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九日ぞ、人々出だしてたてしかば、泣く泣く参りたれば、あやにくに音する人もなく、静かなり。近くさぶらひける人は、日ごろにいたく困じにければ、うち臥しやすむにや、ただおのがどち、忍びやかにうち群れゐたれど、物言う声もせず。まして、つつましう恥づかしければ、晴るる方もなくて出でぬ。折節なきその匂ひなど失ひてぞ、御忌みのころ、しばしさぶらひし。先々はもとあるをとり捨てて、小さきを植ゑられし萩、女郎花、わがままに所得て、縁の上まで咲きこぼれたる盛りさへ恨めし。
露消ゆる憂き世に秋の女郎花事しも知らぬ色ぞ悲しき
それより、女郎花のうとましきこそ、あいなけれ。
常陸とて、いと若きが、近く馴れ仕うまつりし、ことわりと言ひながら、え堪ふまじき気色なり。通るとて、髪のすそを見て、「これは御手のままな」とて、やがて押しあてて、うつぶし臥したるに、いとど忍びがたし。
忘られぬその面影に恋ひわびて、わが黒髪を形見とや見ん
心に余ることをも、おのづからうち語らふ人もなし。幼くよりさぶらひしかば、よろしき日は、かならず削がせ給ふ。何事にか、御はばかりありし折、「若き人々の髪削がざらん、口惜し」とて、「武蔵の中将に削がせよ」とて、人々召し出でしに、みな参りしかど、さることもなかりしを、はばかるよし申して、出でざりしなどを、のちには御心にかなひけると見えし御気色などまで、忘れがたきに、ましていかに思ふらんとあはれなり。そのほど過ごさず、法華堂に参りて背き捨ててしこそ、なほ近う召し使ひけるも、人にはことなりけりとおぼえしか。二十二とかやぞ聞きし。

A 回答 (1件)

『たまきはる』作者は藤原定家の姉です。



9日に、周りのものが出発を強要するので、泣く泣く行ってみると、おかしな事に人の気配もなく、し~んとしている。身近なメイドはこのところ疲れ気味で寝てるのかしら、ただお互いにひっそりと群がって座っているが、声を立てるものは誰もいない。まして、こっちは

ああしんど、残りは後で、気が向いたら。
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