昭和30年代頃のお酒について調べています。
母から聞いた昭和44年に他界した私の曾祖父の話ですが、晩酌が一番の楽しみで、嬉しそうにニコニコしながら毎日、自家製どぶろく(濁酒)や二級酒のお酒を飲んでいて、父が単身赴任からたまに家に帰ってくる時だけは一級酒が飲めるので更に機嫌を良くしたそうですが、以下が質問です。
1、どぶろくは現在はいわゆる「どぶろく特区」などで例外的に製造することが認められていますが、現在販売されているどぶろくの製造方法や原材料は、昔(例えば昭和30年代)に酒税法上で密造になると思うのですが、自家製で半ば公然と作られていたどぶろくと製造方法や原材料は違いますか?
もし、違うとしたら当時は一般的にどのようにして作られ、また、どのような原材料を使っていたのでしょうか?
私のただの勘ですが、現在販売されているどぶろくは現代人向けに、当時より美味しく作られているんじゃないかな・・・?と思うのですが。
2、上記のとおり、普段は二級酒、父が単身赴任からたまに家に帰ってくる時だけは一級酒を飲んでいたそうなのですが、父に聞くと、当時(昭和30年代に)飲んでいたお酒は現在の清酒ではなく、合成酒だったと言うのです。
清酒ではなく、合成酒にも一級・二級などの級別制度は適用されていたのでしょうか?
私なりに調べてはみたのですが、日本酒の歴史や酒税法の事は想像以上に奥が深く、わかりませんでした。
おわかりになる方、どうぞご教示の程、よろしくお願いいたします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>自家製で半ば公然と作られていたどぶろくと製造方法や原材料は違いますか?
どぶろく特区のどぶろくは清酒の製造法とまったく同一で違いは発酵したもろみを搾らないだけです。昔の密造どぶろくは桶に麹(普通に売られていた)にご飯、水を混ぜて冷所に置くと自然発酵で酒になります。品質は現代人が飲めば吐き出すかもしれません。ちょうどいい時に飲めば甘酸っぱくおいしいかもしれません。どぶろく名人の秘密は仕込み桶にたまたまいい酵母が棲みついていたからでしょう。
清酒との大きな違いは精米にあります。どぶろくは飯米です。この程度では酒が臭くなります。清酒は70%精米(30%が糠)で大吟醸は50%精米と糠分を除去しています。発酵温度も低温で長期間です。酵母は長年改良選択してきた優秀な純粋酵母を使います。天然の酵母は臭いがひどく酸っぱくまともなものはめったにありません。
>当時(昭和30年代に)飲んでいたお酒は現在の清酒ではなく、合成酒だったと言うのです。
合成酒は清酒とは別物です。清酒に似せて調合した(合成)酒です。別名理研酒で東大の研究です。原料はアルコール(エチル)、ブドウ糖、水あめ、有機酸、アミノ酸(味の素)、清酒(ごくわずか、香味つけ)、着色料などです。合成酒には級別はありません。30年代一般的には広く飲まれていました。清酒は2級といえど高価だったのです。当時1級酒を飲むというのは都会のお金持ちです。特級を飲むのはセレブでした。
昭和30~60年代のウイスキーも今のようなオールモルト比率が高いものでなく、2級酒は原酒(グレンウイスキーでも可)比率5%、1級酒7%、特級酒ですら13%以上と酒税法で規定され色つき焼酎と言われたものです。清酒に比べて格段に酷いものでした。当時スコッチだけがモルトウイスキーとグレンウイスキーのブレンディッドウイスキーだったのです。ついでに、酒税法のウイスキー原酒は樽貯蔵しなくてもよいのです。スコッチは3年以上。不当な扱いにスコッチからクレームが長年にわったってきていた。
清酒は某ウイスキーの宣伝工作員開高健により不当に貶められたのです。上記のウイスキーの規格をみればよくわかるでしょう。三増酒を攻撃し清酒は三増酒だと思わせる書きぶりが開高の卑しい筆致で強調されました。特に文化人といわれる公正な物の見方のできない連中が悪宣伝を広げ安ウイスキーを飲んでいました。清酒は三増酒として製造できるのは当局の指導で23%しかなく、三増酒単独で売られていた酒はありません。普通酒とブレンドされていました。具体的にはアルコールの由来は60%が米、残りがアルコールです。原酒割合は60%で日本のウイスイキーよりはるかに高いのです。
級別を悪の制度と言ってはばからない人ばかりですが、たとえ同じ原料のものでも酒の出来栄えは1本1本違うものです。級別審査の官能評価で合格とされたもの品質保証が付いたわけででたらめに審査していたのとは違います。無知蒙昧な文化人は人の官能はウソをつくからと大ウソ(官能審査という科学的手法を否定)をうそぶいて大衆を惑わしてきたのです。なお、級別ではアルコール分が0.5度ずつ違っていました。今はアルコール分の基準は21度未満です。
No.3
- 回答日時:
