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還暦世代の爺さんですが、私が子どもの頃、昭和30~40年代では、
学校で学ぶ歴史でも、時代劇で描かれるときでも、田沼意次というと賄賂まみれの強欲なおっさんのイメージでした。

いま、ネットフリックスで「居眠り磐音」という時代劇を見ていたんですけど、田沼意次が既得権益まみれの従来の幕政の中で、抵抗勢力をものともせず改革を推し進める有能な人みたいなイメージで描かれてました。
 最近は、この映画にかかわらず、田沼意次を好意的な視点で描くドラマや映画がよくありますね。

この人物について、評価が変わったきっかけって何かあるんですか
それとも、
歴史研究が進むにつれて、今までの賄賂まみれの強欲だという偏見が払拭されたと言うことですか

A 回答 (7件)

ネット情報


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E6%B2%BC …

戦前に田沼時代を評価した辻善之助が『田沼時代』を執筆するきっかけになったのも、大正期の1914年に起こったシーメンス事件において、ある貴族院議員がこの収賄事件を田沼時代に見立てて当時の第1次山本内閣を批判したためであり、こうした時代認識は創作作品にも見られ田沼父子を悪役とする紫頭巾などが製作された。ただし、数少ない例外として、辻の『田沼時代』に依った山本周五郎の『栄花物語』(1953年昭和28年)では、意次を実質的な主人公として肯定的に描いている。

後述するように1960年代(昭和35年~)から始まった学術レベルでの田沼時代の再評価の流れに従って、一般レベルでの認識にも変化が見られるようになっていく。例えば高校教育では、汚職はともかく、意次の政策の革新性が扱われるようになる。文芸においては、先の山本の『栄花物語』を例外として、1970年代から変化が見られ、例えば池波正太郎の『剣客商売』では意次が卓越した政治家として登場する上に、当時の時代風潮を肯定的に描写し、少年向け漫画でもみなもと太郎『風雲児たち』で肯定的に描かれた。

近年においては後述のように大石慎三郎の研究以降、意次の汚職政治家という評価も一般レベルで改められつつある。また、古くは辻が意次はあくまでその時代の代表者に過ぎないとして、当時の幕政や時代風潮をすべて彼個人に帰すことを否定しており、竹内誠も「(当時が)こうした田沼の功利的経済政策の仕組みから必然化された風潮であり、田沼意次の個性とか個人的好みに、その原因を求めるべきではなかろう」と述べている。

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> 還暦世代の爺さんですが、私が子どもの頃、昭和30~40年代では、学校で学ぶ歴史でも、時代劇で描かれるときでも、田沼意次というと賄賂まみれの強欲なおっさんのイメージでした。

還暦世代というのは60歳代だとして、十代の50年前は、2024-50=1974年には十歳になっているということでしょう。
水戸黄門の映画やドラマまであるくらいなので、時代劇は時代解釈の頼りには出来ないです。
1977年に中公新書《江戸時代》が一般向けに発行されていて、https://www.chuko.co.jp/shinsho/1977/08/100476.h … その説明に「小説・映画・演劇が作りあげた江戸時代のイメージは、歴史学の研究成果と合致しないものが少なくない。また膨大な史料や事実の中で、全体像を見失った歴史書もある。あるいは、近代社会が前の近世社会をことさら古く見せようとした傾向もなくはない。本書は、二五〇年あまり内外ともに戦争のなかった時代、しかも今日の一般庶民大衆の歴史が直接始まった時代の全体的特徴を捉え直す。江戸時代イメージを一新する通史である。」とあります。新書が一般向けに発行されても「そんなの知らんよ」という人の方が圧倒的に多いのでしょうか、それは仕方ないことでしょう。
https://shibayan1954.blog.fc2.com/blog-entry-416 …
家康、信長、秀吉、清盛、天海、空海、天智、天武 歴史上の人物やその事績に関する印象は、ファンタジーのような面が強く、歴史上のこととは別だと思った方が良いと思います。
「老中の田沼意次が正義の味方みたいなイメー」の回答画像7
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戦後に実証的な史料批判による研究が進んだからです。


戦前の皇国史観では、「極悪汚職政治家」というレッテルで語られました。これは、江戸時代の「中興の祖である名君吉宗の政策をなぞるものが正しい御政道であり前向きな改革」という色眼鏡で見たものを継承したものなのです。
大正時代、皇国史観と一線を画した実証主義史家の辻善之助が『田沼時代』という著書で田沼を再評価をしましたが、専門書ということもあり市井には広がりませんでした。
そういったなか、1990年代に出版された大石慎三郎の『田沼意次とその時代』で一般的に田沼の再評価が一般にも知られるようになりました。
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市井ベースでは、他の方も回答されている池波正太郎の名作で度々ドラマ化されて高視聴率を得ていた「剣客商売」で優れた人物として主人公の秋山父子との関係を描いていることでしょう。



学問的には、徳川時代の基本だった農本主義を評価する儒教的価値観の学界の姿勢が、近代に世界を席巻した欧州の重商主義を評価する姿勢に変質。
その結果、単なる賄賂政治と断罪されていた田沼政治が重商主義を志向していたと再評価された。

ただ、これは、もし田沼時代の重商主義的政策が開国に繋がる成果につながれば、欧米列強に遅れを取ることはなかったという学者の想いが上乗せされた部分もあり、少し過大評価かもしれない。

とはいえ、幕府がこの時点で軌道修正できていれば、近代以降の日本史はもちろん、世界史も大きく変化していた可能性はある。
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実証研究が進んだ結果だと


思います。

昔は、マルクス史観なんてのが
はやりまして
過去に遡れば遡るほど、庶民は苦しかった
権力者は悪辣だった、という
解釈が、実証研究もしないで
通っていました。

しかし、社会主義の衰退とともに
マルクス史観の教条主義が力を失い
実証に基づく研究が増えて来ました。

その結果、江戸時代の農民は結構豊かで
あったとか、
女性の地位が意外と高かった、
なんてことが判明してきました。

田沼意次もその一環でしょう。

彼は、米中心の経済ではダメだ。
これからは貨幣中心の経済にしなければ。

そういう方針のもと、改革を進めた
のですが、既得権益を持つ人達に
阻まれ失脚しました。

汚職、汚職といいますが、当時は
それが当たり前で
非難されることも無かったのです。
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少なくとも「研究の結果特別新しい発見があった」と言った事はないと思います。

田沼意次に限らず歴史上の人物の評価なんて元々両面あるわけですし。
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剣客商売 


BSフジ 毎週(木) 18:30~19:25
https://www.bsfuji.tv/kenkaku4/pub/006.html

2024年4月25日(木) 18:30~19:25
第4シリーズ
第6話「誘拐(かどわかし)」

私もこれを見て意外に感じました。

現在放送中の藤田まこと版は25年前からです。田沼意次は平幹二朗。
テレビ最初の加藤剛版は50年前らしい。

史実はどうなのでしょう。
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池波正太郎の「剣客商売」好意的に描かれてます。


みなもと太郎の風雲児たち、田沼意次と平賀源内たちとの交流、田沼の転落につぎ、松平定信を能天気に描いてることから、田沼時代見直しに貢献
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