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北原白秋の月の光に出てくる白楊とはどんな意味があるのですか?なぜはくようとよまないのですか?

質問者からの補足コメント

  • 白楊ーポピユラ

      補足日時:2017/05/31 22:14

A 回答 (1件)

『邪宗門』の『月の出』でしょう。



「白楊」は中国名で、「ポピュラ」と読ませるのは当て字です。
ほかの読み方に当てて振り仮名を振ってある例もあります。

ポプラというのはヤナギ科の樹木で、
ポプラ属の樹木の名前はかなりわかりにくいです。

日本に自生するポプラ属の樹木には、
ヤマナラシ(別名・ハコヤナギ)、ドロノキ、
チョウセンヤマナラシなどがあります。
外来種を「ポプラ」と呼びますが、
日本種の名称を使ったセイヨウハコヤナギ、
イタリアヤマナラシなどの別名もあります。
そのため、「白楊」と書いてこれらのすべての読み方に当てます。

ハクヨウ ハコヤナギ ポプラ ヤナギ ドロ ヤマナラシ他の読み方
https://furigana.info/w/%E7%99%BD%E6%A5%8A

「楊」のつくりの部分「昜」は、
太陽が昇ることを表した象形文字が起源で、
「楊」は「枝が上へ伸びていく樹木」を意味します。
「白楊」という漢字は、上で見たようにいろいろな読み方に当てますが、
本来は日本語でいう「ギンドロ」という種類のポプラ属の樹木を指します。
「白」の字がついているのは、
この「ギンドロ」の葉の裏に白毛が生えていて白っぽく見えるからです。
そのため、別名を「ウラジロハコヤナギ(裏白箱柳)」ともいいます。
ホワイトポプラとも呼ばれます。

ギンドロ
http://www.weblio.jp/content/Populus+alba

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9 …

「黒楊」という中国名もあり、これはヨーロッパクロポプラを指します。

日本では、このような種類の違いをあまり意識せずに「白楊」の字を使ったので、
読み方もバラバラです。

北原白秋の『邪宗門』では、「はくよう」と読ませる例が一番多く、
「やまならし」と読ませている例もあります。

『下枝のゆらぎ』の例
日はさしぬ、白楊(はくよう)の梢に赤く

『冷めがたの印象』の例
絶えず眩く白楊(やまならし)、遂に疲れて

白秋が、これらの樹木の種類の違いを意識して
読み方を変えていたかどうかはわかりませんが、
『月の出』の詩の場合は、月の光との連想で、
葉裏が白いポプラの意味で特にそう読ませた可能性はあります。
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この回答へのお礼

凄くわかりやすく説明していただき、ありがとうございました。スッキリしました。

お礼日時:2017/06/01 13:35

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