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「愛情相続 遺言編」 江頭寛 著 という書籍で普通方式の遺言に
「自筆証書遺言」と 「公正証書遺言」があることを知りました。
自筆証書遺言の適否は別問題として、とりあえず作成しやすく費用もかからない
というメリットがあるように思いました。
(検認手続きが必要で手間がかかる、というデメリットもあるようです)
ただし、模範例では
「本遺言の執行者として次の者を指定する。
住所 ::::::::::::::::::
弁護士 〇〇〇〇 」
という部分があります。
弁護士を指定する以上、事前に当該弁護士にそういう遺言がある旨を
伝え、それなりの費用が発生するのが普通ではないかと素人なりに
思うのですが、自筆証書遺言というものは、そういう手続きは必要なく
個人で手書きで書いて、個人でどこかに保管し、当該弁護士にも何も告げず
費用も全くかからないものなのでしょうか。
そうであれば、本格的な遺言などまだまだ作成する気になれない人は
想定外に備えて、とりあえず自筆証書遺言なら作成しやすいと思うのですが
如何なものでしょうか?
どなたかご教示いただければ幸甚です。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
公正証書遺言を作るにはちょっと時間がかかったりします(内容に工夫のない遺言であればわざわざ公正証書にする意味も乏しい)ので,それまでのつなぎとして,自筆証書遺言を作っておくというのはアリだと思います。
特に遺言者が病床にあるような場合には,公正証書にする前に本人が亡くなってしまうこともありえます。残された人に遺志を伝える意味においても,保険としてそのようにしておくといいかもしれません。ただし,自筆証書遺言は,見つからなければ意味がありません(公正証書遺言であれば,公証役場に依頼すると検索してくれますので発見の可能性が高まります)。その後の検認の手続きの依頼までも視野に入れて,保管を弁護士に頼むという方法もあるでしょう。
また,遺言執行者に弁護士を指定するに際しては,できればその弁護士にその旨を伝えておいたほうがいいですが,それは要件ではありません。遺言の検認後に,その弁護士に相当の期間を定めて就職の催促を行い,その期間内に断ってこなければ遺言執行者に就職したものと判断されることになっています(民法1008条)。
ただし,弁護士が遺言執行者に就職する場合には報酬を求められます。遺言で報酬が定められていない場合には,弁護士が家庭裁判所に報酬付与の申し立てを行い,そこで定められた額をその弁護士に支払うことになるでしょう(民法1008条)。遺言執行者への就職は「報酬が発生する仕事」なので,弁護士も,特段の事情がない限りは断らないのではないでしょうか。
ただ,遺言執行者は弁護士に限られません。遺産を相続する人や遺贈を受ける人にしておくと,その人だけで(他の相続人の協力を得ることなく)遺言の執行ができるので便利です。法的に難しいことがないのであれば,弁護士にする必要もないと思います。
なお,公正証書遺言ではない遺言の保管者は,相続の開始(遺言者の死亡)を知った後,遅滞なく遺言を家庭裁判所に提出して検認を請求しなければならないものとされており(民法1004条1項,2項),この提出を怠り,検認をせずに遺言の執行をし,または裁判所外でその開封をしてしまうと,5万円以下の過料に処せられることになっています(民法1005条)。相続人全員の同意があるからと検認をせずに遺言の開封や執行をすると。この1005条違反になります。また,未検認の遺言では不動産や預金の相続はできません。「検認なんてしなくてもいい」というのは間違いです。
回答ありがとうございます。
大変勉強になりました。
重ねて御礼申し上げます。
参考までにできれば一点だけ質問させてください。
弁護士が何某かの仕事を引き受けるとき、「就職」という
表現を使うのでしょうか。
上記の文章でそのように表現されているので、
本来の「就職」の意味からして違和感を持ちました。
弁護士の世界ではそういうものなのでしょうか?
ご教示いただければ幸甚です。
No.3
- 回答日時:
弁護士を指定する以上、事前に当該弁護士にそういう遺言がある旨を
伝え、それなりの費用が発生するのが普通ではないかと素人なりに
思うのですが
↑
勿論ですが、その通りです。
ただ、遺言執行者は配偶者でも良いですよ。
財産や相続人が複雑で、専門家でないと、
という場合を除いては、嫁さんを指定しても
構いません。
本格的な遺言などまだまだ作成する気になれない人は
想定外に備えて、とりあえず自筆証書遺言なら作成しやすいと思うのですが
如何なものでしょうか?
↑
財産関係や相続人が複雑で無ければ
とりあえず遺言、というのがありますので
それをお勧めします。
http://www.office-motomiya.com/igonn/quick_igon. …
No.2
- 回答日時:
その通りです。
書式は基本的に自由です。
ただし、遺言者の遺志を間違いなく確実に相続人に伝えるという使命を果たす必要があり、そうなるとある程度定型的な書式になっていくということでしょう。
また遺言書を作った事実を誰も知らなかったり、その所在が分からないと、そもそも遺言書を作った意味がなくなるし、また作成日が異なる遺言書が複数出てくると後々トラブルのもとになるので、やはり保存管理にはそれなりの配慮が必要です。
公正証書遺言なら書いある中身について疑義がない(しかしその内容に相続人全員が納得するかどうかは別問題ですが)ものの、仮に形式を満たしていない自筆遺言であったとしても、相続人がその内容に納得さえすれば何ら問題はないわけで、
要するに遺言書の形式がどうかということより、遺言の内容と相続人間の人間関係次第の部分が大きいと思います。
そういう意味では、遺言書に頼るよりも生前から相続人に口頭でしっかり伝え、各人の合意を得ておくに越したことはありません。
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