共同で対処する、というものです。
その後、これが拡大解釈的に運用されて、例えばPKO活動などまで集団的自衛権の名のもとに憲法違反だと叫ばれていましたが、少なくとも閣議決定レベル以上では上記のラインまでです。
今回の閣議決定でも上記の意味での集団的自衛権は否定されたままです。
「海外派兵は一般に許されないという従来からの原則も全く変わりません」とした通りです。
今回、日本近海で例えばアメリカの艦艇が攻撃された場合に、日本が協力して対処できる、という部分が付け加えられましたが、今まではこの部分についてはグレーゾーンでした。
因みに言えば、基地については「共同対処」として、個別的自衛権の範囲だとこじつけていましたが、おそらくはより自然な解釈である集団的自衛権だということに変更になるでしょう。
これらの部分について明確に「日本も対処する」と変更した、というのが今回の閣議決定の主な内容です。
閣議決定により憲法解釈を変えた、というのは間違ってはいませんが、より正確には
・PKOや海賊対処など国際協力は自衛権の範疇でも9条に掣肘を受けるべき内容でもないことを確認した
・いくつかの根拠を「集団的自衛権」に付け替えた
位ですね。
出来ることが広がったか? というのは、現時点では全く変更ありません。
今後、対応した法整備により変更されるはずですが、おそらくは武力攻撃事態などの要件に外国の部分が加わる、などが行われるはずです。
No.5
- 回答日時:
私は大学生の時から40数年間ずっと第9条を含め憲法改正が必要と考えてきた者です。
自衛は集団で行なうのが効果的であることは明らかである。個別などと言う解釈は巻き込まれることを恐れての詭弁です。大国である中国の近年の侵略的行為に対抗するのに個別的対応で行なえると考えることが幻想であると述べたのです。いずれ憲法改正が必要であると考えており、限定的な集団的自衛権の容認はその途中過程なので、一里塚と説明したのです。No.4
- 回答日時:
No.3です。
閲覧者のためにもう少し易しく説明します。現行憲法は米国を主体とする連合国の占領下で制定されたものです。連合国の軍隊で日本を守っているのだから、解体した日本軍の再生が出来ないようにしておく必要があったのです。たしかに、連合軍が居るのですから日本には武力を保持する必要がないし、戦後の復興には再軍備にお金を回す余裕もありませんでした。
しかし、サンフランシスコ講和条約で日本の独立が認められると米国以外の軍隊は日本を去りました。連合軍が日本を守ってくれないのですから、再軍備を否定している憲法9条を改正する必要があり、政府は憲法改正をすべきであったのです。しかし、日本国民は敗戦で疲弊し、戦争の悲劇を繰り返したくないとの国民感情から改正は困難と判断して、国民を誤魔化そうとしたのです。朝鮮動乱で生まれた警察予備隊が成長した自衛隊の存在を認めるために、個別的自衛権などと詭弁を述べたのです。
連合軍は去りましたが米軍は日米安全条約により居座り続けました。実態は連合軍と同じなので独立したと言っても米国の占領下と同じです。それならば日本憲法もそのままで良いのではないかと政府は現実的に考えたのです。
そのころの私は大学生でしたが、その矛盾に気づいていました。左翼系の学生達は米軍に反発していましたが、私は憲法の改正によって米国から真の独立が出来ると考えていました。しかし、臆病だったのかもしれないが、憲法9条の見直しは戦争に行くかもしれないと逃避していたのです。今の若者も同じ気持ちかもしれません。家内などは憲法改正に絶対反対なのです。息子や孫が戦場で死んでも良いのかと私を非難しますが、憲法改正が正論なのです。集団的自衛権の容認は憲法改正への一里塚です。
島国で平和ボケした日本国民が個別的自衛権などと言う幻想で生きてこれたのは幸せでした。米国の力も弱まり中国の侵略脅威と朝鮮半島有事のことを考えると国防力の強化をせねばなりません。
この回答への補足
やはり、「個別的自衛権」が「幻想」であるとする
ご意見の趣旨がよく理解できません。
個別的自衛権の、外交戦略上の当否というご趣旨なら
意味は理解できますが、
それによって憲法9条の解釈が変わるものではないと思います。
そもそも、No.3の回答では、自衛権に個別も集団も無い
(=自衛権を認めるなら、自動的に集団的自衛権も認める?)
というご趣旨の意見だったように読めたので、
個別的自衛権など無いとおっしゃる根拠について、
追加説明をお願いしたつもりなのですが・・・。
脱線になりますが、「集団的自衛権の容認は憲法改正への一里塚」
というのもよく分かりません。
解釈変更で解決できてしまえば、
(=現行の9条が集団的自衛権の行使を認めているなら)
改正は不要なのではないですか?
