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私は経済学を選考している大学生なのですが、社会思想史という授業でわからなかったところがあるので、質問させてください。
(1)予定説とはなんでしょうか?
 
授業では予定説とは人間の救いは神の主観的意志に属す と習いましたがよくわかりませんでした。
詳しく教えてください。

(2)宗教改革は世界史においてどのような影響を与えるのでしょうか?

解るほうだけでも構いませんので、詳しく教えてもらえるとうれしいです。
よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

(1)予定説について


予定説というのは宗教改革時にカルヴァンの唱えた説です。基本的な内容は授業で習われた通り「予定説とは人間の救いは神の主観的意志に属す」というものです。

まあ、しかし、この周辺の知識がなければ判りにくいですよね。まず、この予定説というのは旧教(カトリック)の善行説に対するものです。善行を積めば、その度合いによって神に救われるかどうかが決まるというのが善行説でこちらの方が予定説よりも分かり易く正しいような気がしますが、問題は当時「最大の善行」とされたことが教会への多額の金品の寄付であり、その対価として渡される贖宥状(免罪符)を購入することでありました。

それに対して新教(カルヴァン派など)側は「神による救いを信じて、一日一日を真剣にそして真面目に自分の職業を遂行することが救いへの道である。」と説いたのです。各自の職業は「召命」(神によって命じられたもの)と呼ばれ、これに励むことが信仰生活の第一歩とされました。また、そのようにして、自分の職業に励んだ結果、利益が得られるのは当然であり、それもまた神の思し召しとされたのです。

ところが旧教ではそうした利益・利潤は不浄なものであり、神に返す(つまり教会に寄付する)ことが善行であるとしていたのです。

このようにカルヴァンの考え方は「予定説」や「職業召命観」「利潤を得ることを認めること」などを一体として理解しなければなりません。そのうちの予定説だけを取り上げてもなかなか意味は判らないでしょう。

参考文献:マックス・ウェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(岩波書店など)

(2)宗教改革の影響
イ.上に述べたように新教は利潤の獲得を認めますので、身分が低かった商工業者に信仰が広まった。また、そのために新教徒の多い地域では経済発展が起こりやすかった。

ロ.政治的には旧教と新教による多くの宗教戦争が戦われた。特にドイツ三十年戦争では戦場となったドイツで国民が激減し、ドイツが後進国となる原因となりました。

ハ.旧教の権力者(多くの場合、旧体制を維持しようとする)が新教徒を迫害し、オランダの新教徒は旧教のスペインから独立しようとした。また、別の一部は当時発見されたばかりのアメリカに移住植民地を作った。→これらの国が経済発展し、旧教国であったスペイン・ポルトガルは没落。なお、フランスは旧教国であったがユグノー戦争(宗教内乱)の後、新教徒の存在を認めて和解したので発展は続いた。
など多すぎて書ききれません。

☆結局のところ、新教は一生懸命働くことを説き、それによる利益を是認したので資本主義が成立した。これが世界史に与えた一番大きな影響でしょう。(だからこそ、経済学や社会思想史でとりあげられるわけです)

以上、tomikei1985さんが理解するための方向付けを目的としましたため説明などで大雑把すぎる部分もありますが、詳しい内容は授業および関連の勉強で把握してください。
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