No.4ベストアンサー
- 回答日時:
あろうことか、は「あらむことか」のウ音便です。
「あらむことか」はラ変動詞未然形「あら」+推量助動詞「む」連体形+名詞「こと」+疑問反語終助詞「か」です。「こと」の前は連体形と考えれば接続上問題はありません。
これに倣って、行くだろう/行こうと思う所と言う場合「行かむ所」、そのウ音便「行こう所」は可能な表現です。ただ、現代語では、殊に意志の表現は「~と思う/~とする」を挟まなければ具合が悪いようです。
いずれにしても、古語の遺物的な言い回しである事は同じですから、慣用句的な表現でない限り耳にすることや実際に使用する機会はあまり無いでしょう。
No.5
- 回答日時:
あろ う 事かあるまい事か
二義あり、
(1)(「あってよい事か、いけない事か」の意から)なんということか。とんでもないことだ。
(2)(「ありそうなことか、なさそうなことか」の意から)まったく不思議なことだ。
「う」は「推量」の助動詞。対応する「まい」は「打消の推量」の助動詞。
>「あろう」の後ろに「こと」のような名詞が直接付くことが出来るのだったら、
「行こう所」(行こうと思う所)も大丈夫でしょうか。
もっともな疑問です。その問題については、[語誌]の ◎(4) をご覧ください。
「う」
〔助動〕(活用は「◯・◯・う・う・◯・◯」。助動詞「む」の変化したもの。古くは、「む」と同様、すべての活用語の未然形に付いたが、現代では五段活用の動詞、形容詞「…かろ」、形容動詞「…だろ」、助動詞「ます」「です」「た」「だ」の未然形に付く。→よう)
(1)話し手の意志、決意を表わす。…しよう。
(2)現在、または未来の事柄について、話し手の推量を表わす。…だろう。
(3)相手に対する勧誘、または命令的な意を表わす。…しよう。…しろ。
(4)当然、適当の意を表わす。…のはずだ。…して当然だ。…のがよい。
(5)(連体修飾または準体法として)未来のこと、仮説について一種婉曲の心持ちを加える。
*中華若木詩抄〔1520頃〕上「洛陽の春と云はうはこの山中の花そ」
*天草本伊曾保物語〔1593〕イソポの生涯の事「タダ ギヘイヲモッテ xemesaxerareô (セメサセラリョウ) コトモ カタカラウズ」
*歌舞伎・一心二河白道〔1698〕一「イヤ今は死なぬが、気合がわるいによっていつ死なうも知れぬぞ」
(6)(「…うか」の形で)疑問、質問、反語の意味を表わす。「こんなものが役に立つだろうか」
(7)(「…うとす(る)」の形で)動作、作用の行なわれる直前の状態であることを表わす。「会はもう終わろうとしていた」
(8)条件を仮定し、それに逆接的な動作、作用が続く。「だれが何をいおうと私は行く」
(9)(「も…うに」「…うものを」などの形で)ほかの可能性も考えられるのに、とある事柄を非難する前置き的用法。「事もあろうに、教師が盗みを働くとは」
[語誌」
(1)助動詞「む」が唇の破裂音を略して鼻母音化し、さらに鼻音の要素を脱して単なる「う」となった。鎌倉から室町時代に一般化した。
(2)中世では推量に「らう」「うず」も使われる。「らう」は「ぞ」「こそ」を受ける形が主となり、「ぞ」の衰退、「こそ…うずれ」形式の伸張などで衰えた。「天草本平家」「伊曾保物語」では「う」「うず」の使用が拮抗し、確かな推量・当然などの意味では「うず」が優勢であったが、江戸時代へかけて「うず」は衰退する。
(3)「う」は、前の母音と融合して長音化する。中世末期以降、一、二段動詞などに接続する場合には「生きう→生きょう」「上げう→上ぎょう」のように前の音節と融合して拗長音に発音され、やがて「よう」が独立するに至った。また、四段動詞に接続する場合は前の音節と融合して、ともにオ段長音に発音され、さらに「浄瑠璃・冥途の飛脚‐上」の「手形戻そと申さる」(↑戻そう)や「浮世草子・好色五人女‐一・一」の「茶のもといへば」(↑飲もう)のように短音節化する場合がある。
◎(4)一八世紀の後半頃から、終止連体形に接続した「だろう」が推量表現に用いられるようになると、「う」「よう」は意志を表わす用法に偏るようになった。
(5)佐伯哲夫氏の国定国語読本(第一〜六期=明治三七〜昭和二四年)を対象とした調査によれば、おおむね期を追って推量の「う」「よう」は「だろう」「でしょう」等に交替している。ちなみに、天気予報の「晴れましょう」を「晴れるでしょう」に変えることを決めたのは、NHKでは、昭和三八年一二月の放送用語委員会であったという。
以上、[日本国語大辞典]より
No.3
- 回答日時:
「あろうことか。
」は判断の助動詞「ある」の未然形「あら」+推定の助動詞「う」+名詞「こと」+疑問の助詞「か」です。これは少し古い言い方で、口語では「であるだろうことか」になり、「行こう所」は「行くだろう所」「行くであろう所」になります。
助動詞「う」には、推量・意志・勧誘の意義があり「行こう所」を「行こうとする所」の意味でも使用できますが、現代口語では、「行きたい所」、「行くつもりの所」のように表現します。■
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