No.1
- 回答日時:
法定相続情報認証制度で代用できるかどうかは各裁判官の判断なので、申立先の家裁にご確認ください。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
管轄の家庭裁判所に問い合わせすべきだと思います。
感覚的には使えてもよさそうだと思います。でも裁判所の扱いを知っている身からすると,「法定相続情報証明書ではなく戸籍謄本一式を出してください」と言われる可能性が否定できません。
法定相続情報証明制度は,法務局という公的機関が,ある相続に関する戸籍謄本の束を確認したうえで,その相続に関する法定相続人が誰なのかを明らかにした書類に認証をすることで,その認証した証明書が戸籍謄本の束に代わるものとして使えるようになるといった便利なものです。
基本は相続の手続きの簡便化を目的とし,そこから記載事項を変更することで相続税申告にも使えるようにし,そして遺族年金の請求にも使用できるようにと利用範囲を拡大してきています。
遺言書の検認も,相続手続きの一形態であることに違いはないはずなので,そういう意味では使えてもいいような気がします。
でも法務局と裁判所では,扱いが違う部分もあります,。その違いから,法定相続情報証明ではダメだと言われる可能性が否定できません。
たとえば相続の登記では,戸籍の記載上たとえば長男の記載がなく二男から始まっている除籍謄本があったりします。これは戸籍の改製や再製の前に長男が死亡または養子に出たために除籍されている場合に,その後に編成された戸籍には効力のない長男のに関する記載がされないためです。その長男がどうなったのかを確認するために必要なのがその改製または再製前戸籍ですが,戦災や火災,または保存期間の経過により改製または再製前戸籍の謄本が取得できず,結局長男がどうなったのかがわからないといった事例が散見されるのが実情です。
その点について法務局は,戸籍謄本上明らかにならない(理論上の)法定相続人はもういないものとして扱い,その不足部分について他の法定相続人全員による上申書の提出を求めないといった趣旨の通達を出して相続手続きができない事案を減らす努力をしました。行政庁であるために理論よりも実態を優先しようという判断だと思います。そして登記官は上級官庁である法務省の出した通達には従う義務があります。法定相続情報証明も,この通達が適用される余地があります。
ところが裁判所の手続きでは,この長男を「氏名不詳,生存不明の不在者」として扱うことがあります。死亡したかどうかもわからず,また死亡しているとしてもその相続人がいるかもしれないという,国民の権利義務を尊重するという理想を尊重する姿勢が表れています。
この,方や長男はいないものとして扱い(法務局),方や長男は不在者としてとりあえずは存在するものとして扱う(裁判所)という「違い」があるために,法務局の通達に拘束される理由のない裁判所が法定相続情報証明を拒否する可能性が否定できません。
ただ,被相続人の出生の時期が昭和初期ぐらいの人であれば,氏名不詳の行方不明者の出現する余地はあまりないものと思われます。その辺りについては裁判官の判断で許容されることもあるかもしれません。
とりあえず家裁に問い合わせしてみたほうがいいと思います。
この回答へのお礼
お礼日時:2021/06/11 09:12
大変丁寧な回答をいただき、ありがとうございます。
制度のいい点や課題など、事例を出していただき、大変参考になりました。
裁判官の判断で左右されることも初めて知りました。
早速家裁に確認してみます。
ありがとうございました。
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