
「味を見る」、「酒を聞く」という言葉を耳にしたことがあると思いますが、何故このように言うのでしょうか。1ヶ月ほど前私なりに調べてみて、『聞香』など例に出して「本来見る・聞くは広い意味で使われていたのを、現代では視覚・聴覚に語句の意味が狭まったからおかしく感じられるのだ」のような結論を出したのですが、大学の講義で講師に「語意の範囲は広まったんです」と一蹴されてしまいました。
これは日本語学的に確立されているものなのですか?
どちらか一方でももちろん構いませんので、これらの言葉が使われだした理由、またその時期、そして語意範囲は広まったのか狭まったのかなど、関連すること何でもいいので教えてください。よろしくお願いいたします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちわ(/は)。
いろいろな国の文字を趣味で研究しているうちに中国語にのめり込んでしまった者ですが・・・。以下すべて私見です、あしからず。
「味を見る」「酒を聞く」の用法はおそらく漢文の影響大と言えるかもしれませんね。日本の中世代または以降に日本人は中国から膨大な文字を学びました。同時に文化・文学・文献も多量に移入されたことでしょう。漢詩・漢文が好例です。
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中国語での「聞」:wen:ウェン:の歴史と意味は、以下のとおりです(一部省略);
会意文字。数千年前の甲骨文字に原型があって、2000年前には現在の字形になりました。その当時の字義で門は、音を導き出す単なる部品。耳は、音声などを聴く という意味を表す部品です。
a:耳で聴く。聴こえる。
b:聴くところによると。知ること。
c:消息。報告。ニュース。
d:名誉。名声。
e:耳にした事柄や知識など。
f:耳にした言い伝えや事件など。
g:鼻を用いて匂いを嗅ぐ。(この意義は1400年ほど前の唐の時代以降からの比喩用法で現代中国でも現役で使用中です)。
「酒を聞く」は、上記g:の語義が含まれた漢詩・漢文を学んだ中世代の日本人が日本語に取り込んだものと想像可能です。中国唐代といえば文化文明が大発展していた時代です。
現代中国語でも、聞香、聞味、聞酒(酒の味を試し見る)、聞診(中医学で患者の呼吸音など聞いて病状を推し量ること)という言語があります。いずれも日本語の用語用法と同じです。
「聞酒」は中国語ですが、漢文式に「聞ク酒ヲ」→ 「酒ヲ聞ク」と読み下せます。
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中国語の「見」:jian:ジェン:の歴史以下:
会意文字。数千年前に原型あり。2000年前には現在と同型。目の部分は、人の突出した眼球で見る事を強調しています。儿は、人を表します。
a:見える。目に触れる。
b:会見する。接見する。面会する。
c:了解する。知る。
d:主張。見方。見解。
e:予見する。希望する。
f:聴こえる。見かける。顕れる。
g:比較して試す。比べて量を測る。触れる。接触する。
h:現れる。出て来る。
i:希望。予定。
「味を見る」は、上記c:とg:の用法です。「酒を聞く」と同様に漢詩・漢文の素養のあった日本人が漢文読みを"真似て"日本語に取り込んで、それが日本語の語彙に含まれて定着したことが想像できます。
「見味」は漢文にも有りそうなんですが使用していません(ご注意してください)。「聞味」という良い熟語が有るからでしょうか、目下不明です(汗)。
「味を見る」えお漢文式に書くと「見味」になり、「見ル味ヲ」→ 「味ヲ見ル」です。
現代中国語で、見解、見人、見識、見聞、見証などが有ります。
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「語意の範囲は広まったんです」の見解はあながち間違いではなさそうです。数千年前に「見」「聞」が考案されてから、時代とともに語義は膨らんだり狭まったり、また比喩用法が発生してまた膨らんだりもして行きます。そして日本語に取り込まれたときは本来の語義の一部分しかなかったと思います。実はもっと奥が深かったというのが真相ではないでしょうか(不明)。
Keypointは、中国の文字の歴史にあると思います、謎が解けると良いんですが・・・(^^♪。
本っ当に詳しいご回答ありがとうございます。
私も以前調べた時『漢文から』という観点で調べたのですが、いかんせん参考辞書も少なく中国語も学んだことがないので悪戦苦闘していました。是非とも参考にさせていただきたいと思います。
<そして日本語に取り込まれたときは本来の語義の一部分しかなかったと思います。
我が校の講師もこの事が言いたかったのかもしれませんね。
No.4
- 回答日時:
確立というか、過去の文献を調べれば分かることなので講師が言うのならば多分そうなのではないでしょうか。
No1さん
同音異義語ではありませんよ。多分字だけ見て判断しておられるのでしょうが、酒を利くの利くは「(音を)聞く」方の意味です。
「効果がある」の意味の利(効)く(そもそもこちらも同源)と混同しているのでしょうか。
関連ということで、「におう」について。
これは昔は「色は匂へど」にあるように"視覚的な美"を表す言葉でしたが、嗅覚に発展しました。今では逆に嗅覚の意味のみに狭まっていますね。
ご回答ありがとうございます。
関連意見の「におう」。確かにそうですね。日本語がある程度発展(?)した後での語意(範囲)変化のとても良い例だと思います。参考になります。
No.3
- 回答日時:
私は「広まった」と考えます。
「見る」には最初、「視覚によって物の形・色・様子などを知覚する」という意味しか無かったと思います。
そこから、「見て判断する」という意味ができ、「判断するため調べる」という意味が生じて、「味をみる」という言い方ができたと考えます。
意味変化の方向性は具体的なものから抽象的なものにいくのが普通でしょう。身体感覚が基本で、その感覚を他のものに転用していって意味が広がっていったと思います。
No.1
- 回答日時:
大学生さんですか。
「味を見る」については問題ないですね。「見る」の用法の一つに過ぎません。辞書を引いてみましょうね。
一方、後者は単純な同音異義語の使い誤りです。「聞く」の意味は全くありません。
× 酒を聞く
○ 酒を利く、利き酒
参考URL:http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A4%DF …
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