1) 東京は浅草にやってまいりました
2) 東京の浅草にやってまいりました
1)と2)を比べると、1)は東京を強調している、という説があるようです。
たとえばテレビでレポーターが1)のように言ったとき、そのレポーターはそんなことを意識しているのでしょうか。当方は、何も考えずに使っていると思います。あるいはそのほうがカッコいい気がするから……。
下記が少し関係があるかもしれません。
【東京は浅草にやってまいりました」の〈ハ〉】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/11254188.html
【助詞の「は」の働きについて。】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/11471806.html
もうひとつ質問があります。
↑のハに関して、俳句の切れ字との関連性を指摘する説があるそうです。
下記でそんなことが話題になっています。
【テレビのナレーションとかで「○○(都道府県名)『は』○○(都市名)」って聞くんですけど】
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/questio …
〈俳句でいう「切れ字」の機能が、この「は」の機能に近い〉と〈俳句の切れ字の「や(間投助詞)」と「は(副助詞)」は、それぞれ、「呼びかけ・詠嘆」と「取り立て」で、機能が違う〉
と真っ向から意見が対立しているようです。
どちらが適切な考え方だと思いますか。
金谷武洋先生は本当にそんなことを主張しているのか、という点も教えてほしいところです。
A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
江戸【は】神田・お玉が池、千葉周作道場の赤胴鈴之助とはおれのことだ!
この「は」は先に回答した通り、普遍性の認識を表わす係助詞です。
我【は】海の子。
我が輩【は】猫である。
万葉集【は】歌集である。
などと同じ用法で、たとえ個別的な事物でもその性格が変わらない時には、この側面を普遍性として扱えます。科学は対象の普遍的な法則性を捉えて、定式として示すので、つぎのように「は」を使うことになります。
月【は】地球の衛星である。
水【は】水素と酸素の化合物である。
物体【は】力によって状態を変えられない限り静止または直線上の等速運動を続ける。
反作用【は】つねに作用と方向《が》反対で大きさ《が》等しい。
最後の規定はニュートンの第二法則ですが、その中の小さなせまい部分を扱うときは「が」が使用されます。
日本語の母語話者であるレポーターなどが、係助詞「は」のこのような普遍性の認識を表わすことを無意識の規範として修得し、江戸という江戸時代の幕府の本拠地を普遍性として捉え表現された文例などから用法を学んでいるのは明らかでしょう。
言語は話者の認識の表現であり、(語彙)規範を媒介とし、話者の認識を感性的な形として表現することにより、伝達、強調等の機能を果たします。
規範による媒介という言語表現の本質と、結果としての伝達という機能(働き)を同一次元に並べるのはノベッタラな味噌と糞を一緒にする非科学的な発想に過ぎません。
この結果、挙げられた他の回答でも「取立て」や「引き込み」などという機能を論じ、その結果、「は」には係助詞と副助詞という異なる品詞があることが看過され、
・花は(何が一番良いかといえば)桜木、人は(どう生きるのが一番格好いいかといえば)武士
・春は(最もふさわしい時間帯といえば)あけぼの
という、特殊性の認識を表わす副助詞がごた混ぜにされています。これらは、花や人の様々な在りかたから桜木、武士を、春の様々な在りかたから曙を選び、その特殊性を捉えたもので普遍性の認識とは異なります。語の意義を掴まえられないために形式に囚われ、一語多義という事実を捉えらそこなう踏み外しを犯すことになります。
語の本質は何を表現するかにあるのであって、どんな機能を与えられているかにあるのではありません。意義をつかまなければ機能も明らかにはなりません。機能と本質とのかかわりあいを無視し、機能のありかたを本質的な定式にしてしまってはいないかを反省する必要があります。
この典型はスターリンの言語論、政治論で、1950年に発表された「言語におけるマルクス主義」などが日本でどのように礼賛され受け入れられているかは、田中 克彦『「スターリン言語学」精読』 (岩波現代文庫; 2000/1/14)他に明らかです。これに対する根底的な批判は、『三浦つとむ選集〈1〉スターリン批判の時代 』(1983年)他を参照下さい。
この「言語におけるマルクス主義」を批判した時枝誠記は、特殊性の認識を表わす「は」を<限定を表わす助詞>とし、普遍性の認識を表わす「は」を格助詞に分離しています。
時枝は語の認定について、次のように注意を求めています。
このように、語の認定が主体的意識にあるといふことは、言語主体が、「これは一語である」といふ自覚に於いて用ゐられるが故に一語と認定するのでなく、語の運用に於いて認められる無自覚的な意識に於いて云ふのである。文法学は言語に於ける右のやうな潜在意識的なものを追求し、これを法則化するのである。ここに文法学がややもすれば観念的になる危険があるのであるが、ただ現象的なものの追求からは文法学は生まれて来ない。
(『日本文法 口語篇』)
なお、金谷武洋先生が俳句の切れ字の機能に言及しているというのは下記ブログのことではないかと思われますが、あくまで機能の問題で本質を論じているものではありません。
「第20回 「は」と「が」はどう違う?」
https://blog.goo.ne.jp/shugohairanai/e/89f68f569 …
■
No.3
- 回答日時:
>で、本題に関してはどうお考えですか。
それ以上、決めつける必要がない、ということです。
文章は表現の一つの方法です、それを読んだものがどう受け取るかは、受取る側の自由です。
どのように受け取ったかを、個別の表現について諸氏百家が、それぞれ述べているだけです。
例外?が法律の文章です、あれは、何時、誰が読んでも、同じ意味で受け取れることが理想です。
>「呼びかけ・詠嘆」と「取り立て」で、機能が違う〉
使われる場所で異なる可能性のほうが大きいのでは?。
例として、助動詞の「れる」「られる」、可能、自発、受け身、との説明だけです、前後の状況、言葉なしでは、区別できません。
>それ以上、決めつける必要がない、ということです。
どういう意味でしょうか。
>>「呼びかけ・詠嘆」と「取り立て」で、機能が違う〉
>使われる場所で異なる可能性のほうが大きいのでは?。
もう少し具体的にお願いします。
>例として、助動詞の「れる」「られる」、可能、自発、受け身、との説明だけです、前後の状況、言葉なしでは、区別できません。
そのとおりでしょうが、今回の質問とどういう関係があるのでしょうか。
No.2
- 回答日時:
>あるいはそのほうがカッコいい気がするから……。
どうしてかっこいい気がするのでしょう? 通常ではない響きがあるからではないでしょうか。それこそ「は」の「提示」を響かせる機能です。俳句の場合は同じことを「取り立て」の機能と呼ぶだけの話です。
コメントありがとうございます。
>どうしてかっこいい気がするのでしょう?
おそらく、〈通常ではない響きがあるから〉でしょう。
当方は、古い言い回しに近いからだと思います。
香具師などの口上などに残っています。
〈それこそ「は」の「提示」を響かせる機能〉なのか否かは不明です。
〈俳句の場合は同じことを「取り立て」の機能〉
……俳句の切れ字→「呼びかけ・詠嘆」
「は(副助詞)」→ 「取り立て」(「主題の提示」などとほぼ同様?)
では。
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