フランスだってナポレオンみたいな暴君の登場を2度と許さない、と周辺国から思われていたはずなのに？

フランスだってナポレオンみたいな暴君の登場を2度と許さない、と周辺国から思われていたはずなのに、なんで強大な権限を持つ大統領の仕組みが、憲法で許されているんでしょうか？

首相権限が制限されているドイツと、かなり違うはずですよね？

No.1 ベストアンサー 回答者： kantansi 回答日時： 2025/01/03 11:44

フランスが強大な権限を持つ大統領制を憲法に組み込んだ背景には、歴史的な文脈と政治的な必要性があります。

この点でドイツとの違いが明確になります。

フランスの大統領制の背景
第五共和制の成立
フランスの現行憲法（第五共和制憲法）は、1958年に制定されました。この時期、フランスは政治的混乱と政府の不安定さに悩まされていました。特に第四共和制では、議会が強い権限を持つ議院内閣制が採用されていましたが、連立政権の頻繁な崩壊が政策決定の遅れや国家運営の停滞を招いていました。
この問題を解決するため、シャルル・ド・ゴール（Charles de Gaulle）は、より強力で安定した指導力を持つ大統領制の必要性を主張しました。これにより、大統領に強大な権限を持たせた第五共和制が誕生しました。

歴史的リーダーシップの伝統
フランスでは、ナポレオン・ボナパルトやナポレオン3世のようなカリスマ的指導者の伝統があります。これにより、「強いリーダー」による国家統治が歴史的に受け入れられる土壌が形成されました。フランス革命以降、国家の安定と力強いリーダーシップの必要性が繰り返し議論され、第五共和制はその歴史的文脈の中に位置づけられます。

フランスの中央集権的な国家観
フランスは長い間中央集権的な国家運営を行ってきました。地方自治よりも国家の統一性を重視する伝統があり、その延長線上で強い中央権力を担う大統領が求められました。

ドイツとの違い
一方、ドイツでは第二次世界大戦後、ナチス・ドイツの経験を反省し、権力の集中を避けるための制度設計が行われました。具体的には：

首相権限の制限
ドイツの首相（Bundeskanzler）は行政の長ですが、議会との協力を強く求められるため、単独で権力を行使することが難しくなっています。また、連邦制のため州（Länder）の自治権が強く、中央権力が制限されています。

大統領の象徴的役割
ドイツ連邦共和国の大統領（Bundespräsident）は主に象徴的な役割を果たし、実際の行政権限はほとんどありません。これはヒトラー時代のような権力の集中を再び許さないという教訓から来ています。

歴史的な教訓
ドイツでは、ナチス・ドイツ時代の独裁体制を二度と繰り返さないという国民的な合意があります。このため、権力の分散が憲法で強く保障されています。

フランスのリスクとバランス
フランスの大統領制は、強力なリーダーシップを提供する一方で、権力の集中が独裁に繋がるリスクも孕んでいます。しかし、フランスでは議会や憲法評議会（Conseil constitutionnel）による権力の制約も存在し、一定のバランスが保たれる仕組みになっています。

結論
フランスとドイツの違いは、それぞれの国が歴史の中で学んだ教訓と直面した課題の結果です。フランスは政治的安定と強力なリーダーシップを優先したのに対し、ドイツは権力の集中を回避することを重視しました。この違いが、それぞれの憲法と政治体制に反映されています。

この回答へのお礼

大変詳しく教えていただき、お二方とも、ありがとうございました！

お礼日時：2025/01/06 22:38

No.2 回答者： tanzou2 回答日時： 2025/01/04 19:24

フランスは半大統領制です。

フランス人が５人いれば、意見は
１０個ある、と言われるぐらいの国民性が
あります。

第二次大戦後制定された第四共和国憲法の下で、
小党が分立して不安定な政府が連続したため、
1958年にド・ゴール首相のもと、議院内閣制のシステムを採りながらも
大幅に大統領権限を強化した第五共和国憲法を採用した。

これにより、形式的・儀礼的な権限しか持たなかった大統領は
「三権の総攬者」として議会解散権・閣僚任免権・条約批准権など
大幅な権限を有することとなった。



米国は人種民族がバラバラですので
まとめるために、大統領に大きな権限を
持たせたのです。


韓国は、北朝鮮と敵対していますので
強大な権限を持つ大統領でないと
迅速な対応が出来ません。