閉管に息を吹き込み振動を与えた場合、その閉管中で定常波ができると言われています。定常波は逆向きに進む2つの波の重なりから生じるものです。弦にできる定常波の場合は、両端で反射して何度も弦上を左右に進む波が生じることにより、定常波が一定時間存在することは理解できます。一方閉管の場合、閉端では音波の反射が起こることはよく分かりますが、開口端でも音波の反射は起こっているのでしょうか。音波にしてみれば、開口端に来たとき、管で囲まれたせせこましい空間から、制限されない広い空間に出る訳なので、その空気の状態が急変するので、反射波が生まれることもなんとなくわかりますが、反射波が生じたとしても、そのエネルギーは反射前に比べ非常に弱くなるように思います。
開管に息を吹き込んでも管内に定常波ができるわけですから、そしてその定常波は進行波と逆進行波との重なりからできるわけですから、そう考えると、開口端で反射波が生じることになりますが、壁に当たって反射するのに比べると、反射で帰ってくるエネルギーは反射前にエネルギーに比べ格段に少なくなっているのじゃないかと、思います。そんな弱い反射波で定常波が生じるのかなぁと私は疑問に思います。
管に息を吹き込むとき、そこの空気に様々な振動数の振動を与えるわけであり、それらの振動数のうち定常波を生じるものだけが残り、定常波を生じない振動は消えてしまうと、私は考えてきましたが、その考えは正しいのでしょうか。
以上の2つの疑問について、お分かりの方がおられましたら、よろしくお願いします。
A 回答 (5件)
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No.1
- 回答日時:
定常波というのは、反射によって作られるものだけを言うのではありません。
(あるかどうかわかりませんが)まったく反射や共振をしない物体(加えた力のままに動く)に、ずっと同じ波形の振動を与えつづけたものも定在波です。
(時間的に変動がないように見える振動はすべて定在波です。)
片閉管の定在波も、片方の振動は反射で作られますが、もう一方は吹き込んだ息によって作り続けられた振動です。
両開管の定在波(たとえば、フルート)に至っては、吹き込んだ息によって作り続けられた振動だけです。
>管に息を吹き込むとき、そこの空気に様々な振動数の振動を
>与えるわけであり、それらの振動数のうち定常波を生じる
>ものだけが残り、定常波を生じない振動は消えてしまうと、
よくわかりませんが違うような気がします。ブランコを他人に揺らしてもらうような場合を考えると、「いろいろな振動が与えられるが、ブランコの固有周期の振動だけが残っている」ようには思えません。
片閉管に息を吹き込んで鳴らすのはけっこう難しくて、息が強すぎても弱すぎてもダメです。ブランコの例と同じように、固有周期の振動を助けるような振動が与えられた時だけ、定常振動ができるように思います。
ご回答、ありがとうございます。
> 「定常波というのは、反射によって作られるものだけを言うのではありません。まったく反射や共振をしない物体(加えた力のままに動く)に、ずっと同じ波形の振動を与えつづけたものも定在波です。」
1次元(直線上)の定常波が生じるためには、必ず逆方向に進む2つの波が重なる必要があると思います。
> 「片閉管に息を吹き込んで鳴らすのはけっこう難しくて、息が強すぎても弱すぎてもダメです。ブランコの例と同じように、固有周期の振動を助けるような振動が与えられた時だけ、定常振動ができるように思います。」
あなたの考えでは、息を吹き込む側が、空気振動の振動数を様々に調節して、閉管の固有振動数に合うような息の吹き込み方ができた時に、初めて管に共鳴音が生じる、ということですね。 なるほど、そうかもしれませんね。
No.2
- 回答日時:
十分な説明はできませんが、要点だけをいくつか。
(1)管の閉じた端(閉端と呼びましょう)だと「反射」が納得できるということですが、それは「空気」と「壁」が大きく性質(密度とか音の伝搬速度とか)が異なるもので、その境界面で反射が起こることは理解できるということですね。
管の開いた端(開端と呼びましょう)であっても、「管の中」と「管の外」とは、性質が異なることは理解できますか? 物理的には「インピーダンスが異なる」というような言い方をします。
