100年前なら神や宗教、人間の心みたいな部分は直観的な哲学に頼るしかなかったから哲学者による研究が第一だったと思いますが、現代では神や宗教という概念すら科学的に発生原理がおおよそ理解されてきてしまっています。
つまり、これを哲学的に論じようとするならば、その科学的側面を具体的に理解したうえで「それは間違ってる可能性がある」として新たな命題を出していく必要がありますが、普通の人がその科学的側面を把握するのは非常に難しい。
結果、科学的側面を無視したうえで論ずるしかなくなってしまってるただの哲学好きが大半で、それは哲学ではなくただの「無知の思い込み」にしかならないと思います。
よって、極めて博識な哲学者でもない限り、現在では哲学から研究するというのは難しいのではないかと思うのです。
もちろんあらゆる学問に哲学的な考え方は必要であることはわかっています。
しかしそれはそれぞれの分野で哲学を用いてるのであって、哲学者が何かを論じているのではないです。
そんな現代でも、「哲学者」と呼べる人はどのぐらい居るのでしょうか?
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
今の哲学って「へ理屈」との違いは有りますか?
数学・物理学・化学・天文学・地学・論理学・宇宙論・生物学・・・、これ等は哲学から分離・独立した分野です。
それらが独立して抜けて行った今の哲学には何が残っているのでしょうか。
現代原子物理学、数学の一端を担った、ラザフォード、ボーア、リンデマンは哲学科出身です。
数学科、物理学科は無かった。全てが哲学科に属していた。
僅か、百年位前の話です。
No.10
- 回答日時:
科学や神学が、哲学から分かれたのは、それぞれの都合です。
要は、哲学が厳密すぎるので、その中では、先に進めないから分かれたわけです。
数学は、形式科学として、その形式で完結する方法へ進みました。(数学の形式としては、根本原因は公理として定義されたものだけに限定したわけです)
科学は、「現象」の分析・解釈・法則化だけに特化して、根本原因は不明でも研究が可能なようにしました。
神学は、「神」の存在はアプリオリな事実として、その存在を証明する事は不要としたわけです。(哲学から、分離した直後は、「神」の存在証明などの継続はありましたが、現在は主流ではありません)
つまり、それぞれが、解明する事をやめた事が哲学には残っています。
また、倫理学などは、哲学としては、主要な分野ですね。
形而上学的な内容も、少なくとも科学は扱わないでしょう。(科学者が、思想として述べる事はあっても、それは科学ではありません)
哲学的に重要な成果を成した人は、歴史的にも少ないわけです。
哲学者自体は、どの時代でも、一定数はいたはずですし、現在もある程度はいるでしょう。
ただし、独自の哲学的言説を提示する代表的な人物は、現在は少ないのは確かですね。
哲学研究の主流がアメリカに移ったのも原因かもしれません。
どちらかと言うと、実学的な哲学者の方が目立っている傾向はあると思います。(こうなると、社会科学との区別が難しくなります)
No.9
- 回答日時:
現代社会を生きるのに、哲学や思想は不要だ。
かつて社会性(分業化・組織化)が未熟で、人類の生存単位が
個人(ないし個人を維持するためのファミリー)であった時、
人は生きる上で、個人の感受に基づく個人の判断が基準だった。
しかし社会化が発達するにつれ、自己中心的な個人の意識と、
生きるために求められる社会行動との間にギャップを生じ、
そうした自己チューな意識をして社会行動をとらせるための
“馬車馬の目の前のニンジン”たる、他律的な価値や権威=法規
やモラル、お金や出世といったものを発達させたのだ。
そうした「馬車馬の目の前のニンジン」に短絡的に反応する事
(疑似衝動)で、結果的に(無意識に)社会行動をとらされる
(意識としては弱肉強食の競争をしながら、結果的に助け合う)
ようになったのだ。