No.3
- 回答日時:
自衛権に個別も集団もありません。
このことは国連でも認めている国際的な認識です。連合軍の占領下で制定された憲法は日本が独立国として認められたサンフランシスコ講和条約の後で政府が主導して改正すべきであったのです。しかし、国民の反発を恐れ、それを怠った政府が詭弁を使って国民を誤魔化してきたのです。独立した日本に憲法9条の条文は誤りであるし、従来の政府見解も間違いでした。講和条約以後からずっと間違い状態でした。そのことについて政権を離れた歴代首相は発言する必要はないし、情けないので敢えてしてもらいたいとも思いません。
国民も間違いに気付いていたが個別自衛権と言う響きの良い一国平和主義に逃避していたのです。いわゆる平和ボケです。
この回答への補足
国連憲章51条は
個別的自衛権(right of individual self-defence)と
集団的自衛権(right of collective self-defence)の
両方に言及していますが、
「自衛権に個別も集団もありません。
このことは国連でも認めている国際的な認識です。」
とはどういうことでしょうか?
追加説明を頂ければ幸いです。
No.2
- 回答日時:
第2次安倍内閣になって、初めて憲法改正ではなく、憲法解釈の変更で乗り切ろう!、となったので、
政治家が、外務省出身の内閣法制局局長を寿命が続くだけ送り込めば、内閣法制局の従来の見解を曲げさせることもできる、
ということが証明されただけです。
この回答への補足
おっしゃりたいところはよくわかります。
しかしながら、憲法改正すべきところを、解釈変更で
代替できるのかというところは問題で、
「重要な問題を閣議決定でやるな」という批判は、
この問題に向けられたものなのでしょう。
しかし、同じ「憲法改正を解釈変更で代替できるのか」
という問題に関する、別のレベルの疑問として、
解釈変更なら、従来の解釈はどうなるのか、
という点(および、この点に関する、解釈変更賛成派の整理)
がよく分からないなと思っています。
No.1の方は、合衆国憲法の修正条項を例に挙げておられますが、
あれは、修正条項の付加という方法とはいえ、
所定の手続きで「合衆国憲法」という「法」自体が「修正」
されている点で、解釈変更とは根本的に違うと思います。
別の言い方をすれば、
「在るべき法」が変わったからといって、
当然に、「在る法」が変わるわけではないと思うのです。
合衆国憲法の修正条項は「在る法」を変更していますが、
政府解釈変更だけでは「在る法」の内容はそのままです。
従って、憲法9条という同じ条文について、
正反対の解釈があったということになってしまい、
両者の関係の整理は問題となると思います。
もちろん、No.1の方のように、
時代によって「在る法」の「解釈」が変わるという理解も、
一般論としてはあり得ます。
たとえば、憲法14条などはそうだと言えるかもしれません。
(尊属殺が合憲⇒違憲と変わったとか)
しかし、集団的自衛権もそのように説明できますか?
No.1
- 回答日時:
1 集団的自衛権は行使可能であるとする現政権の立場からすれば、
行使が不可能であるとしていた従来の政府解釈は、
憲法9条の解釈としては「間違い」だということになるのでしょうか?
↑
そうはなりません。
当時としては正しかった、ということになると思われます。
米国憲法は、改正としないで、付け加える形で
実質改正、という方法を採っています。
だから、修正何条、という形式になる訳です。
これと同じです。
解釈は世界情勢などにより、変化するのが当然です。
2 もし、1が「YES(間違い)」であるならば、従来の政府解釈は、以下のどちらですか?
ア:今の目から見れば間違いであるが、当時の社会情勢等を前提とした
解釈としては正しかった。
イ:今の目から見ても間違いであるし、当時としても間違いだった。
↑
これ、1,と矛盾していませんか。
間違いには、客観的間違いと主観的間違いの二種がある
とでもしないとつじつまが合いません。
そうなんですか?
だとすれば、ア、ということになるでしょう。
3 もし、2が「ア(当時としては正解)」であるならば、
「集団的自衛権が行使不可能」が正しかった当時と、「行使可能」が正しい現在とで、
どのような違いがあるのかについて、現政権は何か説明していますか?
↑
中国が原因であることはわかりきっていますが
政治的に、そうは言えないでしょう。
表面的には友好関係を維持している、という
ことになっていますから。
この回答への補足
まず、質問2について補足しますが、
誤解を招かないように修正すれば、次のとおりです。
もし、1が「YES(間違い)」であるならば、
現政権から見て、従来の政府解釈は、以下のどちらですか?
ア:現政権が、現在の社会情勢等を前提として見れば間違い
現政権が、当時の社会情勢等を前提としてみれば正しい。
(当時現政権があれば、行使不可との解釈をしていた)
イ:現政権が、現在の社会情勢等を前提として見ても間違い、
現政権が、当時の社会情勢をぜんていとしてみても間違い。
(当時現政権があれば、行使可能との解釈をしていた)
まぎらわしい質問で申し訳ございませんでした。
さて、3について、「中国が原因」とご回答いただきましたが、
もし可能であれば、より詳細に教えて頂けますか?
仮に、(非常にざっくり言って)
中国の軍事力拡大により、集団的自衛権を行使する必要性が
高まった、というお話だとすれば、
憲法9条は、必要性の高低によって、
集団的自衛権が行使可能であったり行使不可能であったりする、
そういう条文ということなのでしょうか?
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