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洋の東西を問わず、近代以前の世界はどこの国も身分制度でした。生まれた家柄で将来の職業や政治的権利が決められてしまう身分制度は、現代ではほぼ廃止されています。
 身分制度の社会は、人材の適材適所ができないのが最大の問題点です。頭の良く政治家や学者に向いている人でも農民になるしかない、政治家に向いてない馬鹿でも自動的に政治家になる・・・
 なぜこんな不合理な制度が世界中で何千年も使われ続けたのでしょうか?何かメリットがあったなら、なぜ近代に入って急に廃れたのでしょうか?

A 回答 (7件)

理由は超簡単「教育のコストが恐ろしいほど高かったから」です。



機械が無い時代の農業は超巨大な労働集約産業です。土地を耕し、種を植え、草を刈ってお世話をし、収穫するだけなら文字を知っている必要はなく数学も理科も社会も要りません。村ぐらいの単位で知識人が数人いて、彼らが「そろそろ種をまこう」とか「そろそろ畑に水をたっぷり入れないとダメだ」という指示を出し、それに従えばよかったからです。

アメリカの南部で最後まで奴隷制が残ったのは、当時のアメリカ南部がプランテーションという労働集約型農業を主な産業にしていたからです。

しかし、全員が農民では国や社会が回りません。そのため支配者と支配者を助ける行政的な事務仕事をする人々、また天文学などを駆使して、毎年この辺りが種まきにちょうどよい、などの暦を作ったりする技術者が必要でした。

しかし、近代以前は農地を耕すのに莫大な人手が必要で、収穫がその人手分の1年の食料にしかならないなら「農業をしないで、学問をやって生活する人」の食料は供給できなかったのです。

だから文明が発祥したのがすべて大きな川の近くだったことは偶然ではありません。どの川でも、毎年洪水で栄養たっぷりな土を運んできて、しかも柔らかい土なのでこのような場所では「労力が少なく済み、収穫は他の地域よりも多かった」ので労働をしない人々が存在できたからです。

労働をしなくてもよい彼らはやがて支配者になったり、学者になったり、事務官僚になったりして大きな組織で大きな社会を維持することが可能になったのです。

身分制度を整えたある程度大きな社会がいくつかできると、お互いに縄張り争いをするようになります。そうなると今度は軍事的な能力を持つ専門家も必要になっていきます。特に昔は「騎馬兵」は特殊能力で、馬を飼うだけで相当なコストがかかるうえに「いつ起こるか分からない戦争に備えて、常に馬術などを訓練する」人々が必要になったからです。

なので、騎馬民族ではないヨーロッパでは
・王族=支配者階級で軍事指揮官
・貴族階級=ほとんど事務官僚、一部軍事戦略家や専門家、一部は外交官など
・騎士階級=騎馬戦を得意とする武人階級
・宗教者=一部は科学を扱い暦などを作った
に分かれて行きます。
そうしないと学問をするだけの食料の余裕がなかったからです。

逆にコメを食べるアジアなどはここまで強烈な身分制度はほとんどなく、中国の科挙のように「農民でも優秀なら中央政府の官僚=貴族階級になれる」仕組みもありました。つまり労働量にくらべて食料の生産量が多かった、ということです。

近代以前は「身分制度」にすることで、農民が作った食料を分配し、各身分が家系内で学問や技術を伝えて行ったので、身分制度が必要だったのです。
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> 現代ではほぼ廃止されています。


廃止されたとは言い難いほど、残っています。
インドや中国に、中東では宗教による差別意識、等々
サウジアラビアはサウジ家の国なのです。、…

人間生活の変化の歴史を原始時代に遡って見つめれば、
おのずと理解できるはずです。
今の人間社会を出発点としてみるから理解できないのだと思います。
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この回答へのお礼

>おのずと理解できるはずです。

 そこを質問しているんです。

お礼日時:2019/07/25 17:48

「能力に格差があったからこそ」身分制度が発展したのだと思いますよ。


そもそも、人は能力面では生まれついて平等では無いと思います。

優秀な人は上手に資金や人材を運用できますが、普通は分配よりもまず自分の利益追求のことを考えますよね。
自分の子供に富を譲り、運用方法を教え、更に利益を増やし、経済的な格差はどんどん開いていきます。

しかしその結果、能力を問わず「身分」だけが固定化されていき、不条理が生じるようになったため、結果的には破綻していきます。
それを合理化してもっと全体の利益につながるように、少しずつ格差を是正するようになったんだと思います。
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人間の能力が異なることを重視したから身分制や階級制が出来上がりました。


今は、人間の権利が同じであることに注目して社会を改革しているために、先進国から順に階級制や身分制が無くなってきました。

「人間の権利は皆同じだ」と考えた哲学の勝利が近ずいてますね。
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No.2です。



> そこを質問しているんです。
なので、
「間生活の変化の歴史を原始時代に遡って見つめれば」と言う回答をしています。
自ら学ばずして知識は得られません。
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身分制度の社会は、人材の適材適所ができないのが最大の問題点です。


頭の良く政治家や学者に向いている人でも農民になるしかない、
政治家に向いてない馬鹿でも自動的に政治家になる・・・
 ↑
その代わり、身分が定まっているので社会が
安定します。
能力主義だと、競争原理が働き、社会が乱れます。
それは、孟子もお釈迦様も指摘していたことです。





なぜこんな不合理な制度が世界中で何千年も使われ続けたのでしょうか?
何かメリットがあったなら、なぜ近代に入って急に廃れたのでしょうか?
 ↑
民主制のインフラが整っていなかったからです。

民主制が上手く機能するためには、
生産量が多く、社会が豊かで、教育や通信
などのインフラが整っている必要があります。

社会の秩序を維持するための技術として、
身分制以外に有効な方法が無かったからです。

例えばアラブの春です。
民主制のインフラが整っていないのに、民主制を
導入しようとしたため、シリア、リビア、チュニジア、エジプト
などは大混乱です。
シリアなどは国家崩壊の危機にさらされて
います。
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昔は全員に行き渡るほど富はなく、


どうしてもその分布は偏らざるを得なかったから。

さらに昔は今のように国際監視網は行き届かず、
弱肉強食が横行していた。
もともと少ない富をさらに国防に割かざるを得ず、民に出回る分はさらに少なくなる。

少ない富を奪い合うつまり「内乱」は国を疲弊させ、外敵の餌食となる。
古代は国が破れれば、その国の住人はすべて奴隷になった。

それを防ぐには民主主義は実は不向きなのである。
船頭が多いため、意思決定に時間がかかりすぎ、その間に外敵に付け込まれる。
現代のような民主主義社会は、
「国際社会(とくにアメリカ)による侵略行為の監視」
「各国家に富があり、他国に攻め込むメリットがない」
という場合にのみ成り立つ、きわめて限定的な現象なのである。
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