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梶井基次郎の「闇の絵巻」という短編小説について、結局何が言いたいのか分かりません。授業で先生が、闇の絵巻とはなんなのかをテストで書かせると言い何を答えるべきなのか分からないので教えて欲しいです(T_T)

A 回答 (1件)

作品の末尾「私は今いる都会のどこへ行っても電燈の光の流れている夜を薄っ汚なく思わないではいられないのである。

」が理解の糸口になると思います。
都会の照明は何もかも明るく照らし出しますが、闇の中と違って雑然とした外観のみが見えるだけで、心を落ち着かせる純粋さ透明感を持ちません、そのことを「薄っ汚なく思」うと評しているのだと思います。例えば目を閉じて寸前まで見ていた光景を心の中に描き出すと、それまでは単に視覚的な外観だけが見えていたのに、闇のなかに物の形では無いいわば本質的なものが見え世界は奥の深い物に変わります。
梶井は病気がちで早世した作家ですが、人間が本来孤独であることをよく知っていました。その孤独な者が頭のなかに描く光景が、まさに「闇の絵巻」です。脳内同様、闇は暗いのでわずかばかりの灯りで物の姿が浮き上がってきます。はじめは不安や恐怖もありますが慣れてくると、いつ見ても確固たる形と雑然とした余計な物を切り捨てた潔さ、清潔さを伴っていることに気づきます。そういう意味でその浮き立つ光景は純粋で美しいと感じられます。闇の中だからこそ見える「さわやかな安息」の世界があるわけです。また冒頭の「闇の中でも、一本の棒さえあれば」というのは、この闇の世界の存在に気づき、さらには親しみを感じている作者の心境を重ねたものでしょう。少しものの見方を変えるだけで闇も孤独も輝き始める、そういう世界の自覚が作品の主題だと思います。
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この回答へのお礼

わかりやすい解説ありがとうございます!!(TT)ほんとに助かりました!なんとかテストに挑めそうです!

お礼日時:2018/05/24 19:40

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