自宅が老朽化が進み今回新築することになりそうです。ただ現在の土地名義が親父の親父の土地で(私からみて祖父)名義変更をしようと思っております。ただ、祖父が亡くなってからはや30年経っております。本当は亡くなった直後に実行すべきなのですが、当時の親父は(今もそうですが)法律的にも疎かったのと金銭面にも問題があったので名義変更が今日まで滞っている状態です。また、親父には兄弟が多く、相続面でもひと悶着ありそうな気配です。固定資産税はこれまで払っております。このような場合の相続の方法等また兄弟に対しての対応等どのようにすればよいか、教えてください。正直兄弟に支払えるほどの持ち合わせはありません。よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
1.取得時効について。
民法162条に、所有権の取得時効に関する規定があり、「20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する」とあります。
ご質問者さんのお父さんは、祖父の土地を30年間、平穏かつ公然と占有し、所有権者が当然負担すべき土地の固定資産税も納税してきたわけですから、祖父の土地を既に時効により取得しているものと思われます。要するに、祖父の土地の所有権は、既にお父さんに移転しているということです。
なお、時効完成後なので、第三者に所有権があることを公示するため、法務局で時効取得による所有権の移転の登記を早急にして下さい。登記をしていないと、せっかく時効取得した土地の所有権を失う場合があります。手続きについては、祖父名義の土地を管轄する法務局でお聞きになるか、司法書士にご依頼下さい。
2.相続回復請求権について。
民法884条で、相続回復請求権について規定しており、「相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から20年間を経過したときも。同様とする」とあります。
祖父が亡くなられてから、20年が経過した段階で消滅時効が成立しています。相続人が相続権侵害の事実を知っていたか否かに関係なく、今となっては遺産の分割をやり直せという主張はできないのです。
3.上記の1.および2.の理由から、祖父の土地は、既にご質問者のお父さんが所有権を持っており、他の相続人は、法律上、なんら権利を主張することはできないと考えるのが妥当です。
4.ご質問文中の「親父には兄弟が多く、相続面でもひと悶着ありそうな気配です」という「兄弟」というのは、ご質問者さんのお父さんの兄弟のことでしょうか(つまり、祖父の子どもたちということ)。法律上は、もう祖父の相続について時効が完成しているので、ご兄弟たちが何を言ってきても無視を決め込んでもいいのです。しかし、それによってお父さんとご兄弟との仲が悪くなるのも楽しい話ではありません。ご兄弟たちが、例えば、市役所等で開催している弁護士の無料法律相談等に行かれて、「法律上、祖父の土地についてはもはや権利はない」ということを納得していただけたら幸いですが…(ご質問者さんがお父さんのご兄弟に法律論を述べるよりも、他人、特に弁護士から宣告されたほうが納得しやすいものです)。
No.4
- 回答日時:
お父上の兄弟の立場で考えると、お父上に対し相続回復請求権の行使ができるかどうかが問題の本質と考えられるでしょう。
実は相続回復請求権には時効があると民法884条に定められています。第884条〔相続回復請求権〕 □□
相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知つた時から五年間これを行わないときは、時効によつて消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様である。三省堂 『模範六法2001平成13年版』
ですから、「兄弟に相続回復請求権があるにしても、もうそれはこの条文で定める時効で消えてしまっている」と主張できることになります。
この884条は、本来は、赤の他人がちゃっかり相続された土地に自分名義の家を勝手に建てて住んでしまった場合を想定しているそうです。ではこれが赤の他人でなく共同相続人だったら、やはり相続回復請求権は時効により消えてしまうのでしょうか?という問題が生じます。法曹界は消える、消えないでもめていたらしいですが、最高裁は1つの決断をしたそうです。最高裁判例(昭和53.12.20)にはこう書かれています。
「共同相続人のうちの一人または数人が、相続財産のうち自己の本来の相続持分を超える部分についても自己の相続持分であると主張してこれを占有管理し、真正共同相続人の相続権を侵害している場合について、本条の適用を否定すべき理由はないが、その者が悪意であり、またはそう信ずることに合理的理由がない場合には、侵害されている他の共同相続人からの侵害の排除の請求に対し相続回復請求権の時効を援用しえない。(最大判昭53・12・20民集32-9-三省堂 『模範六法2001平成13年版』)
質問者のお父上は、同お祖父様の生前にその承諾を得てその土地の上に家を建てていれば、その土地は全部お父上のものと思うことに十分合理性はあると思います。従って、この判決の前半により相続回復請求権の時効は成立していて、この土地はお父上の物と私は思います。しかし叔父様連は「悪意であり、そう信ずることに合理的理由がない」と反論してくるでしょうから、水掛け論になるかもしれません。
そこで作戦としては叔父さん達にまず言いたいことをすべて言わせ、それが出尽くしたところを見計らって「もう30年前の話に遡るのはやめましょう。結論としてこの土地の名義は父の名義に変えさせて戴きます。理由は・・・・・それはおかしい、それに反対というなら裁判でどうぞ。最高裁までの争いになりますが、当方勝つ自信あります。」と主張するのはどうでしょうか。「時効だといわれればそうかもしれない。裁判でもめても仕方が無い」と考えあきらめてくれれば、質問者の意図通り事が進んだことになるでしょう。
その前に法務局が「相続を原因とする所有権移転申請」を認めない可能性もあります。そうなると、「相続を原因とする所有権移転確認訴訟」みたいな行政訴訟を起こさなければならないかもしれません。こうなると叔父さん達が裁判を起こしてくれたほうが楽ともいえます。(あきらめた叔父さん達がすんなり遺産分割協議書にハンコを押してくれればこの問題は生じず法務局OKとなるでしょう。ですからたとえ裁判辞さずと主張するにしても、叔父さん達を怒らせる言動はとらない方が得で、あくまで表面上は丁寧に叔父さん方に対応すべきでしょう。)
大筋としては、私の考えは以上のようなものですが、「こういう考えがあるとある人が教えてくれたが、専門家としてどうでしょうか?」と詳しくは、弁護士さんに相談されてはいかがでしょうか。自治体とか保険会社の無料法律相談、弁護士会の有料法律相談がオススメです。
No.1
- 回答日時:
被相続人である祖父の子供には原則として等しく相続権がありますので、話し合いをするほかないと言えます。
なお、相続人全員の合意、またはこれに代わる裁判等がなければ相続による所有権移転登記はできませんし、建物を建て替えるにあたって銀行等から借入を行うこととなる場合には、「当然に」土地も担保に提供しなければなりませんが、相続登記がすまない限り担保提供は不可能です。(祖父が出てきて署名し、実印を押すことは不可能)
ですので、
1.家を建て替えるにはお金を借りなければならない。
2.お金を借りるには土地を担保に提供しなければならない。
3.土地を担保に提供するには相続による登記が必要となる。
4.相続問題を解決しなければ、すべてが進まない。
ということとなります。
他の相続人が納得するような解決法を探るしかないわけです。
現実には幾ばくかの金員を提供するほかないでしょう。
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