1.なかなか難しい話ですね。
さすがに原材料は大差ないと思いますが、うちの祖母によれば、村にどぶろく名人的な人がおり、その人の作るどぶろくは格別であったとのこと。飲みやすさなどは技術的な改善があるかと思いますが、味についてはかなり幅があったのではないかと思われます。
2.かつて日本酒離れを加速させた悪しき三倍増醸酒の話かと思われます。要は絞る前の醪(もろみ)にアルコールを混ぜてかさ増しした日本酒です。
合成酒と言ってしまえば他にもあるのですけれど、流れ的にはこのことじゃないかと。
で、かつての日本酒の級別制度ですけれど、そこでは純米酒かどうかは問われていません。
というか、ほとんご形骸化した制度であったというのが現在の評価です。
なぜなら審査に出さない酒は全て「2級」とされ、出したお酒はほぼ自動的に「特級」か「1級」とされたからです。そして酒税は上のランクほど高くなる。
つまり、「高いお酒」は「酒税が高い」というだけであり、事実上その質を保証するものでは無かったんです。
実際、良心的な蔵は敢えて審査に出さず、2級酒として旨い酒を出すという事態が多発し、最終的には無意味な制度だということで廃止となりました。
しかしこういう話はグルメブームが来る前の庶民には全く関心のないものであり、
特級酒や一級酒をありがたがって飲む、という状況だったわけです。
そういう意味で、お父様が言うことはまさにその通りだったのかもしれません。
(もちろん一級の中に良いお酒もあったろうとは思いますけどね)
でもまあ、「特別な時にちょっと贅沢をする」というのは今も昔も同じで気持ちの問題ですから、例えそれが値段に見合わないシロモノだったとしても、いい時代のいい話だと思いますよ。
ご回答頂きありがとうございました。
どぶろくについては、確かに作る人によって大きな幅があったと思います。
ひいじいちゃんが作って飲んでいたどぶろくを一度でいいから味見してみたかったです。
No.2
- 回答日時:
酒好きで昔調べました。
確か日本酒の等級制度自体始まったのは1940か昭和40年だったような?因みに合成酒に等級は無いので、どぶろくとそれを濾した酒と市販の清酒をどぶろく、二級、一級みたいに使っていたのではないでしょうか?逆に清酒にも一級、二級の区別がなかった時代のようですし。
どぶろくについてですが、当時と一番違うのは精米技術です。当時は玄米や八分付きや五分付きのような米や割れ米や屑米を使っていたようです。今のどぶろくより臭みや癖が強かったのでは?現在の市販品は甘さや癖を薄める為に殆どの商品に酒造アルコールが添加されています。当時のどぶろくは、精米技術や酵母技術が低いので、アルコール度数も低く悪酔いしたと思います。私は何度かどぶろく作りに挑戦しましたが、人に自慢出来るようなどぶろくはまだ作れていません。最後にどぶろく作りはアルコール度数が1%未満?位だったら酒造ではなくあくまでも甘酒作りになるので全く違法ではありません。甘酒を放置したり、仕込み時に砂糖を添加するとアルコール度数が上がりますが、意図的にアルコール度数を上げない限りグレーゾーンです。お店で出したり、不特定多数の人に飲ませ無ければあくまでもグレーゾーンですが昔ほど気にしなくても良いかも?あくまでも個人的な感想です。どぶろく酒造の本は探すと沢山出版されています。炊いた余りの冷やご飯と米麹と水があればそこそこ美味しいどぶろくが作れますよ~(^o^)手間はかかりますが、、、
ご回答頂きありがとうございました。
日本酒の級別制度ができたのは、戦時中のようですね。
ただ、どぶろくにしても清酒にしても当時は現在のような酒造のための米(山田錦など)がなかった時代だと思いますので、味がだいぶ違うんだろうな〜と想像してます。
No.1
- 回答日時:
サントリー(ニッカ)の創業時を記したビジネス系の本を参考に。
主に洋酒に関してですが、日本酒に関してもほぼ同じ感じ。
戦後に、お酒の製造法の基準が、かなり甘くなりました。
戦中、戦後、工業用のアルコール(メチルアルコール)を混ぜたお酒かなり流通していたみたいです。運が悪ければ失明を覚悟してまで飲む人もいたそうで、、
とうもろこしを原料にしたら、原価は安くなります。
一級、特級は、審査基準を満たさないと名乗れませんから、まずまともなお酒。
それ以外はオール二級酒ですから、ここに質の悪い酒が混じってた可能性があります。
ご回答頂きありがとうございました。
私も日本酒の事を調べて初めて知ったのですが、日本でも戦中・戦後などの米不足の時代は回答者様のおっしゃるとおり工業用アルコールが流通してたみたいですね。インドなどの遠い外国の話…とばかり思っていたので、ビックリでした!
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