無意識に生かされている歯車に、環境との独自の相互作用による
自律的判断(思想や哲学)は無用だ(せいぜい、このサイトに
多い、自己顕示のためのアクセサリー)。
それはちょうど原始海水中で、単細胞生物として独立して環境と
対応し、自律的に生きていたものが、進化において多細胞生物と
して集合した結果、個々の細胞は環境と無関係に神経やホルモン
に対して条件反射的に単一のアクションをするようになった事に
似ている(一個の細胞としては、単細胞生物の方が高度に発達
している)。
こうした「集合による退化による組織的進化」は、多細胞生物
自身にも起きている。
人類は脳を発達させて、生後の経験の学習によって行動を個人毎
に多様化させ、分業化=社会性を発達させたのに対し、蟻や蜂は、
遺伝的に先天的に個体の多様性を生じ、本能的な反射行動により
社会行動を可能にしている。
同じ「社会生命」でも、脳による「ヒト型進化」と、遺伝子によ
る「アリ型進化」があり、それらのどちらかが優れている訳では
ない事は、どちらも自然界に存続している事で証明されている。
しかし先に述べたように、「ヒト型進化」の旗手である人類自身
が今、その社会性の発達において、お金や出世といった「馬車馬
の目の前のニンジン」=疑似本能によって他律的に操られる
「アリ型進化」へと進路変更したのだ。
先に「どちらも優劣はない」と言ったが、人類(意識)において
は、1つ大きな違いがある。
脳の発達による「自律的な生」とは、自己の生存のための必要を
認識し、自らの意志によって社会行動をとる=生きること自体に
よって意志が充足されるのに対し、「他律的な生」とは、お金や
出世といった外的な価値のためにガマンする=お金を稼ぐために
イヤイヤ働かされる(苦痛による生)に変質するのだ。
意識において選択するならどちらであるかは自明だが、人類は
既に、そうした「選択」自体を、生産性や効率性(経済指標)
といった「見えざる手」に委ねてしまっており、個人の意識は
どんどん日和見・親方日の丸な依頼心の強い幼児化している。
近代工業化&資本主義社会化において、「アリ型進化」に舵を
きってだいぶ経ち、もはや「ヒト型進化」に戻す事は不可能かも
知れない。
しかし、人の生きる目的が「物質的豊かさ」ではなく「精神的な
幸福感」であるならば、自律的生への回帰=自己の生命の社会的
拡張を把握できる認識の発達(社会生命的自覚)による、自律的
社会行動(愛=助け合いとしての労働)を可能にせねばならない。
その「より深い環境認識(幸福感の質)」と「生きること自体に
よる充足(幸福感の量)」が達成され、真の生きる目的である
「精神的な幸福感」の最大化は可能になるのだ。
No.8
- 回答日時:
直観的な哲学に頼るしかなかったから
↑
西洋哲学は理論の積みかさねですよ。
その理論が、科学的でない場合が多かった、という
だけです。
直感的なのは東洋哲学でしょう。
科学的側面を無視したうえで論ずるしかなくなってしまってる
ただの哲学好きが大半で、
↑
これは間違っています。
哲学ほど科学に踊らされたモノはありません。
エントロピーの法則が打ち出されるや、
それに沿った哲学が誕生しました。
文化人類学が進歩したら、構造主義が誕生しました。
科学的側面を無視したうえで論ずるしかなくなってしまってる
ただの哲学好きが大半で、それは哲学ではなくただの
「無知の思い込み」にしかならないと思います。
↑
哲学は科学を無視していません。
科学も万能ではないので、その隙間に巣くっている
のが現代哲学です。
哲学そのものが科学と密接な関係であることはわかっています。
それを「人」が実際に行うのが現代では困難というのが論点です。
それぞれの専門分野の科学者が哲学的視点を持っていることはあっても、哲学者が何かを論ずることは難しい。
No.7
- 回答日時:
>100年前なら神や宗教、人間の心みたいな部分は直観的な哲学に頼るしかなかったから哲学者による研究が第一だった