「音波にしてみれば、開口端に来たとき、管で囲まれたせせこましい空間から、制限されない広い空間に出る訳なので、その空気の状態が急変するので、反射波が生まれることもなんとなくわかります」と書かれていますので、なんとなくそれは理解されているように思います。
(2)反射の仕方として、「閉端」では音波の節が、「開端」では音波の「腹」が反射します。反射のメカニズムが違いと考えてください。
http://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/2-2-0-0/2-2- …
物理では、「固定端反射」と「自由端反射」ということです。ちょっと分かりやすいサイトがありました。
http://wakariyasui.sakura.ne.jp/p/wave/housoku/k …
http://www.ravco.jp/cat/view.php?cat_id=4808
(3)「反射波が生じたとしても、そのエネルギーは反射前に比べ非常に弱くなるように思います」と書かれていますが、「閉端」(硬い壁)では強く反射し、開端(閉管に比べると「硬さ」が小さい)では弱く反射するということは、必ずしも常に正しいということではありません。どのような反射であるか、ということによります。
(4)現実の現象として、フルートやクラリネットなどの木管楽器、トランペットやトロンボーンなどの金管楽器は、いずれも「開端」構造の楽器です。結構大きな音が出ますよね。
ご回答ありがとうございます。
(2)で紹介していただいた所には次の説明がありました。
「管の口が開いてるのに反射が起こるのは、外気の気圧によるものです。管内の空気が外にもれると管内の気圧が下がり、外気の気圧によって押し戻されます。 」
これは分かりそうで曖昧な説明です。管の外も中も普段は1気圧です。管の中でも音波により空気層が平衡の位置からずれされると、小さな圧力変化が起きて、ずれた空気層に対して復元力が働くため、その空気層は平衡の位置を中心とする単振動に近い振動をするでしょう。その空気層の単振動が隣へ隣へと伝わり、音波が進むと、私は考えます。問題は開口端にその振動が来た時、その出口付近でなにが起こるかということです。だぶん単純な理論では説明できない複雑な状況になるのではないか、と思います。そのあたりを解説していただけるとありがたいのですが。
(3)について
私が開口端での反射波は反射前に比べてエネルギーを減らすと考えるのは、開口端から管の外に逃げていく空気振動(音波)があるだろうと思うからです。反射波は、その外へ逃げて行った分だけエネルギーを減らすはずだと思うからです。
しかし、もし反射波が反射時にエネルギーを減らすならば、振幅が小さくなったその反射波と、開口端に向かう後続の音波との重なりが生じます。振幅の異なる2つの逆向きの波が重なるときには、その2つの波の波長が同じでも、定常波はできないのではないか、と私は思っています。ここらあたりにも疑問があります。
No.3
- 回答日時:
No.2です。
後半に回答していませんでしたね。>管に息を吹き込むとき、そこの空気に様々な振動数の振動を与えるわけであり、それらの振動数のうち定常波を生じるものだけが残り、定常波を生じない振動は消えてしまうと、私は考えてきましたが、その考えは正しいのでしょうか。
正しいです。
いわゆる「共鳴」というものです。
任意の振動数の波が存在しても、閉端で反射するのは閉端部で「節」となる波、開端で反射するのは開端部で「腹」となる波に相当するものだけが、定常波となります。
No.2でも挙げた下記サイトを参照ください。
http://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/2-2-0-0/2-2- …
これは1種類だけの波ではなく、その整数倍の振動数の波も定常波となります。この「整数倍」の波(高調波)がどの程度含まれるかで、その「音色」が決まります。1種類の波では、「正弦波による単音」にしかなりませんが、実際の楽器では様々な「高調波」を含む楽器特有の「音色」を持つことになります。
この回答への補足
> 「任意の振動数の波が存在しても、閉端部で節、開端部で腹となる定常波を作る波だけが、定常波となります。」←一部修正しました。
それ以外の波はどうなるのでしょうか??
