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いわゆる柔構造について教えてください。
柔らかいと地震に強くなる理由は何なのでしょうか。
素人的に考えて、柔らかいと余計に揺れて危険なような気がするのですが。
又、柔構造の建物には軟鋼が使われているのでしょうか。

A 回答 (5件)

#4です。


#4の回答に不正確な回答があったので補足します。

>地震の振動に共振しない柔構造の建物の揺れ方というのは、地面に近い下の階ほど大きく揺れて、上の階ほど揺れ方が小さくなる・・・のでしょうか。

これに対して間違っていると書いたのですが、これは訂正します。

#4で書いた記述は座標系を地盤上においた場合(地盤上に立っている人の視点)の回答としては正しいのですが、座標系の取り方(例えば飛行機から見た場合)によっては質問者のいうように、建物の頂部は動かず、地盤や地盤に近い下層階が大きく動くように見えることもあります。

但しこれは十分長周期化した場合で、現実的にはこれほど長周期化した建物はほとんどないと思います。
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#3です。

補足に対する回答します。

>堅いと加速度は大きくなるというお話ですが、
堅ければ堅いほど、建物最上階の加速度は地上の加速度に近づいていくのでは、と思います。

これは正しいです。ものすごく固い物は剛体と呼び(現実的には存在しませんが、理想的に全く変形しない物をこういいます)、建物が剛体と仮定できるときは、地盤に強固に結合されていれば、地盤と建物(剛体)はおなじ加速度・変位をします。
実はこれが究極の剛構造です。実際はこのように造るには相当強度のある材料を大量に使えば、かなり近づけます。現実的な解決法ではありませんが。

>柔らかいと、建物がしなるので最上階の加速度は地上の加速度より大きくなるのではないかと思うのですが違いますでしょうか。

これは間違っています。周期が同じならば変位が大きくなれば加速度も大きくなるのですが、、加速度と変位の関係は周期によっても変わります。
実際の地震波は複雑ですので一概にはいえないのですが、単純化して同じ振幅の正弦波で揺れる場合、加速度は建物の揺れる周期の2乗に反比例します。
すなわち長周期の構造物ほど同じ変位でも加速度は小さくなるのです。この影響が大きいのでゆっくりと揺れる物は加速度は小さくなります。

>地震の振動に共振しない柔構造の建物の揺れ方というのは、地面に近い下の階ほど大きく揺れて、上の階ほど揺れ方が小さくなる・・・のでしょうか。

これも間違っています。
水平応答の方が説明しやすいので水平方向の振動をイメージしてください。
基本的に建物は剛体でないのですが単純化のため床の部分は剛体と仮定すると、変形するのは柱(壁)となります)。
基礎が強固に地盤に固定されているとするとし、基礎も剛体と仮定すると1階の振動は地盤と同じ、2階の振動は1階の柱の変形量で決まります。3階の振動は1階と2階の柱の変形量の足しあわせになります。4階は1~3階柱の合計となります。
このように上階の方が振動が足しあわされるので、大きくなります。
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柔構造が地震に強いと言われていますが、柔らかく造ればよいというのは間違いです。



また柔構造を採用した建物には柔らかい鋼材が使われているというのも間違いです。
材料的には同じか強度の高いものを採用しています。これは積載荷重や建物の自重が高層になればそれだけ大きくなるからです。

柔剛構造の比較(その1)
建築の構造を剛構造と柔構造に区分は地震の力をどう対処するかの考え方によります。

剛構造は固く造られていますので、あまり変形しませが、その代わり加速度が大きくなります。柔構造は柔らかく、大きく変形します(なお、加速度が大きいと衝撃も大きくなります)。
すなわち、地震のエネルギーを加速度で吸収する物が剛構造で、変形で吸収する物が柔構造といえます。
どちらも想定している以上の加速度・変位が生じれば壊れます。

よって、この考えからいうとどちらが優れているとはいえないという結論です(実は大昔大学教授の間で柔剛構造論争という論争があって結論はこうなりました)。

高層ビルを剛構造で造ろうとするとそれだけ強い柱や梁が必要になります。そのために大きな柱梁が必要となり、また強度も必要なのでそれだけ高品質の材料が必要となり、不経済となります。
そのため、高層のほとんどが柔構造で造られていますし、低層は逆に剛構造で造られることが多いです。

