No.1
- 回答日時:
帝都物語以降ではオカルト関連の仕事も多いですね。
一般的にというかマスコミ的にはオカルトが多いです。でも、TOKIOの鉄腕ダッシュでは昔の道具などのコーナーで出てきたりしていて博学の知識がすごい方だと思いました。荒俣先生の作品で私が読んだ本はハワイだったかなを舞台とした話しで楽しめました。まぁあまり小説とか読まないのですが、ふと手に取った作品ですが読み応えがありました。
kyo-moguさん、ご無沙汰しています。
今回は、私が「オカルト」という言葉に拘りすぎていたのかもしれません。
荒俣さんは、胡散臭さとは別次元でオカルトを受け入れてしまうところがあり
オカルトの次元に立脚してそこで見える世界を描こうとする
その結果出てきたものが帝都物語であり沖縄の海の妖怪であったりします
先入観を捨ててて好奇心の赴くままに記述するから、氏の文脈やそういう性向を
知らない人が読めば、「インチキ 怪しげ」という話になるのでしょう。
いや、ありがとうございます。
帝都物語はバブルの始まりのころに世に出て、バブルの熱狂と同一視されて
はかないファンタジーとして忘れ去られたのでしょう。経済の熱狂があそこまで
頂点を極めその後経済を破壊したことを帝都物語はなにか予言するかのような
現れかたをしたとさえ思えます。
ファンタジー、怪奇小説というよりも壮大な教養小説と呼んでもいいであろう
帝都物語は、30代の記憶の中枢をなす小説でした。
当時、世の中はニューエイジサイエンスとかチャネリングとかシャーリーマクレーン
の著作など「まじめなオカルトブーム」でした。オカルトを「怪しげな」の一言で
片付けるにはあまりに不思議なことが立て続けに起こりすぎたという感があります。
そういう純粋なロマンチックなオカルトの夢を唾棄すべき汚辱の淵に貶めたものは
オウム真理教事件であったことは否定できないでしょう。
私と同年生まれの宗教学者島田裕已は、オウムを擁護した発言をしたことで日本女子大
教授の職を追われています。
時代は過ぎ去ったものには冷たいです。そこに懐古を感じる者は、一人で思いでを
温めるしかないのかもしれません。
すみません。お心配りを賜りありがとうございました。
お礼が遅くなってすみませんでした。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
exhivisionist2さん、こんにちは。
私にとって荒俣宏といえば・・・
ロード・ダンセイニ、ウォルター・デ・ラ・メア、アンドレ・メリットの、そしてジョージ・マクドナルドの名作「リリス」の訳者。
というとミもフタもないようなので、フランスを舞台にした『レックス・ムンディ』の著者。まともに影響を受けてしまいました。代表作「帝都物語」は挫折してしまいましたので、大きなことは言えませんが、日本を代表するファンタジー作家の一人だと思います。そもそもめちゃめちゃ取材をして理論武装する薀蓄派の人だと思いますので、ここのところそっちを優先した活動ばかりしていて、今の人から見たら
>胡散臭いオカルト本のライター
扱いも止むを得ず、というところでは?
