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刑法の共犯のことで教えて下さい。
65条1項の共犯に共同正犯は含まれるのかという論点がありますが、
これはそもそも何が問題なのですか?

説明にあわせて具体例を挙げて頂ければ助かります。

よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

> 共犯に共同正犯は含まれるのかという論点



 がある刑法規定というと、「身分犯」規定ですか、65条は。たぶんそうだと思います。

> これはそもそも何が問題なのですか?

 分かり易いのは「強姦罪」でしょうね。

 強姦罪そのものの規定では、主体は男です。「女が女を強姦する」ということはないんです。

 しかし、この規定の「共犯」の中に「共同正犯」が含まれるとすると、女が「女を強姦した!」と非難され、強姦罪の正犯として刑務所送りになる可能性が出てきます。

 「女だって男を自分の手足のように使って強姦罪を成立させることもできるのだから、それもしかたないだろう」という考え方もあれば、「いくらなんでも、女が女を強姦した、というのはおかしいだろう。処罰範囲の"拡張のしすぎ"ではないか」と考える人もいて、「この条文の"共犯"に"共同正犯"は含まれるのかどうか」という形で(言い方を一般論に変えて)議論されているというわけです。

 つまり、法律が本来想定した人以外への「刑罰の拡張は是か非か」という問題なのだ、と言ったらいいでしょうか。「刑罰を課す」というのは、どう繕っても人権侵害ですから。


 もちろん、強姦における刑罰(処罰範囲)の拡張だけが問題なのではなりません。

 世の中にはいろんな身分犯(医者など特殊な地位の人だけを対象として定めた犯罪・刑罰)があるので、身分のない人がその犯罪を犯しうるのか、身分のない人にその刑罰を課すことが適切なのかという議論はつきまといます。

 医師法違反で言えば、高い教育を受け、犯罪を思いとどまる力を持った医師に要求される高い倫理的行動を、無学で無教養で無知な素人が実践しなかったからと言って、医師と同じように(正犯として)処罰していいのか!という問題ですね。
 
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