それ以外の波も、吹き込み口における振動から生じて、閉端に向かい、そこで反射された後、開口端に戻ってきます。その後にその波がどうなるのかを、私は知りたいのです。
ご回答ありがとうございます。
管に息を吹き込む場合、何かなしに息を吹き込んでいて、予めこの振動数の振動を起こそうと意識して息を吹き込んではいないように思うので、最初は様々な振動数の空気振動が起こっているのだろうと私は想像します。しかし、その後、管の共鳴状態に応じて、息の吹き込み方を調整している(管の固有振動が起こりやすい息の吹き込み方に調整している)のかもしれません。実際、管楽器の演奏の様子を見ると、息の吹き込み方を変えるだけで、高さの異なる音を出したりしているようですから。#1さんの説明にも一理あるようにも思います。
No.4
- 回答日時:
波と言う現象を理解されていないようです。
★これが最大のポイント
>反射で帰ってくるエネルギーは反射前にエネルギーに比べ格段に少なくなっているのじゃないかと、思います。
そのためにこんな誤解が生じる。
波は一方に向かって進むのではありません。波上のある一点が次はどちらを動かすかなんて知る由もない。気体分子ひとつひとつは「脳みそ」なんて持ってないですからね。
波のある一点について考えると、その点は力を受けた方向に本来の位置から移動します。(横波と縦波はその力を受けるほう効が違うだけ)移動すると、元の位置に戻そうという力も働きますね。
バネにぶら下げた錘を想像してみると良いです。下に引くと下に移動すると同時に上向きに戻そうとする力が働きます。手を離すと振動し始めます。
バネを沢山横に並べて
∥ | ∥ ∥
∥ | ∥ ∥
∥ | ∥ ∥
●-|-●-●
●
一つをひっぱると、それに引きづられて左右の錘も引かれる。それぞれの●は単に自分が受けている力に追随して振動するだけで、右に波を進めるとか左に進めるとかの【意識】なんてありません。
そのうえで、開口端と閉口端について考えると、弦を振動させる横波の場合は閉口端側は偏移こそしませんが力は大きく変動しています。開口端側は大きく変異します。縦波と横波は振動方向が異なる。
音波は縦波で粗密波/圧力波で、縦波です。振動を図で表すと
| | | | | | ||| | | |
↓
| | | | | | | | | | | | |
↓
| | ||| | | | | | |||
閉 腹 腹 開口端
口
端 開口端では圧力の変化はありませんが移動量は大きく変化する。閉口端では
移動量は変化しませんが圧力は大きく変化する。
いずれであっても、その隣の流体分子は力を受けますから、「反射で帰ってくるエネルギーは反射前にエネルギーに比べ格段に少なく」ではありません。
>それらの振動数のうち定常波を生じるものだけが残り、定常波を生じない振動は消えてしまうと、
共鳴するときの波形みると、どのような波であれ、開口端閉口端で反射はするのですが、反射した波が重なってしまうと加算され、重ならない場合は打ち消されてしまう。
この回答への補足
Wikipediaの「固有振動」の解説
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BA%E6%9C%89% …
における、閉管内の気柱に関する波動方程式を解いて、閉管内の気柱の固有振動を表す式を導く、記述を見ました。これは理解できます。
しかし、境界条件〔4・10〕の右側の式が、どうして成り立つのかの説明がありません。〔4・10〕の右側の式は、言葉に直すと、開端では定常波の腹ができるということ、言い換えれば、開端では気圧の位置に対する変化量が0であること、を表しています。私がここで問題にしているのは、どうして開端に腹ができるのか??、を掘り下げて説明することです。 Wikipediaの詳しい記述はそれに答えていません。
ご回答ありがとうございます。
説明にいろいろ工夫をしていただき、図解まで入れていただきました。ご苦労に感謝します。
ですが、説明には曖昧な所や不正確な所がいくつか見られると思います。
#4の補足に私の考えを書きました。よろしかったら、ご覧下さい。
No.5
- 回答日時:
No.3です。
「お礼」に書かれたことについて。>実際、管楽器の演奏の様子を見ると、息の吹き込み方を変えるだけで、高さの異なる音を出したりしているようですから。