これほどまでに懐が広い包容力のある自由人が今の若い読者からどういう評価を得ているのか興味があってした質問ですが、お手間をとらせてしまいました。
1980年代の後半、バブル期の地価高騰と東京の地霊平将門が機を一にして現れた
気がして、当時夢中で一気に読破した記憶があります。
その後、仕事がらみで氏に二度ほどお会いして対談の場をお願いしたときも、全く打合せもなくこちらの意図を汲んでその知識の幅のひろさを遺憾なくなく発揮して融通無碍の話題の展開だったのが印象に残っています。
そうですか。ダヴィンチコードの解説を荒俣さんが書いていたのは記憶にありますが自身がレックス・ムンディという作品を書いていたのは迂闊ながらしりませんでした。2000年前後からハリー・ポッターが人気を博す以前から、アイルランドやイングランドのファンタジーを翻訳していたのもやはり時代の感性と興味の方向が同調する能力を感じます。
そもそも世紀末にむけて1980年代後半から盛大な幻想と神秘主義のトレンドがあったような気がします。合理主義と神秘主義という本来直交すべきふたつの
軸がなぜかかなり鋭角に交わるように思えた。そういう時代が1990年代だったように思います。
荒俣宏はそういう時代にあってどこか合理主義と神秘主義を最初からひとつのものとして語っているような雰囲気があって限りなく興味がありました。
さて、3192525さんのご紹介のおかげで正月休みの読書の楽しみが増えました。
団精二がダンセイニからきているのも遅ればせながら知りました。
お礼が遅くなって申し訳ありませんでした。
魚は生臭いものを生臭くなく料理するのが料理人。オカルトも胡散臭くなく知識とロジックで料理するのが荒俣宏の腕。
先達はあらまほしき事なり。おかげさまで自分が何に苛立っていたのかわかりました。ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
私にとっては幻想文学の紹介者ですね。
文庫になって間もない「リリス」を読んだクチです。
氏が博物学の古書にハマっていた頃の紹介本も結構好きです。
近著「喰らう読書術」を読みましたが、
最近の氏の主要関心事は(古)生物学のようですね。
残念ながら読書本としてはイマイチでしたが、
相変わらず好きなことを楽しそうにやっているなと好感しました。
氏のオカルト方面の仕事には興味がないので、
胡散臭いライター的なことをやっているのかは知りませんが、
知らない人には言わせておけばいいんじゃないでしょうか。
BC81さん ご回答ありがとうございます。
そうなんですよね。逆にオカルト(的)な著作を読んでもいないで
眺めただけの人が「胡散臭い」などという。
荒俣宏は水産会社に勤務して魚の図鑑を出すくらい魚には詳しいけど
生臭いことは決して好きではない。
他のお礼にも書きましたが、生臭い魚を美味しく料理するから
料理人。
荒俣宏は思い切り胡散臭く毒もある素材をしっかり食える料理に
仕立てるからすごいのだと思います。
>相変わらず好きなことを楽しそうにやっているなと好感しました。
そうなんです。図体がでかいのに子供みたいに楽しんでいる。
>知らない人には言わせておけばいいんじゃないでしょうか。
そうですよね。私は甘ったれなので、仲間が欲しいのでしょう。
大好きな友達がけなされると我慢できない。
すみません。大人になります。
ご回答ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
exhivisionist2 さん、おはようございます。
この人が小説を書いていたのは知っています。だけど、帝都物語以外は小説というより、オカルトスポットを巡礼した時のエッセイや妖怪伝説のほか百科事典などを書いていたと思いますので、小説家というよりオカルトライターであるととともに博物学者の趣があると思います。
詳細は下記のURLを参照ください。
荒俣宏
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%92%E4%BF%A3% …
ithiさん こんばんは
私がこだわったのは「オカルト」という言葉ではなく「胡散臭い」という貶める形容詞でした。
むしろオカルトに理性の光を与えたのは荒俣宏の功績が大だと思います。
確かに小説は少ないですけど、帝都物語ひとつで凡百の小説をはるかにしのぐ物語世界を
作っています。紫式部は源氏物語ひとつで後世に名を遺したように、荒俣宏は帝都物語で
作家と呼ぶに値する地位を確立していると思います。
ただ、自分の好きなことをやって生きていたいしそれを楽しめる人だから作品で人を楽しませる
ことにあまり関心がないのかもしれません。
1980年代の文化は、2000年以降勢いがなくなったものが多いです。
百貨店に西武というのがあって、そこのコピーライターだった糸井重里
80年代の名コピーに「不思議大好き」
というのがありました。
いまはさしずめ「不思議うさんくさい」
でしょうか。
ご回答ありがとうございました。癒されました。
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