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学生時代に鳥取にある三仏寺に参詣し、投入堂まで登りました。
それ以来あの建物の謎にとても関心があります。
とくに建築方法については、いろいろ調べてみたのですが、イマイチ納得できるものが見つかりません。

建築の専門家の方にお聞きしたいのですが、

1.投入堂は本当に、どのように建てられたのでしょうか?当時において足場はどうやって作ったと思われますか?
2.全体を支える柱は、岩場のくぼみにちょこんとのっているだけのようなのですが、あれで1000年近く大丈夫だったとは。地震や台風だって何度もあったでしょうに。いまだに信じられません。現代の土木技術からみてどのような感想を持たれますか?
3.投入堂もびっくりですが、途中にある鐘楼なども驚異です。あんな大きな鐘を、急斜面で足場もないのに人力でひっぱりあげることは可能なんでしょうか?
4.もし今の技術で同じものを作ることになったら、可能でしょうか?深い山奥で重機やクレーン車が入れないという前提でいかがでしょう?

いろいろ質問してすみません。
どうぞよろしくお願いします。

A 回答 (1件)

同じような興味を持った人がいてCGを駆使して薀蓄を傾けています。


是非一度目を通されることをお勧めします

投入堂 完全解剖【CG】 | Kazz zzaK(+あい。)
kazzzzak.blog74.fc2.com/blog-category-16.html

足場については大正時代の修理の際に使われた足場の写真があります

三徳山を守る会 会報[第10号](PDFファイル1.5MB)
www.pref.tottori.lg.jp/secure/458939/kaiho10.pdf

上記のサイトの本文中の(大正三年に始まった「三徳山三佛寺」の」修理設計書に書かれている事)の記事の添付写真として当時の足場の様子がわかる写真があります。
大正時代には現在のような重機の類はありませんでした。

1.岸壁に張り付くような寺院建築物というのは国内の各地に沢山あります。
海外のものとしては古代中国の石窟寺院などが有名です。
基本的な構想はおそらく中国伝来でしょう。

日本の懸造り
www.geocities.jp/kakezukuri/
各地の事例の紹介や様式を分類しています。

2.日本の古建築と呼ばれる寺院などの木組みには独特の手法があります。
組み上げる際にキチキチに組まずに、わずかに余裕をもたせて、ある意味ではぐらつくように組み上げてあります。
地震などの際に、この余裕部分がずれることで振動を吸収して建物全体が崩壊することを避けるようにしてあります。
上記のCGにも一部紹介されています。
この余裕をどこにどのようにどれだけとるのか、というのが宮大工の腕です。
ガチガチに組み上げて強度だけで地震に耐えようとする西洋建築の考え方とは基本的に異なります
古建築物で釘を使わないというのもこの考え方に基づいたものです。
まぁ~自然と共生する日本人の考え方と、なにがなんでも自然を克服するキリスト教文化圏との考え方の違いでしょう。

「現代の土木技術」とはどういう技術とお考えでしょうか
西洋建築に基づいて作られた建築基準法がトラブルを引き起こしたことがあります。
法隆寺などの解体修理の際に、建築基準法に基づいた構造梁を入れろと役人が言って解体修理が一時中断したことがあります。
現在は柔軟な対応になっています。
五重塔に使われていた技術は近年見直されて高層ビル建築にも積極的に取り入れられています。

明治時代の修理の際に鉄骨が組み込まれているのが見つかり、調べてみたら建物の寿命を短くしてたことが分かったケースもあります。
平成の修理の際に、その鉄骨も歴史遺産の一つと看做して建物への影響が少ないようにして温存したそうです。
日本人は器用なことをやります。

日本建築の特徴は下記のサイトをご参照ください

木造在来構法 - 一般財団法人住総研
www.jusoken.or.jp/pdf_paper/1983/010-03.pdf


3.人手をかけて少しづつ引き上げれば充分可能です。
寺院建築などの場合には完成を目指すだけではなく、作る過程も一つの行事と考える考え方があります。
過程を少しづつ積み上げた結果で建物が出来上がってしまい、もうやることが無くなったという考え方です。
これの思考方法というか物作りの捉え方は、現在の模型マニアにもよく見受けられます。
作る過程が楽しみで、出来上がると余り興味を示しません。
模型マニアがやたらに沢山似たようなものを部屋中に積み上げてあるのはこの為です。
何がなんでも重機を使って納期どうりに作り上げて、できたものを利用するという考え方とは異なります

重量物を移動させる技術というのは古来世界中にあります。
時間と労力(人手)をかければ解決できます。
時代は下りますが、大阪城の石垣の石も半端な大きさではありません。
人力だけで運んできて据え付けて組立ました。
二又とかボウズとか呼ばれる梃の原理を利用した簡易クレーンのようなものは古くからありました。
現在も小型のものは植木屋さんなどが現場で組み立てて使っています

人力による運搬組立て工法の手引 - 日本造園組合連合会
jflc.kir.jp/media/niwa_navi/20120330_1246_33_0706.pdf

4.経済効率がどうの納期がどうのという考え方をしなければ、現在でも充分可能です。
木組みの技術は幸い継承されています。
かつての宮大工の組織をゼネコンの企業体制に組み込んで運営しいる大手ゼネコンが健在です。
薬師寺などの再建や各地の国宝や文化財の修復に大忙しです。
ただ企業経営という観点からは同業他社よりも業績が見劣りします。
今後は経済効率だけが企業の社会的責任ではなくなるでしょうから、将来も大切な会社とされるでしょう

木造建築の解体修理という考え方がキリスト教圏の人々には理解しにくいようで、法隆寺が世界遺産に登録される際にあーだのこーだのと議論が延々と続いたようです。
建て直したものはダメという単純なものの考え方を変えさせるのに苦労したようです。

それにしましてもご質問の投げ入れ堂はアイディアの勝ですね。
一見すれば、人智を超えた力でエイヤと崖に放り上げたとしか見えません。
文字通り神業に見えて、ありがたいお寺として尊崇されたことでしょう。
現代も人々の関心を引き付けています。
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この回答へのお礼

大変遅くなりましてすみません。
詳しく教えていただき、ありがとうございました。

お礼日時:2015/03/27 21:51

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