いいえ。音の高さは、木管楽器であれば「指で穴を塞ぐ」ことによって、金管楽器の場合はバルブ(トランペット)、スライド(トロンボーン)によって、管の長さを変えることで変えています。
ただ、そのままでは開口端の気柱長さの不確定さ(下記のサイトの開口端補正)による音程の「くせ」を修正するため、あるいは「2倍倍音」(音楽では1オクターブ高い音)を出しやすくしたり、逆にオクターブ高い「ひっくり返った音」が出ないようにするため、さらには「音色」の調節のため、息の吹き込み方を変えているのです。
楽器においても、音の高さは、管の長さ、弦の長さで決まる、というのが「原理」です。
なお、定常波に関する疑問点ですが、エネルギーが100%反射すれば、確かに「エネルギーを供給しなくとも定常波が減衰せずに維持される」ことにはなりますが、楽器などの「定常波」は、反射波によるというよりも、常に「発音を続ける」ことによってエネルギーが供給されて維持されているということだと思います。
管楽器で吹くことをやめたり、弦楽器でこする(はじく)ことをやめれば、一定の減衰率ですぐに音は消えて行きます。ギターで響きが残るのは、弦ではなく共鳴胴体からです。
楽器の音のエネルギーは、当然のことながら、外に出て「音として聞こえる」方に多く費やされます。
楽器などの気柱の定常波は、反射によって生じるというよりも、No.1さんのおっしゃるように、「気柱の振動モードに一致した波が増幅され、振動モードに一致しない波は減衰する」ということなのかもしれません。
この回答への補足
管に息を吹き込んだ時様々な振動数の振動が発生し、それらの振動から生じる諸音波はすべて閉端まで進み、そこで反射され、その反射波と後続の入射波との重なりの結果、その閉端には定常波の節が生じます。これはその音波の振動数がどんなものであっても起こることです。
さて、その反射波が開端に戻って来た時、引き続き管口で吹き込まるれ息から発生する、同じ振動数の音波(入射波)と重なる結果、その開端で定常波の節ができる場合、その反射波は開端で反射されずに全部外に出て行ってしまうことになるのではないか、と私は考えました。こうなると、その定常波は強められないため、この振動数の音は聞こえないのだ、と考えたらどうでしょう。開端に戻ってきた反射波が再びこの開端で反射されるためには、開端で定常波の腹ができることが必要である、と考えるのです。そして開端で腹を作るような振動数の音波の 閉端からのと反射波は、開端に来て反射されるとき、そのエネルギーの全部が反射されると考えるのです。この振動数の音波は気柱内を行き来することを繰り返すことになり、それが大きな音となって管から聞こえることになる、と考えると、全体が合理的に理解できるように思います。
さて、以上の考えは正しいのでしょうか??
ご回答ありがとうございます。
> 「音の高さは、木管楽器であれば「指で穴を塞ぐ」ことによって、金管楽器の場合はバルブ(トランペット)、スライド(トロンボーン)によって、管の長さを変えることで変えています。」
管楽器の音程の変化は、管の長さを変えることによるのが基本ですが、トランペットの場合、息の吹き込み方を変えることでも、出る音の音程を変えている、と思います。下のサイトの「指使いと音の出し方」をご覧ください。
http://www.yamaha.co.jp/plus/trumpet/?ln=ja&cn=1 …
> 「ギターで響きが残るのは、弦ではなく共鳴胴体からです。」
ギターで弦を弾いて、その弦の振動を手で止めると、ギターから出る音はすぐに消えます。この事実から、ギターで響きが残るのは、弦の上に定常波が維持されているからであることが分かると思います。
> 「楽器などの気柱の定常波は、反射によって生じるというよりも、No.1さんのおっしゃるように、「気柱の振動モードに一致した波が増幅され、振動モードに一致しない波は減衰する」ということなのかもしれません。」
物理理論によると、気柱に定常波が生じるためには、そこに逆向きに進む2つの音波があることが必要です。気柱に定常波が生じているとしたら、それは反射波があるためだ、と思います。「気柱の振動モード」とは気柱の固有振動と言う意味でしょう。といろいろ考えている中で、私は上の補足のように考えると、この現象がより詳しく理解できるのではないか、と思いつきました。
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