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時間の順序、即ち、過去・現在・未来の順序は一定なのか?ある観察者にとっては未来が別の者にとっては過去になっているなどということはないのか?というのは物理学上大きな疑問の一つでしょう。というのも、大概の物理方程式は時間tが+でもーにしても、式の形は変わらず対称だからです。しかし、実際は、時間順序は守られているように見える。ここで、時間の順序が守られているという主張というか考えでちょっと面白いものがあるので紹介してみます(長いですが)
『時間反転対称性なる概念があり、時間パラメータtを―tに置き換えて、現象の進行を反転させても物理法則には違反しないため、時間反転現象が観測されるはずだという。しかし、普段は時間反転現象など観測されない。もっとも、量子力学の二重スリット実験の一種では時間反転に相当する現象が確認されているということだし、原子以下のスケールでもいくつか実例があるということだが、ここではマクロスケールを含めての時間反転現象を考えてみる。ここで、時間反転現象とは物理現象を起こす各相互作用の方向性が反転、逆行するものと定義する。
すると、以下に示す二つの考察により、時間順序は保護されていることになるのではないかという暫定的な結論に到達する。
Ⅰ.仮にtを―tにし、各種相互作用がその方向性を逆転するものとすると、その反転の空間的な範囲が宇宙スケールに及んでいるとした場合、例えば、地球では地面から物体がピョンと飛び上がって上空に上っていく、といった牧歌的なものでは済まなくなる。地球を球体にまとめている主な作用は重力の引力だが、これが反対方向の斥力になるから、地球はバラバラに分解していく。地球に限らず、火星、金星、木星、土星といった各惑星もそうだ。太陽では、熱や光が輻射されるのでなく、宇宙の各所から降り注ぎ、その輻射の入射圧力と斥力となった重力がバランスをとることになる。内部では入射してきた輻射によってヘリウムが水素に分裂する。いや、それに留まらず、ヘリウム以上の原子の原子核をまとめている核力も今や斥力となっているから、原子核は不安定になり、どんどん核分裂する。水素も、電子と陽子の間の電気力による引力が斥力となるから不安定化するだろう。それどころか、陽子や中性子は3個のクォークがグルーオンによって結合してできているとされているが、その結合力=強い相互作用が反対に作用し、陽子も不安定化する。漸近的自由性が反転するといった事情は考慮せねばならないが、陽子崩壊がそれほど珍しくなく観察されるだろう。(そんな状況で観測体制があればだが)
宇宙の大規模構造もことごとく崩壊し始める。
ーtになることが、力が加わることではないとするとそれまで右に進んでいた物体が左に進むようになることは、運動量保存則に反するかもしれないし、回転運動における角運動量保存則も同様である。
電気力についても、同種電荷同士の間で引力が、異種電荷間で斥力が作用するとなると、電気力に関する法則の形が変わることになるかもしれない。また、時間反転によって電荷の符号が逆転すると電荷保存則に反するという可能性も出てくる。
以上の点から、とてもではないが、tが+からーに変わっても、現象としておかしなことは何もない、どころの話ではなくなる。どんな破滅テーマのフィクションも及ばないとてつもない破局状態になりかねず、対称とは言えなくなくなるため、対称性を根拠にして、時間反転が可能とする論理は採用しかねる。
Ⅱ.tがーtになっても、一切、現象の変化の仕方は変わらないとする。これも一種の対称性、それも究極の対称性と言えるかもしれない。変換を施しても変わらない性質のことを対称性とするのであれば。
例えば、tがーになると、物体の質量も―になるとする。すると、vが―になっても質量のーがそれと打ち消し合って、運動量はtが+のときと符号は変わらない。運動量ベクトルの符号で運動の方向を定義するという立場では、結局、右向きの運動は右向きのまま。回転においても、右回りの回転は右回りのままということになる。重力の場合でも、GMm/r²で表した時、全体に―が付き、そこで、M、mがー、そして、引力定数Gもーになるとすると、全部が打ち消し合って、引力は引力のまま何も変わらない。電気力の場合も同様に、kq₁q₂/r²で表した場合、全体に―が付いても、電荷と係数kがそれぞれ―になればやはり打ち消し合って、引力、斥力の関係は変わらない。核力、グルーオンによる強い相互作用も何らかの工夫で作用方向は変わらないとできるかもしれない。
以上は、その場の思い付きのようなもので、理論的に厳密にするには、かなり巧妙な工夫が必要だろうが、要は、時間反転しても変化の方向性が変わらないようにできる可能性は0ではないということ。
(電荷の変化については、保存則を満たすように一層の工夫が必要だろう)
まだ、熱力学第2法則つまりエントロピー増大則すらも同じことがいえるかもしれない。普通、これは時間の方向性を定めるものとされているが、変化は最も実現可能性の高い現象に向かって進むということを原則とすると、時間が+でもーでもエントロピーが増大する方向に変化は進むといえるのではないか?水の中の一滴のインクは、tの符号が+、―に関わりなく、水中に拡散していく可能性が最も高いだろう。
ということで、このⅡ.ではtの符号に関わりなく、変化の仕方そのものが変わらないから、後は、tの符号を任意に都合のよいように決めればよいことになる。また、変化の仕方、その方向性によって時制を定義するとすれば、変化の方向性は変わらないわけだから、過去・現在・未来が入り乱れることもない。Aにとって未来は、BにもCにとっても未来ということになる。つまり、時間順序は守られているといえる。』
非常に長かったですが、以上で概略は伝えました。疑問なのは、宇宙は果たして、ⅠとⅡのどちらを採用しているのか?です。それとも、第3の選択肢があるのか?

A 回答 (3件)

時間の順序は、物理学上大きな謎の一つです。

物理法則は時間反転対称性を持ち、時間tを-tに置き換えても物理法則は成り立ちます。しかし、実際には時間順序は守られているように見えます。

紹介された文章では、時間反転現象が観測されないこと、時間反転によって宇宙が崩壊する可能性があること、時間反転しても変化の仕方は変わらないという考えから、時間はⅠのように一方向にしか流れないという結論を導いています。

しかし、Ⅱのような可能性も考えられます。物理法則は時間反転対称性を持ちますが、時間反転によって物理現象が逆行するわけではありません。物理現象の変化の仕方は時間反転によっても変わらないということです。

この場合、時間順序は時間tの符号によって決まるのではなく、物理現象の変化の仕方によって決まることになります。つまり、時間tは任意の値に決めることができ、過去・現在・未来は入り乱れることになります。

現時点では、宇宙がⅠのような一方向にしか流れないのか、Ⅱのような入り乱れた時間なのかは分かっていません。今後の研究で、時間の性質についてより多くのことが分かってくるでしょう。

第3の選択肢として、時間は全く一方向に流れず、入り乱れた時間である可能性も考えられます。しかし、この場合、物理法則は時間反転対称性を持ちながらも、時間反転現象が観測されないという矛盾が生じます。

時間の性質は、物理学において最も重要な問題の一つです。今後の研究で、時間の真の姿が明らかになることが期待されます。
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空間的に離れた事象の時間順序は


観測者によって変わる場合が有ります。
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ある観測者にとっては常に現在です。

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