柔剛構造の比較(その2)
さっきまでの話は共振現象を考慮しない場合の話です。

物には揺れやすい周期(固有周期)というのがあります(一般には高い建物ほどこの固有周期は長くなります)
入力地震波の主要成分と建物の固有周期が一致すると建物は共振現象を起こして大きな振動が生じます。共振が生じたとき、減衰がない場合は無限大に振動が増幅します(この現象が発生したため、地震や台風がないのに落ちた橋がアメリカにある)。

地震の主要動の卓越周波数というのは1秒以下のことが多く、建物の固有周期よりかなり長くすると共振せず、建物のゆれが大きくなるのを防げます。このため柔構造を採用して、建物の固有周期を長くすると安全になります。すなわち、結論としては地震の周期よりも固有周期がかなり長くなるように柔らかく造ると安全となりますということです。

但し、これはあくまで共振を防ぐ観点から言っています。一般に固有周期は高さに応じて長くなります。そのため、元々短い周期の低層建物を地震と共振しないような固有周期になるまで柔らかく造ると、今度は重さを支えきれなくなるほど弱くしなければならないので、一般的には造れません(これを現実化した技術が免震構造です)。

超高層ビルの場合、高さと剛性でこの固有周期は変わってきますので、一概にはいえないのですが、柔構造の1種である免震構造はだいたい固有周期2秒程度で造られています。

最後に、柔構造は比較的耐震性は高いと思いますが、柔らかく造られていますので、風で揺れやすくなっています。日常的な風でもよく揺れることがあります。
耐震性だけでなく、耐風性や居住性を考慮して、造られた建物が本当によい建物です。

この回答への補足

ありがとうございます。よく分かりました。

堅いと加速度は大きくなるというお話ですが、
堅ければ堅いほど、建物最上階の加速度は地上の加速度に近づいていくのでは、と思います。
柔らかいと、建物がしなるので最上階の加速度は地上の加速度より大きくなるのではないかと思うのですが違いますでしょうか。

又、地震の振動に共振しない柔構造の建物の揺れ方というのは、地面に近い下の階ほど大きく揺れて、上の階ほど揺れ方が小さくなる・・・のでしょうか。

補足日時:2004/09/09 17:08
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「柳に枝折れ無し」とゆう諺知っていますか?


知ってのとおり、柳は柔軟な枝のためちょっと風が吹くだけでゆれますよね?でも、強い嵐(今回のような台風とか)で他の木の枝が折れてしまう事があっても柳の枝は(幹から持っていかれない限り)折れません。
これは風とゆう「力」が加えられた時にゆれる事で力を拡散させ、自分に残るダメージを大幅に軽減しているためです。
もっと分かりやすく言うと、割り箸の一方の端をテーブルの端と手で(地面から水平に)固定し、チョップすれば簡単に折れますが、割り箸の袋を同じ様に固定してチョップしても、破れませんよね?
この最も良い例がダイヤで、最も硬い硬度10のダイヤは柔軟性(靭性)が無いため、壁に強くぶつけるだけで欠けてしまうし、ハンマーで叩けば粉々になるのです。
これと同じで、当然揺れは大きくなりますが、「揺れる」事で地震のエネルギーは分散され、建物にダメージが残らない為、建物の内部は家具が倒れる等(揺れない建物に比べて)被害は大きくなりますますが、建物自体にダメージが残らない為、建物の倒壊を避けられるのです。故に倒壊したら大惨事となる超高層ビルは柔構造である必要があるのです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2004/09/09 16:36

柔らかいというのは、建築物を構成している柱とか梁とか床の各々の構造物が地震時にある程度、水平移動叉は垂直移動しても、その動きによって、各部がバラバラにならないと言う構造です。



ビニール製のはえたたきを振り回してもなかなか折れない。。と言う原理とは違います。

『柔らかいと余計に揺れて危険なような気がするのですが』
揺れないに超した事はないのですが。
実際には外壁材の取り付け、窓ガラスの取り付けに於いて、地震時に揺れた時、それが外れて落下すれば大惨事になります。その為ある程度動いても外れない様に可動設計されています「この部分が柔らかい・と言う表現だと思います。」

『柔構造の建物には軟鋼が使われているのでしょうか』

通常、超高層建築物 30階とか50階建の建築物に使用される鉄骨材「それを止めて固定しているボルト」類は、鉄材に含まれている炭素量を調整した
高品質な高強度鋼材です。軟鋼は普通、天井や間仕切り壁の下地等に使われており、建物の主要な構造部分には使用されておりません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2004/09/09 16:34

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