面白い問いですが、最初に少し整理が必要だと思いました。100年前というより、400年くらい前(17世紀)のことでしょう。宗教改革によって宗教の権威が失墜し、同時にニュートン的な科学の道筋も示され、哲学が注目されました。ただしこの時の哲学は、神や抽象観念を考えるという意味での形而上学のお話でした。ですので、今日的な哲学から見ると、神秘主義思想なのかな?と思えるところは多分に残っています。近代哲学は18世紀末カントからです。
哲学が学問として深く信頼されたのは19世紀から20世紀にかけてのことです。そしておっしゃるように、近年においては、科学者の述べることが哲学の領域に食い込んでいます。生物の発生とはいかなるものか、我々はどこから来てどこにいくのか。これらの問いについて、哲学者が答えても、空想の世界だと鼻で笑う人もいることでしょう。しかし役割が変わったのではあります。
>結果、科学的側面を無視したうえで論ずるしかなくなってしまってるただの哲学好きが大半で、それは哲学ではなくただの「無知の思い込み」にしかならないと思います。
ここがポイントだと思います。このように質問者さんが書く大前提は、科学の説得力をそのまま信じているということがあります。しかしどうでしょうか。例えば優生思想に基づけば、劣等遺伝子を廃絶することはあたかも理にかなっているかのように思えて来ます。しかし現実的に、そこまで理想的な遺伝子はありません。またヒトラーのユダヤ人狩りみたいなことになります。さらに私が議論した限りだと、科学者の方も、劣等遺伝子を廃絶するべきと言うような「劣等」を定義する明確な基準はないとのことでした。
科学者の言っていることは説得力がありますが、それで社会が回るわけではありません。あるいは個人の人権が尊重されるわけでもありません。科学者の言っていることに距離を置かないと、うまくいかないことも多いのです。こうした距離を置こうとする時、解釈を転換する発想が必要になります。例えば「劣っているというが、それは判定基準によりけりだ」と切り返すとか、「劣っていても生きていて悪いはずは全くないはずだ」と居直るとか。こうしたところで、哲学の出番があると思います。
>極めて博識な哲学者でもない限り、
そうとも言えますが、インターネットが普及した時代、調べることも容易になりました。私の周囲での割合でしかありませんが、上のような形で切り返していける強い「哲学」を持っている人は4割くらいでしょうか。一方で、プロとしてそれで文筆業をやっているような哲学者は誰なのかと言われると、近代批判を展開している人たちの名前を挙げていけばいいでしょう。
>しかしそれはそれぞれの分野で哲学を用いてるのであって、哲学者が何かを論じているのではないです。
確かに、こういう流れもあります。生命倫理専門の哲学者、環境問題に特化した哲学者、などなど。ただやはり科学者が哲学をにわか勉強したのと、哲学の学位がある専門家が言うのだと、天と地の差があると私には思えるのです。
>このように質問者さんが書く大前提は、科学の説得力をそのまま信じているということがあります。
そうではありません。
「科学的立証Aを知ったうえで否定する持論Bを述べる」のと
「科学的な知識がまったく無い人が持論Bを述べる」のは別物だということです。
たしかに「優劣」に関しては科学で介入できない分野だと思います。
ただ、それだと「倫理学」の分野になるのではないかと。
倫理学の世界はそもそも哲学的な思考が基本なので、同じとも言えるかもしれませんが。
No.6
- 回答日時:
「極めて博識な哲学者でもない限り、現在では哲学から研究するというのは難しい」
↑
この箇所以外は、「同感」
世界に、絶滅する種があるように、
所謂、「哲学者」とは、存在出来なくなっていると思います。
「もういません。」
「それはそれぞれの分野で哲学を用いてるのであって、哲学者が何かを論じているのではないです。」
↑
完全同意
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